花街の芸、歌劇とコラボ “本物の踊り”披露
花街・先斗町(京都市中京区)の芸舞妓3人が、17日から大阪市福島区のABCホールで始まるOSK日本歌劇団のミュージカルの舞台に初めて上がる。幕末の芸舞妓役に挑むほか、踊りなど本物の花街の芸も披露する。「OSKと先斗町、双方のお客さんにも満足してもらえるいい舞台に」と意気込む。
芸妓市さよさん(31)と舞妓もみ寿さん(18)、笛の名手の芸妓市宏さん(70)。異色の「共演」は、OSK側が旧知のお茶屋に話を持ちかけ、実現。8月上旬から一緒にけいこを重ねてきた。
舞台「総司恋歌」は新撰組の沖田総司が主人公の新作。3人は主に隊士のくつろぐ先斗町の座敷の場面に登場し、舞踊などを披露。ミュージカル特有の歌の出番はないが、フィナーレではOSKならではの群舞にも挑む。
市さよさんは総司に思いを寄せる芸妓姫菊役。総司役の高世麻央さんと2人の場面もあり、「踊りだけと聞いていたのに、せりふがいっぱい」と苦笑い。「花街と歌劇はメークも全く違う。勉強になります」。舞妓まり菊役のもみ寿さんは「緊張しますが、いい雰囲気の中で舞台に上がれそう」と話す。市宏さんは主に笛、三味線を披露。死の影におびえる総司の内面を描く場面は、高世さんの剣舞に笛の鋭い音色で緊張感を加える。「春の鴨川をどりも舞踊劇なので違和感はない。OSKの力になりたい」
高世さんは「単にゲストを招いたという感覚でなく、一緒に舞台を作り上げる本当の意味でのコラボレーションができている」と手応えを話す。
20日まで。1日1~3回公演。6500円。同歌劇団TEL06(6362)8838。
【 2010年09月15日 13時33分 】