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白鵬、万感賜杯!史上初4場所連続全勝V

 放駒理事長から優勝の天皇賜杯を受け取る白鵬(左)=両国国技館(撮影・開出 牧)
 放駒理事長から優勝の天皇賜杯を受け取る白鵬(左)=両国国技館(撮影・開出 牧)

 「大相撲秋場所千秋楽」(26日、両国国技館)

 横綱白鵬が大関日馬富士を寄り切り、史上初の4場所連続全勝優勝を果たした。全勝優勝は、双葉山と大鵬の両横綱に並ぶ歴代1位の8回目。14日目に決めた16度目の優勝と、自身初の4連覇に花を添えた。初場所14日目から続く昭和以降2位の連勝記録を「62」とし、九州場所(11月14日初日、福岡国際センター)で、いよいよ双葉山が持つ“不滅の大記録”69連勝超えに挑む。

  ◇  ◇

 悔し涙に暮れた名古屋場所千秋楽から63日。先場所は優勝しながら手にできなかった天皇賜杯を、白鵬は晴れやかな表情で抱いた。「先場所はつらい思いをしたので、今場所は自分がもう一回という思いで頑張った」。全勝優勝も62連勝も、すべては「賜杯」のために流した汗の結実だ。

 優勝はすでに決まっていたが、横綱に気の緩みは一切ない。日馬富士の鋭い踏み込みを正面から受け止め、押し込まれても慌てずに右を差し込むと、左で抱えながら一気に前進。盤石の寄りで大関を一蹴し、4場所連続の全勝優勝で場所を締めくくった。

 「名古屋の経験が大きかった。それを思い出しながら一番、一番に臨んだ」。野球賭博問題で揺れた名古屋場所、協会はすべての外部表彰を自粛した。「国歌が流れて土俵の上を見たら、賜杯がなくて…、悔しくて…」と、表彰式で人目をはばからず号泣した。

 悔しさを力に変えた。正常開催に戻った今場所は、賜杯授与も再開。場所前から「今場所はわたしが(賜杯を)いただきたい」と、珍しく闘志をむき出しにした。場所中は休みがちだった朝げいこを、今場所は15日間皆勤。連勝記録が騒がれたが、けいこ場から報道陣を締め出して土俵に集中した。

 悲願の賜杯を手にし、「わたしは決して力が強い人間ではない。運がある」としみじみ。ただ「運は努力した人間にしかついてこない。精進したことで神様がくださったと思う」と日々のけいこを誇った。指導する熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)は、「先場所を乗り越えたことで責任感と自覚が芽生えた」と、弟子の成長に目を細めた。

 次の目標を問われると、「まずは一番近い江戸時代の谷風関。それから昭和の大横綱、双葉山関を目指したい」ときっぱり。谷風の63連勝は九州場所の初日に、双葉山の69連勝は7日目に並ぶ。精進の心を忘れない限り、神様は白鵬にほほ笑むだろう。

(2010年9月26日)
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