中国人船長釈放問題 「衝突ビデオ」の公開めぐり閣内で温度差
中国漁船の船長釈放問題で前原外相が厳しい追及を受けた。鍵となる衝突の瞬間をとらえたビデオ映像の公開については、閣内で温度差が見られる。
自民党の小池総務会長は「明治維新は黒船1隻で開国になったけれども、菅政権は漁船1隻で売国になるのではないか」と批判した。
中国人船長釈放後初の論戦となった参院外交防衛委員会で、前原外相は「この件は、司法手続きにのっとって行われたもので、外務省として立ち入るべき問題ではありません」と述べた。
これまで通りの主張を繰り返す前原外相に対し、自民党の佐藤正久議員は「これが本当に検察が自分でやったら大暴走ですよ。何でもできますよ。今、国益、どれだけ迷惑をかけてると思ってるんですか」と述べた。
その一方、那覇地検の釈放方針発表の前日、官邸と事前に協議のうえ、外務省が担当者を那覇地検に派遣した事実がわかった。
突然の釈放に政府の関与と思われる動きが明らかになった点について、松本外務副大臣は「省庁間のことであり、官邸と協議するのが適当だと」と述べた。
窮地が続く「弱腰外交」の打開策の1つとみられているのが、「衝突の瞬間を映したビデオ」の公開。
前原外相は「明白に中国漁船が、かじを切って体当たりをしてきたと。また、当たった後においても、エンジンを逆回転させて、離れる措置をとるはずですが、そういった形跡はまったくビデオからはございません」と述べた。
このビデオ公開について、柳田法相は28日、国会の求めがあれば公表は可能としたが、前原外相は「証拠物として扱うということの中で、公開については慎重に扱った。総合的に判断していくということになると思う」と述べた。
国民新党の下地幹事長は「わたしはビデオを公開して、現状を世界の各国に知ってもらうことが、今の時点では十二分に必要だと思う」と述べた。
みんなの党の江田幹事長は「なぜ公開してなかったのか。今からでも遅くないので」と述べた
(09/28 19:19)