望 〜都の空から
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【プレシニア記者がゆく これからの入門ガイド】ロボットを作る(中) 盆踊りを覚えさせたい2008年2月8日
ロボット取材を始める前に、厚い二足歩行ロボットの入門書を手にしたが、コンピューター用語も多く、読み始めてすぐ投げ出した。 ところが現行の二足歩行ロボットの組み立てキットは、難しいコンピューター用語を知らなくても、自分の思い通りの動きを覚えさせることができるという。 秋葉原電気街のややはずれ。表通りから奥に入った近藤科学の「ロボスポット」で、中高年男性二人が二足歩行ロボットへの、動作(モーション)の入力方法を習っていた。東京都武蔵野市の元会社役員増井健一郎さん(70)と山形県庄内町の小学校教諭斎藤聡さん(50)。増井さんは昨年末、二足歩行ロボットを購入、指導を受けながら、6時間かかって組み立てた。66歳で会社勤めから離れ、地域の老人会に参加している。昨年秋にテレビでロボットサッカーの番組を見て「少し頭を使ってみたくて」とロボット作りに挑戦した。 斎藤さんはロボット好きの子どもたちへの教育効果を考えた。「ロボットを見る目の輝きが違います」と話す。 教えるのはロボスポット担当社員、引間奈緒子さん(29)。小学生の時にテレビの番組でロボットにあこがれて以来、大学、大学院とロボット一筋だった。 ロボット組み立てキットの付属CDには、歩行や側転など、動きのデータも入っている。これだけでラジコン(無線操縦装置)で楽しむこともできるが、多くのユーザーは思い思いの独自の動きをロボットにさせるのが目的だ。増井さんは「老人会の盆踊りを覚えさせたい」という。 この日は、付属のソフトを使って、動作の入力方法を習う。パソコンとロボットをケーブルでつないでレッスン開始。ロボットを動かすには、データの入力が先、と思っていたら、現行のシステムでは、自分の動かしたいポーズをロボットにさせて、そのデータをパソコンが読み取って進めていくこともできる。 アニメーションのこま送りのように、ポーズを変えて、そのつどデータを読み取る。パソコンにそれぞれのポーズが表示され、それを線でつなぐと連続的な動きになる。歩行などの場合は、左右交互の動作が必要となるが、左のデータを右用に転換して移すこともできる。 「パソコンの操作には慣れている」という増井さんは、左手にロボットを持ち、右手でマウスやキーボードを操る。二人とも真剣な表情。順調に進んだが、二足歩行の調整にはやや手間取った。 左右への重心移動のプログラムも組み込むが、重心移動の幅が大きい場合、速く歩くと、左か右に倒れてしまう。データの数字を変えて重心移動の幅を小さくし、歩行のスピードをさらに上げたら、倒れずに歩いた。「できたあ」と思わず二人から大きな声と拍手が起きた。 ロボット競技では対戦ゲームやサッカーが中心となっているが、増井さんは今のところ競技に参加するつもりはない。「われわれの世代(の愛好者)が増えれば、ロボットとの付き合い方も変わってくるのではないか」と違う形の活用を探っている。 (朽木直文) <ロボスポット> 近藤科学が運営する二足歩行ロボット店舗(千代田区外神田3の6の13)。2006年10月開設。ロボットサッカーの公式コートを常設し、ロボットを持ち込んで練習ができる。ロボット組み立て講座なども随時開く。使用料は平日(午後2〜8時)30分250円、土・日曜、祝日(午前11時〜午後8時)1時間500円。初めての人は無料の体験操縦も。水曜定休。(電)03・6421・6976。
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