東京電力の福島第一原子力発電所5号機でタービンが止まるトラブルがあり、原因を調べた結果、社員が誤って隣の6号機で抜くべきケーブルを5号機で抜いていたうえ、これに伴って緊急時に原子炉に水を送る装置が半月余りにわたって動かない状態だったことがわかりました。国の原子力安全・保安院は「不適切な管理だ」として、再発を防止するよう東京電力を指導しました。
福島県にある福島第一原発5号機では今月2日、タービンの1台がふだんより回転数が上がって自動で止まるトラブルが発生し、東京電力が原因を調べました。その結果、タービンに送る蒸気の量を調整する装置のケーブルが抜けていたことが原因で、先月16日に社員が誤って、本来、隣にある検査中の6号機で抜くべきケーブルを運転中の5号機の同じ装置で抜いていたことがわかりました。またこれに伴って、緊急時に原子炉を冷やすために水を送る装置が今月2日までの半月余りにわたって動かない状態が続き、トラブルが起きるまで誰も気づいていなかったということです。このため原子力安全・保安院は「不適切な管理だ」として、東京電力の清水正孝社長に対し再発を防止するよう指導しました。東京電力は「作業ミスは携わった社員4人の思い込みが原因で、なぜ防げなかったのかを徹底的に調べて対策を取りたい」と話しています。