(cache) 警視庁にWinnyでの児童ポルノ逮捕のことを聞いてみました

警視庁にWinnyでの児童ポルノ逮捕のことを聞いてみました



初めてWinny(ウィニー)上での児童ポルノを公然陳列で検挙(事件のあらましがわからない方はココを)、
しかも意図的なアップロード者じゃなかったということなので、ちょっとこれ色々影響大きいんじゃない?とか思って、
警視庁にお聞きしてみることに。
ただ、前回よりは窓口のガードが少しだけ堅め?
考えてみたら掲示板の時のは犯罪統計の発表だったけど、今回は事件なので多分そのせいでしょうねー。

そんなわけで窓口でちょっとだけ色々やりとりしましたけど、それでもきちんと担当の課に下さるのは警視庁の嬉しいところ。
そんなわけで、今回の少年育成課とのお話内容です。
刑事さん 「もしもし」
てん 「てんたまと申します。えっと、最近Winnyでの児童ポルノの逮捕をされたってことがニュースで流れてて、そのことについてお問い合わせをしたいのですけど」
刑事さん 「ええ、ええ。ただ、言えることと言えないことがあるんですけれども」
てん 「あ、そうなんですか」
刑事さん 「はい、はい。まだ継続中なもんですから」
てん 「捜査まだ継続中なんですか」
刑事さん 「そうです、そうです。はい」
結構具体的な情報は出てたと思うのですが、考えてみたら立件前だし、扱いとしてはまだまだ継続中で不思議はないよね。
そのうち続報が流れるかもしれません。
とりあえずは今回聞きたい内容へ。
てん 「このWinnyの件なんですけど、今までと違って、その、なんていうか、かなり踏み込んだ解釈になってるのが、まずWinny上が公然陳列と判断されたってことじゃないかと思うんですよね」
刑事さん 「ええ、はい」
てん 「今まで公然陳列っていうと、ネットとかでもHPとか掲示板とか」
刑事さん 「そうですよね。はいはいはい」
てん 「これから先はWinny、他のShare(シェア)とかそういうのも?」
刑事さん 「詳しくは言えないんですけれども、まぁあの、今後は公然陳列または提供ですかね。不特定多数のものに対する提供
てん 「あ、提供」
刑事さん はい。もしくは公然陳列。いずれかでですね、捜査していくことになります
どうやら公然陳列以外に提供でも網に掛けられるのではという判断をお持ちみたいです。
てん 「ということは、提供とかってことになると、児童ポルノに限らなくなりますよね」
刑事さん そうですね。当然猥とかも当然入ります。猥とかの公然陳列・提供と。はい」
てん 「著作権とかはどうなるんでしょう」
刑事さん 「ちょっと、そういうのは言えないです、はい。ははは」
猥褻のことを現場では猥って言ってるんですねー、知らなかった。
少年育成課なので、別の課が捜査すると思われる著作権関係については言えないのは道理なのですが、
うちではわからないじゃなく、言えないという言う方が少しだけ気になりました。
そちら方面で気になる方は心の準備くらいはしておいた方がいいかも?
てん 「あと、未必の故意という判断が、もう一個として入ってるんですけど」
刑事さん 「あ、未必の故意ね。はいはいはい」
てん 「これをこういうことに適用した例って今まで聞いたことなかったんですけど」
刑事さん いや、大体、このファイル共有ソフト、Winnyに限らずですね、ファイル共有ソフトと言われる種類、WinnyだとかCabosだとかShareazaだとか色々ありますけれども、それは大体なかなかの故意を持ってというよりも、まぁ、こういう風なファイル共有ソフト持ってると、自分でもデータをもらえるし、必然とそれが流れてですね、放流されて、また色んな人もそれをまた自分のデータ化、放流されて届くと。そういうようなことになれば、意識しなくても必然と流れてしまうんだよという認識があれば、強い故意がなくてもですね、未必の故意になると。こういう解釈でやっております
てん 「つまり、ファイル共有についてある程度の知識、仕組みの知識がある程度あるならもうそれはって感じなんでしょうか」
刑事さん ええ。結局よく新聞なんかでですね、まぁ我々警察官もそうだし、えー、学校の先生だとか、我々公務員だとかで情報漏洩があるということで問題になってますけれども、それもこういうファイル共有ソフトっていうのは当然ウィルスになんかにかかれば放流される危険度も高いしですね、まぁファイル共有ソフトを構築する人っていうのは大体そういう危険性も絡んでるっていうのもある程度認識してやってると思いますのでね。まぁ統括的にはある程度本人の意思の確認も当然しますし、ええ」
仕組みについて多少の知識(といっても専門的なことじゃなく、P2Pの基本的な辺りで充分?)があれば、
未必の故意が成立するという判断のよう。
ファイル共有での逮捕者が公務員の世界から出ていることにはかなり危機感を抱いてる感じです。
そういえば各都道府県警の長を集めた会議でそのことに対する激が飛んだみたいなニュースもあった気がします。

