後継者問題:一族の権力で「ジョンウン氏保護」(上)

金敬姫&張成沢の「夫婦パワー」

 金正日(キム・ジョンイル)総書記(68)は28日、後継者と言われていた三男ジョンウン氏(27)と、同じ母親から生まれた唯一の妹・敬姫(ギョンヒ)氏(64)に「大将」の称号を与えた。これに先立ち、金総書記は今年6月、金敬姫氏の夫・張成沢(チャン・ソンテク)党行政部長(64)を、最高権力機関である国防委員会副委員長に任命した。現在、金総書記の夫人としての役割をしているキム・オク氏も、今年2回あった金総書記の訪中にいずれも随行しており、権力の中心にいることを示している。

金総書記一族、ジョンウン氏の「保護膜」に

 韓国の安全保障関連部処(省庁)当局者は「金総書記は若い後継者ジョンウン氏を保護・補佐するため、最も信じられる自身の一族を『保護膜』にしたようだ。過渡期に金敬姫氏・張成沢氏夫妻が権力を行使する可能性が高い」と話す。

 この日、張成沢氏に近いと言われている崔竜海(チェ・リョンヘ)前黄海北道党委員会責任書記(62)が「大将」に任命されたほか、張成沢氏の側近中の側近である朴明哲(パク・ミョンチョル)氏(69)は今年6月、体育相になっている。

 金敬姫氏・張成沢氏夫妻は昨年12月以降、金総書記の現地指導によく随行しているが、「金総書記は『一生信じられるのは家族だけ』と考えているようだ」(韓国統一部関係者)という見方がある。

 その一方で、張成沢氏にとって最大のライバルだった李済剛(リ・ジェガン)朝鮮労働党組織指導部第1副部長(80)は張成沢氏が国防委副委員長に昇進する数日前、「謎の」交通事故で急死した。李済剛氏と共に組職指導部にいた李容哲(リ・ヨンチョル)同部第1副部長(82)も今年4月、心臓まひで死亡した。

 治安政策研究所のユ・ドンリョル上級研究官は「張成沢氏はその長兄・張成禹(チャン・ソンウ)次帥(2009年死去)と次兄・張成吉(チャン・ソンギル)中将(06年死去)が築いてきた軍部内での人脈が厚いため、軍部にもかなりの支持勢力がある」と話す。北朝鮮消息筋は「金総書記が08年8月に脳卒中で倒れたとき、金敬姫氏、張成沢氏、キム・オク氏ら北朝鮮の『ロイヤルファミリー』が金総書記の病床に付き添い、事実上の代理統治をしたという情報がある」と語った。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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