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ゴールドマンが2度目の中国工商銀株売却へ

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 【香港】米金融大手ゴールドマン・サックスは中国の大手銀行、中国工商銀行(ICBC)の持ち株比率を引き下げ、これにより20億5000万ドル(約1720億円)の売却益を得るとみられる。

 ゴールドマンの持ち株比率はこれまでの3.9%から3.1%に低下する。株式の売却価格は1株5.70~5.79香港ドル(0.73~0.75米ドル)で、29日の香港市場での同行株式の終値に比べて3~4%のディスカウントとなる。機関投資家が買うとみられる。

 ゴールドマンの同行への出資比率の引き下げはこれが2回目。同社は2006年4月、工商銀のIPO(新規株式公開)を前に同行株の4.9%を25億8000万ドルで買収し、昨年6月に持ち株の約20%を19億1000万ドルで売却し利益を得ている。

 同行の広報担当者からゴールドマンの新たな持ち株売却についてのコメントは得られなかった。

 関係筋が29日語ったところによると、ゴールドマンの工商銀株売却は、同行がゴールドマンのバランスシートに与える不安定さを減らすことが狙いだ。この売却によってもゴールドマンの同行の持ち株は80億ドル相当と、同社の単一の投資としては依然世界最大規模であり、時価会計ルールに従えば、同行株式の価格変動がゴールドマンの財務に大きな影響を及ぼすことになる。

 しかし、今回の株式売却は二つの重要な出来事の間に行われ、好都合といえる。中国農業銀行は今年7月、221億ドルのIPOで株式を上場した。このIPOを前にゴールドマンが工商銀株の大規模な株式売却を行っていれば、中国政府の極めて重要な金融上の施策を傷つけるものとみなされたかもしれない。

 また、ゴールドマンのバランスシートにとってもっと重要なのは、工商銀行がバランスシート強化を目的に、発行済み株式の最大20%にも上る量の株主割当発行を数カ月中に実施するとみられることだ。同行株は今年に入って7.3%下落して、ハンセン指数(2.3%上昇)をアンダーパフォームしている。

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