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真弓阪神、あきらめるな!全勝Vだ!

 巨人に敗れと肩を落としベンチを後にする阪神ナイン(撮影・飯室逸平)
 巨人に敗れと肩を落としベンチを後にする阪神ナイン(撮影・飯室逸平)

 「阪神5‐7巨人」(28日、甲子園)

 阪神が痛い、痛い黒星を喫した。先発のスタンリッジが3回5失点KOされるなど、序盤にして今季の負けパターンへ。打線の猛追も及ばず3位に転落した。敗戦の中、遊撃手最多タイ97打点をマークした選手会長・鳥谷は「もう負けられない」と残り8戦全勝を見据えた。5年ぶりVへ、だれもあきらめてはいない。

  ◇  ◇

 声をからす虎党の祈りも通じない。九回2死二塁。一発が出れば同点の場面。代打・林が二ゴロに倒れた瞬間、4万6866人で埋まったマンモスは嘆きと悲しみに包まれた。あまりに大きな1敗。竜の背中がさらに遠のき、Gにもかわされた痛恨の3位転落。猛追及ばず、真弓虎がまさに崖(がけ)っぷちに追い込まれた。

 「最初やね。立ち上がりやね」

 試合後、真弓監督はこう声を振り絞った。隠せない落胆の色。今季初めてと言っていいほどの虚無感を虎の将はにじませた。それだけ悔しかった。スタンリッジの乱調が口惜しかった。初回1死から4被安打に2死球で3失点。さらに三回2死満塁では投手の内海に痛恨の2点適時打を浴びて、3回5失点KO。「抑えるところを抑えて(失点を)少なくしないと、追い付くのが大変なんでね」。指揮官の言葉も深く沈んだ。

 ただ中盤以降に見せた打線の踏ん張りには、「明日」があった。六回だ。平野の右中間三塁打で1点を返し、なお無死三塁。鳥谷が入魂の一撃を放った。内海の125キロチェンジアップをとらえると、打球は風にも乗ってバックスクリーン右に飛び込んだ。2点差に迫る18号2ラン。その瞬間、メガホンをかき鳴らす甲高い音、割れんばかりの大歓声が大銀傘に響き渡った。

 この一発で今季97打点。90年の池山隆寛(ヤクルト=現本紙評論家)が記録した遊撃手の最多打点に並んだ。背番号1の一振りは、確かに反撃ムードを大いに高めた。逆転勝利への期待を抱かせた。「負けたら一緒ですから。切り替えて明日、やっていくだけです」。受け入れがたい敗戦の事実に、試合後の足取りは重かった。ただ選手会長はまだ夢を諦(あきら)めていない。

 残り8試合でマジック8。8戦全勝を成し遂げれば、自力でVを奪い取れる。「もう負けられないですから」。鳥谷は最後にこう誓った。残る8戦をすべて勝ち切るのは並大抵のことじゃない。だがまだまだ頂点奪取への旗を降ろすわけにはいかない。終盤までGに食い下がったその気迫、その執念を最後まで見せ続ければ、必ず奇跡への扉は開く。

(2010年9月28日)

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