ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2010:09/29/10:09  ++  【イチから分かる】「尖閣諸島」 東シナ海の権益確保狙う中国

尖閣諸島付近の日本領海内で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件で、中国政府は逮捕された船長の釈放を日本政府から勝ち取る格好となった。中国側が尖閣諸島の「領有権」を主張し、日本側への圧力をエスカレートさせた狙いは、東シナ海での権益確保だ。日本政府に固有の領土を守る強い気概がなければ、東シナ海は「中国の海」となってしまう。(加納宏幸、矢板明夫)

                   



 沖縄県石垣市の行政区域に含まれる尖閣諸島は、石垣島の北北西約170キロの東シナ海にある8つの島からなる。衝突事件は最大の面積を持つ魚釣島から北東約27キロにある久場島の日本領海内で発生した。

 菅直人首相は26日、中国政府が声明で事件の謝罪と賠償を要求したのに対し、「尖閣諸島はわが国固有の領土だ。謝罪や賠償に全く応じるつもりはない」と拒否した。尖閣諸島に「解決すべき領有権の問題が存在していない」(外務報道官談話)ことは、その歴史が証明している。

 日本政府は1885(明治18)年から現地調査を行い、尖閣諸島が無人島であり、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを確認。その上で、1895(明治28)年1月に領有を閣議決定し、沖縄県八重山郡に編入した。その際、清国側は異議を申し立てなかった。
1940年代まで尖閣諸島ではアホウドリの羽毛の採取やかつお節の加工といった経済活動が営まれ、最盛期には200人以上が住んでいたが、戦時中の物資不足で住民が引き揚げ、再び無人島になった。

 51(昭和26)年に調印されたサンフランシスコ講和条約でも日本が放棄した領土には含まれず、72(同47)年の沖縄返還で南西諸島の一部として日本に施政権が移った。中国政府も同条約に異議を唱えず、中国共産党の機関紙「人民日報」のデータベースによると、53年1月8日付の同紙の記事は「琉球群島には尖閣諸島、沖縄諸島、大隅諸島などが含まれる」と明記している。

 現在、中国はもとより台湾も尖閣諸島の領有権を主張しているが、そのきっかけは69年に発表された国連アジア極東経済委員会(ECAFE)報告書だった。同報告書は尖閣諸島周辺の海底に石油や天然ガスが大量に埋蔵されている可能性を指摘した。

 これを受け、中国は海底資源に注目し、尖閣諸島に関心を示し始める。70年12月4日付の同紙は、日米両国が中国領である尖閣諸島の海底資源を開発しようとしていることを批判する記事を掲載。71年に入ると中国、台湾がともに正式に領有権を主張し、中国は92(平成4)年に制定した領海法で自国領と定めた。

 衝突事件での船長逮捕に対し、中国政府は外交ルートでの抗議にとどまらず、温家宝首相が21日、自ら「釈放しなければさらなる対抗措置を取る用意がある」と船長の無条件釈放を求めるまでに対応をエスカレートさせた。これは、海底資源、漁業資源の確保はもとより、台湾有事の際、台湾から約170キロの距離にある尖閣諸島が安全保障上の要衝となるためのようだ。
日本の及び腰で中国増長

 中国の海洋進出に懸念を示す米政府も尖閣諸島の安全保障上の重要性を認識している。クリントン米国務長官は今月23日の日米外相会談で、尖閣諸島が日米安保条約の適用対象であるとの見解を強調した。

 だが、96年9月には、モンデール駐日米大使(当時)が「米軍は尖閣諸島の紛争に介入する日米安全保障条約上の責務は有していない」と語ったと米紙報道が報じた。これが、尖閣諸島をめぐる中国、台湾の活動を活発化させる素地を作ったとみられる。2004年3月には中国人活動家7人が尖閣諸島に不法上陸したが、日本政府が「日中関係に悪影響を与えないよう大局的な判断」(当時の小泉純一郎首相)をした結果、起訴せずに強制送還。この時の“成功”体験が、今回の中国政府による強硬な釈放要求につながっている。

 中国が増長する原因を作っているのは、いつでも日本側の及び腰の姿勢なのだ。日本政府は自国領土での不法行為に対する甘い態度を改める必要がある。

:2010:09/29/10:02  ++  【正論】評論家・西尾幹二 悲しき哉、国守る思想の未成育

9月24日午後、中国人船長が処分保留のまま釈放される、との報を最初に聞いた日本国民は、一瞬、耳を疑うほどの驚愕(きょうがく)を覚えた人が多かったが、私も例外ではなく、耳を塞(ふさ)ぎたかった。日本政府は国内法に則(のっと)って粛々とことを進めると再三、公言していたわけだから、ここで中国の言い分を認めるのは自国の法律を否定し、自ら法治国家であるのをやめたことになる。尖閣海域は今日から中国領になるのだな、と思った。

