サンマ復調、活気づく浜 大船渡で今季初500トン超え


 

 大船渡市大船渡町の大船渡魚市場に22日、今季初めて500トンを超えるサンマの水揚げがあった。記録的不漁が続くだけに、水産業関係者は久々の大漁を歓迎。23日に東京都の東京タワーで行われる炭火焼きイベントにも間に合った。関係者はより南下した海での本格的な漁場形成を願っている。

 同魚市場に22日入港したサンマ船は7隻。合わせて約550トンの水揚げがあり、浜は活気づいた。漁場は日本とロシアの海域の境付近まで南下。三陸沖まではまだ遠い。

 第15海鷹丸(大船渡市)の清枝光臣漁労長は「まとまったが、漁場は狭く群れが薄い。水温が高いのでまだ三陸沖までは来られないだろう」と分析する。

 今年のサンマは記録的不漁。浜を70年見てきた水産加工会社会長の松沢政一さん(85)は「ここまでの遅れは記憶にない。今後水温が下がって南下が早くなり、三陸沖を通過してしまうことが心配だ」と懸念する。

 23日には東京都で「三陸大船渡東京タワーさんままつり」を開催。3333匹のサンマを炭火焼きで無料提供する予定だ。関係者は本格的な水揚げの継続を期待する。

 同魚市場の千葉隆美専務は「ようやくまとまってくれた。標準的なペースで漁が続いてほしい」と願う。

【写真=大船渡魚市場に水揚げされたサンマ。今季初めて1日の水揚げが500トンを超えた】

(2010/09/23)

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