後継者問題:野党・左派、「世襲」に沈黙

批判は形式的、「ノーコメント」も

 北朝鮮が「3代世襲体制」を公にしたことについて、野党と進歩・左派陣営は事実上、沈黙したままだ。「常識的には理解できない」という形式的な言及にとどまるケースもあるが、後継体制の公式化にだんまりを決め込んでいるケースもある。

 野党・民主党の朴智元(パク・チウォン)非常対策委員会代表は29日、党会議で「3代にわたり世襲が行われるのは、誠に常識外のことだと思うが、われわれは北朝鮮の変化に注視すべきだ」と語った。民主党は前日、趙泳沢(チョ・ヨンテク)報道官が口頭で「民主国家としては理解しがたいこと。こういう時ほど、北朝鮮問題に深い関心を持ち、南北協力を引き続き推進していかなければならない」と述べた。国民参与党の柳時敏(ユ・シミン)政策研究院長は同日、自身の簡易投稿サイト「ツイッター」で、「国の運命を『遺伝子』という生物学的な偶然に任せた愚かな行為」と評した。

 進歩・左派陣営は、世襲について「世襲は批判されるべきだが、北朝鮮に強硬策を取ってはならない」とするグループと、世襲そのものに対し見て見ぬふりをするグループに分かれている。進歩新党は同日、報道官の言葉として「国民の普遍的な情緒と民主主義精神とはかなりの隔たりがあるのは事実。しかし、これをきっかけに南北関係の行き詰まりを解消しなければならない」と明らかにした。

 民主労働党は28日、報道官のコメントとして「わたしたちの視点からすれば、理解しがたい点があるとしても、北朝鮮の問題は北朝鮮が決めるのが、南北関係のためにも望ましい」と述べた。崔圭曄(チェ・ギュヨプ)党研究所長は「ジョンウン氏と党代表者大会に対する情報は明確でない。党大会を見守ってから判断したほうがいいだろう」と述べた、とインターネットメディア「レディアン」が報じた。また、レディアンは、北朝鮮寄りの発言で物議を醸した姜禎求(カン・ジョング)元東国大学教授が、「これまで(世襲問題について)追跡をしてこなかったため、わたしが論評するのは適切でない」と語った、と報じている。

 国連に対し、韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件の調査結果に疑問があるとの書簡を送った団体「参加連帯」や「平和と統一を開く人々」も沈黙している。姜禎求元教授が共同代表を務めている「平和と統一を開く人々」は28日の集会決議文で世襲問題について全く触れず、「西海(黄海)での対潜水艦訓練を中止し、北朝鮮急変に備える計画を廃棄せよ」と主張していた。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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