ところで、自分でも聞いてみたい内容だった“意思の確認”の話が丁度出たので、次はそのことについて質問。
てん 「その意思の確認なんですけど、やっぱり、今回の件で言うなら“みんなに見てもらいたかった”みたいな自白というか、そういうものですか?」
刑事さん そうですよね。うん。当然そうなって来ますし、やはりWinnyも含めてファイル共有ソフトは全員が全部そういう風な考え方じゃないとは思いますけれども、やはり、放流しちゃうんだよっていうのがあるというのは大体皆さん知っていながらそういうダウンロードソフトをインストールすると思いますのでね。まぁ、ただ取得した猥となりにしろ、例えば音楽にしろ映画にしろ、結局は著作権にも引っかかってきますのでね。非常に危険なことだなと思いますので」
てん 「なるほど」
刑事さん 「まぁデータに気をつけてですね、まぁ近寄らない、処置を取るとかして頂ければありがたいなと思います。はい」
自白を判断材料にはするけれども、ファイル共有ソフトについてはインストール時点でグレーという判断がこの先広がっていくような印象。
てん 「ところで、今、ブロッキングということが、少し前に国で導入するというのが流れてましたけど、抜け道になるということですよね、P2Pが」
刑事さん 「ええ、そうですね。ブロッキングはどっちかというと携帯のですね、公然陳列なんかでプロバイダーの会社の、協力を得てですね、あの、そういう猥とか関係、児童ポルノ関係を遮断すると。そういうことですので、なかなかその、抜け道として今後そういうファイル共有ソフトが出てくるんではないかなと
てん 「そういうことですか」
刑事さん 「ある意味ですね、警察としても、ファイル共有ソフトの方にちょっと注目をしてですね、えー、まぁ抜け道にならないようにですね、捜査をするというようなことも含めて今回こういう報道してたんですよね」
ブロッキングだけは片手落ちということで、この先ファイル共有ソフトの方にも力を入れていくというのが警察の意向みたい。
てん 「そうするとですね、P2Pっていうのは当然プロバイダがある特殊なパケット、その、ポート番号を許可しないと出来ないものなんですけれども、仕組み的に」
刑事さん 「そうですね。今ちょっとですね、申し訳ないんですけれども、また捜査上の秘密等もまだまだありますのでね、詳しくはちょっとお話できないんです。申し訳ございません」
ファイル共有に必要なポートの遮断についてもプロバイダに働きかけていくのかどうかを聞いてみたかったんですけど、残念・・。
会話が切れてしまったので、ツイッター上で頂いた質問をここでぶつけることに。
てん 「ところでこの方は掲示板とかで自分でアクションを起こしたりはされてるんでしょうか」
刑事さん いや、書込とかそういうことはやってません。そういうのはやってません。あくまでファイル共有ソフトで色んな情報を落とそうとして、それがまぁ放流してたと。放流もこの人は結構承知でやっていましたと、放流されるのはですね
てん 「じゃあ特に掲示板で何かしたわけじゃないわけですね」
刑事さん 「ええ、そうですそうです。掲示板等ではありません。はい」
こういうことなので、特に目立った行動を取ったというわけでもないみたいです。
本当に1ダウンロード者の逮捕ということで、今までの逮捕者とは大きく意味合いが違ってくるのは間違いなさそう。
てん 「それはそうと、この手の逮捕ってWinnyしか聞いたことないんですけど、やっぱりWinny以外も研究はされてるんですよね?」
