県警の不正経理問題で、市民オンブズマン福井(坪田康男代表幹事)が西川一誠知事に対し、知事本人と支出権限のあった県警職員らに県費分約1390万円の返還を請求するよう求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が10日、福井地裁であった。知事は全面的に争う姿勢を示した。
訴状によると、04年4月から09年8月までの間に、物品を架空発注した業者に代金を保管させる「預け金」や、個別発注した物品の代金を虚偽の書類を作ってまとめて払う「一括払い」などの違法な公金支出で、県は約1390万円の損害を被った、としている。
同オンブズは今年3月、不正経理による支出金1565万円の返還を求めて住民監査請求をした。だが県監査委員は国費分を「権限が及ばない」、県費分を「県の被害には当たらない」として却下したため県費分について提訴した。
知事側は答弁書で「訴状では対象となる職員などが具体的に特定されておらず、不適法」などと指摘した。【橘建吾】
毎日新聞 2010年9月11日 地方版