2010年9月28日19時31分
謝罪する米津真・図書館交流プラザ総合館長(右から2人目)ら=愛知県岡崎市役所
日本図書館協会の松岡要事務局長は「今回のような個人情報の流出は初めて聞いた。個人が図書館で本を借りたこと自体が公開してはいけない情報。借りた本の書名も含むとなればなおさらで、異常な事態だ」と話した。
同社の図書館ソフトをめぐっては、男性が自作プログラムで岡崎市立図書館のホームページにサイバー攻撃を仕掛けたとして5月、業務妨害容疑で逮捕され、起訴猶予処分になる事件があった。朝日新聞の取材によると、図書館ソフトに不具合があり、大量アクセスによる攻撃を受けたように見えたという。他の図書館でも閲覧障害が起きており、同社は全国で改修作業を進めている。。(神田大介、連勝一郎)
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岡崎市立中央図書館を核とする複合施設「同市図書館交流プラザ」の米津真・総合館長は今回の問題について「市民に迷惑をかけ、申し訳なく思っている」と謝罪した。今後、個人情報の流出を確認した利用者に、おわびの文章を送るという。
米津氏は「個人情報の保護や複写の禁止を定めた契約に対する明白な違反。今後、MDISの指名停止や損害賠償請求など法的な対処を検討したい」と話した。図書館システムは来年1月に更新の予定で、すでにMDISの採用を決めていたが、白紙撤回も含めて検討するという。