妻を包丁で刺し殺したとして、殺人罪に問われた足利市家富町、無職、店部(たなべ)正昭被告(66)の裁判員裁判の初公判が29日、宇都宮地裁(井上豊裁判長)で開かれ、店部被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
起訴状などによると、店部被告は3月18日午前5時ごろ、自宅で妻サワさん(当時74歳)と口論になり、背中を包丁(刃渡り約17センチ)で刺すなどして殺害したとしている。
冒頭陳述で検察側はパチンコで借金を重ねた店部被告がサワさんから小言を言われ、憎らしく思うようになったと指摘。事件当日もサワさんの言動に憤慨し「嫌みを言われる生活を終わらせたいと考え、サワさんを殺すことを決意した」と主張した。弁護側は「突発的な犯行。悔悟の念を持っている」と主張した。【岩壁峻】
毎日新聞 2010年9月30日 地方版