「ソビエト帝国の崩壊」の小室直樹氏死去

　政治や経済、国際問題など多彩な分野での活動で知られた評論家の小室直樹（こむろ・なおき）氏が４日午前１時３分、心不全のため東京都文京区の東大病院で死去したことが２８日、分かった。７７歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で済ませた。

　京都大卒。米国留学を経て東京大で政治学者丸山真男氏に師事した。経済学から出発し、政治学や社会学、心理学などを幅広く研究した。

　１９８０年に「ソビエト帝国の崩壊」がベストセラーとなり、評論活動を展開した。ロッキード事件をめぐっては田中角栄元首相の無罪を主張。歯に衣（きぬ）着せぬ発言でも知られた。

　２００６年から東京工業大特任教授を務めた。「論理の方法」「経済学をめぐる巨匠たち」「あなたも息子に殺される」など著書多数。（共同）

　［2010年9月28日22時57分］