 ◆アメリカ頼み、甘過ぎる

 まさか、中国もいきなり軍事侵攻してくるわけはあるまい、と大方の人が考えているが、私は、それは少し甘いのではないかと思っている。また、アメリカが日米安保条約に基づいて抑止してくれると信じている人も圧倒的に多いようだが、それは、さらに甘いのではないかと思っている。

 アメリカは常々、領土をめぐる他国の紛争には中立だとし、現状の実効支配を尊重すると言っている。だからブッシュ前政権が竹島を韓国領と認定したこともある。北方領土の範囲を最初に不明確に設定したのはアメリカで、日ソ間を永遠に不和のままに置くことが国益に適(かな)ったからだとされる。それが彼らの戦略思考である。

 クリントン米国務長官が23日の日米外相会談で尖閣に安保条約第5条が適用されると言ったのは、日本が実効支配している島だから当然で、それ以上の意味はない。侵略されれば、アメリカが直ちに武力行使するとは第5条には書かれていない。「自国の憲法上の規定及び手続に従って、共通の危険に対処するように行動する」と宣言しているだけだ。議会の承認を要するから、時間もかかるし、アメリカが「共通の危険」と思うかどうかは情勢次第である。

 だから、ジェームス・アワー元米国防総省日本部長は、日本が尖閣の主権を守る自らの決意を示さなければ、領土への正当性は得られず、竹島に対する日本の態度は悪い見本だと批判的である(9月24日付産経新聞朝刊)。

 言い換えれば、自衛隊が中国軍と一戦を交え、尖閣を死守するなら、アメリカはそれを精神的に応援し、事後承諾するだろう。しかし逆に、何もせず、中国に占領されたら、アメリカは中国の実効支配を承認することになるだけだろう。安保条約とは、その程度の約束である。日米首脳会談で、オバマ米大統領が尖閣を話題にしなかった冷淡さは、島嶼(とうしょ)部の領土争いに、米政府は関与しないという意思の再表明かもしれない。

 ◆善意に悪意でお返しされた

 そうであれば今回、わが国が、中国政府に対し何ら言論上の争いもせず、自国の固有領土たる理由をも世界に説明せず、さっさと白旗を揚げた対応は最悪で、第5条の適用を受ける資格が日本にないことをアメリカ政府に強く印象づける結果になっただろう。

 自分が善意で振る舞えば、他人も善意で応じてくれると信じる日本型ムラ社会の論理が国境を越えれば通用しないことは、近ごろ海外旅行をする国民には周知だ。中国に弱気の善意を示して強烈な悪意をもって報復されたことは、日本の政治家の未熟さを憐(あわ)れむだけで済むならいいが、国益を損なうこと甚大であり、許し難い。

 那覇地検が外交の領分に踏み込んだことは、多くの人が言う通り越権行為である。仙谷由人官房長官が指揮権発動をちらつかせて司法に圧力をかけた結果だ、と情報通がテレビで語っていた。それが事実なら、国家犯罪規模のスキャンダルである。検察官と官房長官を国会に証人喚問して、とことん追及することを要求する。

 ◆根本原因、占領政策にも

 日本の政治家に国家観念が乏しく、防衛と外交が三流にとどまる胸の痛むような現状は批判してもし過ぎることはないが、他方、ことここに至った根本原因は日米安保体制にあり、アメリカの、日本に攻撃能力を持たせまいとした占領以来の基本政策にある。

 講和条約作りを主導し、後に国務長官になるダレス氏は、アメリカが日本国内に基地を保持する所以(ゆえん)は、日本の自衛権に攻撃能力の発展を許さないためだ、と説明している。以来、自衛隊は専守防衛を義務づけられ、侵略に対してはアメリカの協力を待って排除に当たるとされ、独力で国を守る思想が育ってこなかった。日本に国防の独力をもっと与えようという流れと、与えまいとする流れとの2つがアメリカにはあって、日本は翻弄(ほんろう)され、方途を見失って今日に至っている体たらくを、中国にすっかり見抜かれている。

 しかし、アメリカも相当なものであり、尖閣の一件で、在日米軍の駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を、大幅に増額させる方針を固めているという。

