東京中日スポーツ 55周年企画
55周年イヤーの記念事業や紙面企画をご紹介します
トップ > 中日スポーツ > 大リーグ > 紙面から一覧 > 記事
【大リーグ】イチロー、200安打の次は100敗危機 レイズ戦に惨敗 16敗目2010年9月27日 紙面から
【セントピーターズバーグ秋野未知】偉業を達成した男を待つのは再び100敗の悪夢か−。マリナーズ・イチロー外野手(36)が25日(日本時間26日)、当地のレイズ戦で先発出場。第1打席に中前打を放ち5試合連続安打としたが、チームは9−1の惨敗で3連敗を喫し、今季96敗目となった。マ軍は残り8試合を5勝3敗で乗り切らなければ、08年以来となる屈辱の三ケタ敗戦に到達。そんな状況を知ってかイチローはコメントを残すことなく球場を後にした。 今季ノーヒットノーランを達成した右腕ガーザのカーブを、腕をたたんではじき返した。まさに芸術的な中前打。これで5試合連続安打としたイチローだが、打線爆発の呼び水にはならない。後続はつながらずに5回まで0行進。4点を追う6回にグティエレスのタイムリーで1点を奪うのがやっとで、ガーザに15勝目を献上した。 「今日のわれわれは完全にたたきのめされた。出塁しても直後に三振やダブルプレーが続いて、投手陣もなかなかアウトが取れず苦しんだ試合だった」。ブラウン監督代行は憔悴(しょうすい)しきった表情で声を絞り出した。リーグ最弱のマ軍にとって、ア東地区でヤンキースとし烈な優勝争いが佳境を迎えるレイズに勝つのはやはり至難の業…。初回に4点を奪われ主導権を握られると中押し、ダメ押しと理想的な試合運びで圧倒され、3連敗で今季96敗目を喫した。 これで残り8試合で屈辱の100敗到達を避けるには5勝3敗が条件。ただ現状のマリナーズを考えれば厳しい数字と言わざるを得ない。イチローが着実に200安打を達成した一方で、チームの9月成績は6勝16敗。開幕から低空飛行を続けた状況は変わる気配はなく、球団史上5度目の100敗到達が現実味を帯びてきた。 しかも前回100敗到達した08年は、イチローが個人記録に走る選手として一部メディアが選手の声を引用して酷評。それだけに、イチロー自身も胸中複雑な思いでいるに違いない。この日は記者会見を行わず足早に球場を引き揚げた背番号「51」。是が非でも不名誉な100敗到達だけは避けたいところだが…。 ◆100敗は過去4度 マリナーズが100敗に到達したのは78年(104敗)、80年(103敗)、83年(102敗)、08年(101敗)の計4度。今季到達すれば2年ぶり5度目。
|