アメリカ軍普天間基地の移設先として、日米両政府が合意した沖縄県名護市辺野古の沿岸を環境保護団体が調査したところ、絶滅のおそれが高いジュゴンが食べる海草をはじめ、多様な生き物が生息しているという結果がまとまり、保護団体は基地の移設をやめるよう訴えています。
この調査は「日本自然保護協会」などがことし7月、名護市辺野古沿岸のおよそ2キロ平方メートルの海域で行ったものです。調査では絶滅のおそれが高いジュゴンが食べる複数の種類の海草が見つかったほか、ウミヘビやヒトデ、それにカニやサンゴなど360種類以上の生き物が確認されたということです。その結果、辺野古の沿岸には多様な生き物が生息する豊かな生態系があるとしています。日本自然保護協会の大野正人部長は「来月には生物多様性について話し合う国際会議、COP10が名古屋で開かれるが、議長国の日本が足もとで豊かな自然を壊していいのかと感じている」と話しています。日本自然保護協会は今後、辺野古への基地移設の中止を国に働きかけていくことにしています。