 日本は米中の挟み撃ちに遭っているというのが、今回の一件である。アメリカに攻撃力の開発を抑えられたまま、中国に攻撃されだしたのである。後ろ手に縛られたまま、腹を足蹴(げ)りにされているようなものだ。そして、今、痛いと言ってうずくまっている姿、それがわが祖国なのだ。嗚呼(ああ)!(にしお かんじ)

:2010:09/29/09:34  ++  岐路の旅行ビジネス(下)航空大競争が波及―販売手数料減、迫る淘汰。

26日まで東京ビッグサイト(東京・江東)で開かれた世界旅行博。会場ではポッカリ空いたスペースが目を引いた。尖閣諸島沖の衝突事件で日本と対立する中国が急きょ出展を取りやめたのだ。
中国人誘致に影
 「中国人は訪日客の中で大きなウエートを占めるだけに残念だ」。主催した日本旅行業協会の金井耿会長(日本旅行会長)は24日、記者会見で日中問題についてタイミングの悪さを嘆いた。
 イベントの最中だったからだけではない。訪日中国人を増やすのは観光立国のシンボル。日本政府は7月に個人観光ビザ(査証)の発給要件を緩和、中国側も中国人の海外旅行の取り扱いを外資に開放する検討を始めた矢先だっただけに、観光業界は水をさされた。
 旅行業協会の金井会長は会見の席上、もう1つの悩みを打ち明けた。格安航空会社(LCC)の台頭だ。「コストを切り詰めて低価格を目指すLCCと旅行会社が組むのは難しい」。実際、全日本空輸の伊東信一郎社長は年内に設立するLCCについて「航空券販売をネットに特化する」と明言し、羽田空港に就航するマレーシアのエア・アジアXも旅行会社経由の販売は2割にとどめる。
 アジアを舞台に本格化する空の大競争は旅行会社の経営に波及している。国内外の航空各社は国際線の座席の販売強化を目的に航空券の発券手数料としてチケット代の5%を日本の旅行会社に払ってきたが、09年にこれを廃止。今年4月には国内航空券の手数料も半分に減らした。
 00年に約2万の旅行会社があった米国。01年の航空会社による手数料廃止を機に淘汰が進み、廃業は約1万3000社に及んだ。日本の旅行会社数は昨年4月時点で1万400強。02年に比べると約6%減ったとはいえ過剰感は強く、「米国は日本の近未来の姿」(JTBの田川博己社長)というのが業界共通の見方だ。
 仲介業の旅行代理店は利益率が低いうえに、ここ数年は航空の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の高騰や新型インフルエンザが重なった。JTBは10年3月期まで2期連続、近畿日本ツーリスト、日本旅行は09年12月期まで3期連続の最終赤字だ。中小・中堅の淘汰だけでなく、大手の再編も現実味を帯びる。
少人数型で打開
 厳しい経営環境を打開しようと試行錯誤も始まっている。少人数のための目的型ツアーがその1つだ。全国農業協同組合連合会グループの農協観光(東京・千代田)では、農作物の収穫などを体験できるツアーの参加者が09年度に約8万6千人と04年度から約6割増加。近ツーは10月中旬のショパン国際ピアノ・コンクール(開催場所ポーランド)を観賞する企画が、発売から2週間で売り切れた。いずれも大量送客型ツアーに依存した体質からの脱却を目指している。
 手をこまぬいていては縮小均衡に向かうばかり。旅行ビジネスの変革は待ったなしだ。
 大型再編として1955年、近畿日本鉄道の子会社と独立系の日本ツーリストが合併して近畿日本ツーリストが発足した。その近ツーは日本旅行(西日本旅客鉄道グループ)と2001年に合併で合意したが、翌年撤回。大手の合併は親会社の方針や社風の違いから起きにくいとされてきた。
 これまでは大企業が中堅の旅行子会社を本業集中などで手放す例が大半。西友とキリンビールはJTB、相模鉄道は近ツー、オーエムシーカード(当時)は日本旅行にそれぞれ売却した。大手では東京急行電鉄グループの東急観光(現トップツアー)が04年、ファンド傘下に入った。
 この連載は原克彦、杉垣裕子が担当しました。

