宝門の浜の由来

元々は法藻。ホンダワラの浜です。

ホンダワラをホモと呼び、いつしか万葉仮名が当てられ、宝門の浜となったわけです。

ホンダワラを万葉集では玉藻と呼びます。


数多くの映画の舞台

この浜は数多くの映画の舞台ともなっています。この地域は石干谷、宝門、天満と呼ばれた地域で、明治後期から昭和初期にかけ、多くの著名な日本画家に描かれた地域です。 特に山神の高台付近から描かれた物が多く、船頭の浜を中心に幾多もの風景が描かれています。

この高台には山神様が祀られています。その昔、ここが波切と他の地区の境だったと言うことになります。元旦早朝に、注連縄切り神事が行われる場所でもあります。

この場所の前にはその昔、望洋荘という旅館があり、渥美清さんなど多くの映画俳優、監督さん達が宿泊されたそうです。この祠も縁起を担ぐため、多くの俳優さん達が朝、拝んで行った様です。何故か、拝んだ俳優さん、監督さんの多くは大俳優、名監督として名を残しています。

この場所で、岩下志麻さんなどが出演した切腹という映画が撮影されました。長谷川一夫さんなどもこの場所で撮影を行ったそうです。

実は、この山神様、何が祀られているかと言うと天岩戸の石が祭られている様です。

天岩戸といえば日本神話にてスサノオの命の悪戯に嫌気が指した天照大神が隠れてしまう場所です。困った神々は天岩戸の前で相談し、神々が宴会を催し、アメノウズメの命が岩戸の前で踊り、何事かと天照大神が覗き見たとき、手力男の神様がその隙間を一気にこじ開け世の中が明るくなったという有名な神話の場所です。

波切では天岩戸のある山を「ちそうさん」と呼びます。現在の志摩市磯部町恵理原にある天岩戸ががそれにあたります。故に各家庭の神棚には天岩戸の石が祭られています。この祠を管理していた家も天岩戸を信仰していた家です。

さて、天岩戸といえばその前で踊った神様がいます。アメノウズメの命といえば実は芸能の神様です。つまり、俳優の神様でもあるわけです。多くの俳優さんや映画監督さんが知らず知らずのうちに手を合わせていった様です。

ご利益は多数。渥美清さん、丹波哲郎さん、仲代達也さん、中谷一郎さん、三国連太郎さん、岩下志摩さん、田中絹子さん、音羽信子さん、市川雷蔵さん、島崎由紀子さん、池辺良さん等、ここで撮影した映画に出演された俳優さんの多くは大俳優と呼ばれる存在に、また溝口健二監督、本田猪四郎監督、大庭秀雄監督、堀内真直監督、木下恵介監督、小津安二郎監督など 参拝ないしこの付近で撮影を行った監督さんたちも日本を代表する多くの名監督へと大出生しています。

この祠は参拝した際に撮影した映画が大ヒットするというジンクスがあります。「小さき勇者たち〜ガメラ〜」の田崎竜太監督や津田寛治さん、奥貫薫さんなども手を合わせたりしていますのでジンクス通りであれば大ヒットします。2006年のゴールデンウィークは映画館でガメラを見て、大王町へ訪れてトト(ガメラの名前)の育った場所を堪能してください。