郵便割引制度をめぐる偽の証明書発行事件で起訴され、無罪が確定した厚生労働省元局長の村木厚子氏(54)に対する大阪地検特捜部の捜査について、三井環(たまき)・元大阪高検公安部長(66)ら市民約100人が「虚構のストーリーを作り上げた冤罪事件だった」として、伊藤鉄男・最高検次長検事ら9人を懲戒免職処分とするよう求める審査を検察官適格審査会に申し立てる。三井氏側が24日、公表した。
三井氏らが処分を求めるのは伊藤次長検事のほか、最高検と大阪高検、大阪地検の幹部・特捜部検事ら。三井氏らは村木氏に対する捜査は必要な裏付けを怠ったうえ、虚偽の供述調書を作った冤罪事件だったと主張。最高検と大阪高検幹部は村木氏の逮捕・起訴を指示しており、重大な過失があるとしている。10月1日にも審査を申し立てるという。
検察官適格審査会は検察庁法23条に基づいて法務省に設置され、国会議員や法曹関係者らから選ばれた委員が検察官の適格性を審査する。不適格との議決が出た場合、法務大臣が罷免する。1992年に検察官1人が罷免の議決を受けたケースがある。