:2010:09/29/09:24  ++  民間給与最大の23万円減、昨年406万円、89年水準に。

民間企業に勤める人が2009年の1年間に得た平均給与は約406万円で、前年から23万7千円(5・5%)減少したことが28日、国税庁の民間給与実態統計調査で分かった。1949年に統計を取り始めて以来、減少率と下落額は最大を記録。これまで前年比で最大だった08年の下落幅7万6千円(1・7%)を大きく上回った。
 平均給与は89年の402万4千円と同水準。給与がピークだった97年の467万3千円から61万4千円下がった。
 日本総研の山田久主席研究員は「『団塊の世代』の大量退職の影響もあるが、08年秋のリーマン・ショックを受け、製造業を中心に業績悪化に陥った企業が、正社員の雇用を守るために翌年の給料や賞与を大きく減らしたことが影響した」と分析している。
 調査は、国税庁が抽出した民間企業約2万社で働くパートや派遣労働者を含む約28万2千人の給与から推計した。
 内訳は「給料・手当」が前年比15万3千円(4・2%)減の350万円、企業業績の影響を受けやすい「賞与」は8万5千円(13・2%)減の56万円。「給料・手当」の減少率、下落額ともに過去最大だった。
 業種別の平均給与は「電気・ガス・熱供給・水道業」が630万円でトップ、「金融業・保険業」が625万円と続いたが、いずれも前年比では減少。最も減少率が大きかったのは「製造業」で10・3%減の444万円。「不動産業・物品賃貸業」のみ389万円で3・2%増加した。
 民間企業に09年1年間勤務した給与所得者は4506万人で、前年より82万人(1・8%)減と過去最大の落ち込み。男性が2719万人、女性は1786万人で、いずれも前年比で減少した。
 給与額の人数分布を見ると、「300万円以下」の割合は前年の39・7%から42・0%へ、「300万円超500万円以下」も30・6%から31・8%へ増加。
 一方、「500万円超1000万円以下」は24・7%から22・4%へ、「1000万円超」も4・9%から3・9%に減少した。

:2010:09/29/09:20  ++  北朝鮮、ジョンウン氏「大将」に、一族主導で体制固め、日本に不安要素増す。

【ソウル=山口真典】北朝鮮の金正日総書記は三男ジョンウン氏(27)の朝鮮人民軍「大将」への起用を命令、“ポスト金正日”の体制固め加速を内外に印象づけた。世襲のため核問題などで挑発する基本姿勢は変わらないとみられるうえ、ジョンウン氏の基盤が弱いため不測の事態も懸念される。中国が対日強硬姿勢を強めるなかで北朝鮮では権力承継が本格化し、日本にとって不安定な状況が続きそうだ。
(1面参照)
 「代を継いで不世出の軍事優先霊将を高く奉じた我が党(労働党)は、迎える未来も燦然(さんぜん)としている」。28日付の労働党機関紙「労働新聞」は世襲の正統性を力説した。
 ■妹夫婦が党・軍で後見 総書記が命じた軍人事からは、一族と側近で中枢を固め、ジョンウン氏を後見する体制を固めようという思惑が浮かぶ。ソウル外交筋によると大将となった総書記の妹、金慶喜(キム・ギョンヒ)氏は総書記が2008年夏に倒れた時、「ただ一人いつでも病室に入れた」存在だった。
 金慶喜氏の夫、張成沢(チャン・ソンテク)党行政部長と親しい党官僚の崔竜海(チェ・リョンヘ)前党黄海北道責任書記も大将に昇格させた。失脚していた朴奉珠(パク・ボンジュ)元首相も「金慶喜氏の直訴」(ある脱北者)で復権。総書記の妹夫婦の「側近」が続々と中枢入りしている。
 ■経済再建も焦点 ただ権力の世襲を完了するには、いくつかの大きなハードルがある。1つは経済再建だ。総書記は後継者にふさわしいジョンウン氏の業績を作るため、デノミ(通貨呼称単位の変更)などを進めたが成果はない。20代のジョンウン氏の党・軍の足場の弱さも無視できない。
 「ジョンウン氏が『こんな状況で後継決定は困る』とごねた」(北朝鮮に詳しい関係筋)との情報もある。このため、親族や側近による手厚い後見体制を整える時間がかかり「9月上旬」としていた党代表者会が延期されたとの見方も浮かぶ。
 ■対外政策は変化なし 総書記は自らの再任で権力を手放さない方針を示しており、対外政策では「対話と挑発」を織り交ぜる現路線に変化はないもよう。「故金日成主席の生誕100年を迎える12年までに経済を再建する」という命題を実現するため、対話路線に傾斜するとの観測もある。日本の経済力に期待し拉致問題などと引き換えに「首相訪朝要請」といった揺さぶりを掛けてくることも想定される。
 前原誠司外相は28日、「核、ミサイル、拉致が解決されなければ日朝平壌宣言に基づく国交正常化の前提は整わない」とくぎを刺した。今後、経済再建の失敗や、健康不安説がくすぶる総書記の突然の死などで混乱が起き、対外的な強硬姿勢を強める可能性もある。