刑事さん P2PとしてはWinny以外もです。eMuleだとかPerfect DarkとかCabosだとか、ファイル共有ソフトにはありますけれども、ええ。まぁ年々年々紐付けがつらくなってますよね。ですからそういう気持ちの強い人は、まぁそういったところに染まらないようにそれぞれ研究してやってるんでしょうけれども。警察のサイバーパトロールルームで大体発見されてしまうんですよね」
てん 「なるほど・・」
刑事さん 我々としてはですね、児童ポルノに関しては被害者がですね、そういう子が流通防止で生きるのを辛くなくしてあげたいという気持ちが強いものですから。はい。中には被害者が実際に毎日毎日怯えているというのは実際に見てますのでね、中にはDVDにされてしまったりですね、ネットで流出されて彼氏が見つけちゃったとか、数年後になって、どうしようどうしよう怯えている、実際にそういう一例もありますからね。はい」
てん 「そうなんですか・・」
刑事さん だから興味本位でそういうことをやっていてもらうのは非常に困ると。モラルとしてですね、ええ。実際に自分の身内が性的な被害に遭って、ネットで泣いてる時、どうしたいいんだというのを考えて頂ければということですね」
この辺りから非常に音が聞きづらくなってきてて、一部落ちちゃってる部分もあるにはあるんですけど、
それでも話の流れというか、警察の立場がはっきり伝わる内容。
てん 「そうなると、ブロッキングをやった結果こちらに流れてくるだろうってことでですよね」
刑事さん 「まぁそれもありますよね。それもありますし、まぁ警察のことで色々と、考える人は考えますので賢くなっちゃいますよね、ええ。ただそのいたちごっこに警察は指をくわえているわけにいかないもんですから、ええ。さっきも言いましたようにまだまだ泣いてる被害者がいっぱいいますし、なんとかして欲しいという相談もいっぱい受けますのでね。はい」
色々相談所があるといっても、告発のためには警察に被害を打ち明けることになりますから、
実際に被害内容を聞く立場としては譲れないということみたい。
被害を抑えたいという意味では私達一致してるんだけど、難しいね・・・。

会話内容が相当聞き取りづらくなってきたので、締めの質問に行くことに。
てん 「結局、Winnyが一番多いから、Winnyになってるだけと思っておいていいですか?」
刑事さん ええ。使ったのがWinnyってことなんですよ。別にWinnyを対象にしてやってるというわけではありません。いわゆるファイル共有ソフトというですね、情報が共有できるソフトを今後やっていこうというのはどこの警察でも実は同じだと思います。Winnyだからというわけじゃありません
てん 「そういうことなんですね。じゃあ警視庁さんが今回こういう風にやられてますけど、どこの警察でもこういった動きが出てくるだろうってことですよね」
刑事さん 「ええ、もちろんです。全国の警察ともですね、こういうファイル共有に今後力を入れてやるかと思います
そういうことなので、警視庁独特の解釈というより、警察全体が今後この考えで統一されていくということと思っておいた方がよさそう。
ファイル共有はこれからは受難の時代になるのかもね。
今回のてんたまレポは以上です。
物腰も柔らかく、この通り色々お話下さる方だったので、同じ聞くなら次回取材時もこの方がいいなという感じ。
指名してもいいですか的な質問には苦笑されてましたけど。

それでは、いつもながらおつきあい頂きありがとうございました。
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