後継者問題:中国主席、金総書記に祝電

専門家ら「世襲に言及すれば中国にもダメージ」

 中国の胡錦濤国家主席が、北朝鮮の朝鮮労働党代表者会で党総書記に再び推挙された金正日(キム・ジョンイル)総書記に祝電を送った。中国国営の新華社通信が29日に報じた。

 同通信は、「胡主席が28日、金総書記に祝電を送り、朝鮮労働党代表者会が成功裏に開催され、金総書記が再び党総書記に推挙されたことを祝うメッセージを伝えた」と報じた。胡主席は祝電で、「中国共産党中央委員会代表として、個人的な名義で、朝鮮労働党が党代表者会を成功させ、貴殿を労働党総書記に選出し、選挙を通じ最高指導機関が確立したことに対し、熱烈な祝賀の意を表する」とのメッセージを伝えた。

 胡主席はさらに、「中朝関係は、伝統的な友好と密接な地縁関係で結ばれており、広範囲にわたり共同の利益を有している。国際情勢がいかに変化しても、戦略的かつ長期的な観点から両国関係を守り、発展させていく」と述べた。その上で、「近年、北朝鮮は強盛大国の建設と経済発展、人民の生活改善などの分野で目覚ましい成果があった。両国関係を一層発展させ、両国の人民の幸福と地域の平和、共同繁栄を目指して進もう」と強調した。さらに「北朝鮮の強盛大国建設がより多くの成果を収めることを願う」と伝えた。

 しかし胡主席は、今回の朝鮮労働党代表者会で朝鮮人民軍大将と党中央軍事委員会副委員長に任命され、後継者として公式にデビューした金総書記の三男ジョンウン氏については、一言も言及しなかった。

 胡主席は、今年8月に訪中した金総書記と吉林省長春で首脳会談を行った際も、「党代表者会が成果を収めることを願っている」と述べるにとどめ、北朝鮮の後継者問題に直接言及することはなかった。

 北京の外交消息筋は、「北朝鮮は胡主席が公式にジョンウン氏を支持してくれることを願っているようだが、中国はこの問題に言及することができない状況。ジョンウン氏の後継者としての立場がまだ確実でない上、三代世襲問題を取り上げること自体が、中国のイメージに大きなダメージを与える可能性があるからだ」と語った。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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