:2010:09/29/09:15  ++  日本との結束優先、米国防次官補会見、中国をけん制(解説)

グレグソン米国防次官補が米軍普天間基地の年内決着にこだわらない考えを示したのは、尖閣諸島沖の衝突事件で日中の対立が深まるなか、日米同盟の結束を優先するためだ。台頭する中国への懸念が米国の柔軟姿勢を引き出したともいえるが、普天間問題の決着に見通しがついたわけではない。(1面参照)
 「日本の対応を全面的に支持する」。グレグソン氏は衝突事件について、こう繰り返した。漁船の船長が釈放された後も強硬姿勢を崩さない中国側をけん制する狙いだ。
 米政府は今回の事件が偶発的に起きたとはみていない。「中台関係が改善しているにもかかわらず、中国が軍拡を続けている」(グレグソン氏)ことが、一因と受け止めている。
 衝突事件での中国の主張を認めれば、アジア海域で中国軍の攻勢が強まりかねないとの懸念もある。普天間問題の年内決着を追求し、同盟の亀裂を深めるのは得策ではないと判断したようだ。
 アフガニスタン問題などで消耗する米国は、いま、中国との深刻な対立は招きたくないとの思いもある。グレグソン氏は、尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象かどうかについて「尖閣諸島は1972年に沖縄県と一緒に日本に復帰した」と答えるにとどめた。クリントン米国務長官は23日の日米外相会談で、同諸島が安保条約の対象になると言明した。今回は発言が直接、表に出るインタビューだったことから、グレグソン氏はより慎重な言い回しになったとみられる。
 普天間問題も楽観できない。米国は来年初めを最終決着の期限にする意向とみられるが、沖縄知事選を経て、菅政権が地元の理解を得られるかどうか。その道筋はまったく見えてこない。

:2010:09/29/09:06  ++  米・豪州・カザフなど、レアアース生産拡大、中国依存脱却へ動く

【ワシントン=大隅隆】レアアース(希土類)生産で9割以上のシェアを持つ中国が輸出管理を強化していることを受け、他の埋蔵国が相次いで生産拡大に乗り出す。米国企業が休止していた鉱山での採掘を再開するほか、来年生産を始めるオーストラリア企業は能力倍増する。カザフスタンでは住友商事が参加してレアアースを回収する事業に着手する。自動車や軍事など最先端技術を支えるだけに、中国依存から脱却する動きが世界的に広がってきた。
 米国は世界有数のマウンテン・パス鉱山(カリフォルニア州)で採掘・生産を本格的に再開する。同鉱山を傘下に持つモリコープ社のスミス最高経営責任者(CEO)が日本経済新聞に「採掘は来年から再開し、2012年末までに年2万トンを生産する」と述べた。
 生産するのはセリウムやランタン、ネオジムなどハイブリッド車や光学レンズ生産に不可欠な9種類のレアアース。レアアースの09年の世界生産量は約12万4000トン。同鉱山が2万トンを生産すれば一定の需給緩和効果が期待できる。
 豪鉱山企業ライナス社は11年後半から西オーストラリア州で初めてレアアースを生産する。年1万1000トン生産する計画だったが、このほど2億豪ドル(約160億円)を投じ、12年末からは生産量を2万2000トンに倍増する方針を決めた。
 日本企業も調達先の多様化を急ぐ。中央アジアのカザフスタンでは住友商事が6月に国営原子力会社と合弁企業を設立し、ウラン採掘後の残存物からレアアースを回収する新事業に参入。12年にフル稼働し年3000トンを生産する。東芝も同様の事業をカザフで計画しており、年内にも合弁会社を設立する。
 先端技術に欠かせないレアアースの安定調達は安全保障の面からも国家的な課題だ。特に尖閣諸島沖での衝突事件を契機に中国から日本向けの輸出が滞っていることで危機感は高まっている。
 日本政府は海外の権益確保、リサイクル推進、代替材料開発、国家備蓄を柱とした「レアメタル確保戦略」を打ち出し、具体化に動いている。中国依存を避けるため、カザフスタンなどと外交交渉を進め、日本企業の権益確保を支援していく考え。米政府も27日、国内のレアアース生産を支援することなどを視野に入れた新戦略を年内に打ち出すと明らかにした。
 ▼レアアース 17種類の異なる元素の総称。かつては米国などでも生産していたが、人件費増や環境汚染などの懸念が台頭。埋蔵量で世界の約3分の1の中国が安値攻勢を掛け、ほぼ全量を生産する構造になっている。旧ソ連諸国や米国などの埋蔵量は多い。