名古屋グランパスは29日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで、10月2日の仙台戦(瑞穂陸)に向けて練習した。25日の清水戦(アウスタ)で今季初アシストを記録したDF田中隼磨(28)は、チームメートとの連係向上で、持ち味の運動量を、さらなる得点力アップにつなげる。
6人対6人のミニゲームで、田中は何度も右サイドを攻め上がり、ゴール前まで迫った。大きなサイドチェンジで、チャンスも演出した。
25日の清水戦ではFWケネディの頭にピタリと合わせ、今季初アシストを記録した。「周りから好調だと言われるが、僕自身の上下動する運動量はシーズン当初から変わっていない。それをいかに効率的に得点に結びつけるかが課題だった」
逆サイドの左DF阿部が感謝する。「ハユさん(田中)の運動量は本当に豊富で、最近はパス交換がスムーズになってきた。逆サイドで“ため”をつくってくれると自分も攻撃参加しやすい」
田中が攻め上がり、右FW金崎や、流動的にポジションチェンジする左FW玉田、中盤のMFマギヌンらがボールを保持して右サイドに起点をつくることで、左サイドに阿部が攻め上がるスペースが生まれる。そこで、フリーでボールを受けられることが多くなり、クロス、ドリブル、パスなど攻撃の選択肢が増えているというのだ。
田中は自身の運動量、マギヌンや玉田のキープ力、ケネディの高さなど、すべての選手がそれぞれの特長を発揮しつつ、連動できていることが好調の原因だと分析する。「監督の考えはチームみんなが理解できている。それを今、全員がピッチ上で表現できている」
今季は昨季より、サイド攻撃が機能していると感じている。「清水との力の差は、5−1という結果ほどなかったと言う人もいるが、チャンスをつくり、5点を取った。結果が今の力の差だと思う」。アシストという記録上の結果も得た田中は、90分衰えることのない運動量で、グランパスのサイド攻撃を支え続ける。 (伊東朋子)
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