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【芸能・社会】

菊人形祭り「後継者を」 福井で唯一人の人形師

2010年9月30日 07時33分

 白、黄、紫…。大輪の菊が幕末の志士坂本竜馬らをかたどる。1万鉢の菊が北陸の秋を彩る福井県越前市の「たけふ菊人形」。毎年約10万人が訪れ、59回目の今年は10月2日に始まる。地元で唯一人の菊人形師夏梅秀一さん(61)は「後継者を育てたい」と懸命だ。

 菊人形は竹などで骨格を作り、頭や手足を合成樹脂などで形成。菊の花や葉を骨格にはわせるように衣装にする。今年は竜馬と、縁が深い松平春嶽越前藩主らをテーマに描く。

 菊人形との出会いは肖像画家だった二十数年前。「菊人形を作ってみないか」。ほとんどが他県産の菊人形。地元で製作者を育てたいと考えた観光協会会長に頼まれたのがきっかけ。約40人で「菊人形研究会」を結成した。

 最初の年に5体を作ったが、5カ月もの製作期間などが負担で翌年に会は急激に縮小。3年目に2人、10年前には夏梅さん1人に。一番の負担は仕上げ。花がもつのは約1週間で、慌てれば折れる。「毎回、今年でやめようと思う」。

 一昨年、地元の女子大生数人が「手伝いたい」と申し出て考えが変わった。十数年前から市内の小中学校で「体験菊人形作り」の活動をした際に会った子たち。後進育成は悲願だ。

(共同)
 

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