道央
砂川の金比羅神社 95年で幕 御神体を四国に返納
(09/08 14:45)
解体を待つ建物を前に「御神体を返すのは心苦しかった」と語る井沢さん
【砂川】石狩川で働く人たちの安全を願って1915年(大正4年)に建てられた金刀比羅(こんぴら)神社が、95年の歴史に幕を下ろした。氏子は現在二人だけで維持管理が困難になり、2日に2代目氏子代表の井沢伯一さん(80)が香川県の本宮に御神体を返納した。井沢さんは「石狩川の砂利採取で栄えた砂川の歴史を象徴する場所。残念だ」と別れを惜しんでいる。(荒井友香)
神社は西4南2、石狩川の堤防の隣に立つ。1890年(明治23年)から鉄道用の砂利採取が始まり、最盛期だった1920年ごろには砂利を運ぶ荷馬車がずらりと並んでいた場所だ。「ここで働く人や、近くにあった渡船場の安全を見守ってきた神社」と井沢さんは説明する。
砂川で初めての花火大会もここで開かれた。約75年前、氏子らが花火を自分たちで作り打ち上げた。これが毎年8月に商工会議所が開いている花火大会の前身となった。商工会議所の那須淳市専務理事は「砂川市の歴史に大きな役割を果たした神社」と語る。神社で花火大会が行われていた当時、参加していた氏子の細川義彦さん(85)は「芝居も繰り広げられたりして大盛り上がりだった」と振り返る。
だが氏子は年々減り、現在は井沢さんと細川さんのみに。「後継者もいないから」と昨年から話し合い、今夏の御神体返納を決めた。相撲大会などで盛り上がった恒例の例大祭は、今年8月10日の開催が最後となった。建物は近く解体され、中にある絵や「金刀比羅神社」の看板は市郷土資料室に寄贈されるという。
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