Updated: Tokyo  2010/09/28 00:04  |  New York  2010/09/27 11:04  |  London  2010/09/27 16:04
 

船長釈放に民主有志が抗議-仙谷氏、中国には修理代請求(Update3)

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  9月27日(ブルームバーグ):沖縄県・尖閣諸島沖での海上保安庁巡視船と中国漁船の接触事件で那覇地方検察庁が中国漁船の船長を釈放したことを受け、民主党の有志議員73人が27日、連名で同地検の判断を「極めて遺憾」とする抗議声明を発表するなど与野党から批判の声が出た。

  こうした中、仙谷由人官房長官は同日午前の記者会見で、「現時点ではボールは中国にある」と述べ、関係改善は中国側の出方次第との認識を示したうえで、同事件で損傷した巡視船の修理代を中国側に請求する方針を明らかにした。

  抗議声明は同党の金子洋一参院議員が自身のブログで公表した。 川内博史、網屋信介両衆院議員ら中堅・若手が名前を連ねている。声明は「今回の事件の処分にあたり、他国からの発言や行動を考慮に入れる必要は法理上一切ない」と指摘。その上で、「外交問題を一つの理由とする今回の判断は、政治的判断であり検察の権限を大きく逸脱した」と断じている。ただ、菅直人首相や仙谷氏ら閣僚への批判は控えた。

  仙谷氏は午後の会見で、抗議声明について「われわれと見解が違うというだけの話だ」と述べるにとどめた。

  また、抗議声明に賛同した1人の松原仁衆院議員は同日午後、国会内で記者団に対し、政府が検察の判断を容認していることに関して「日中関係に極めて重大な国益を害する判断を検察がしたことを了とするのは政治主導の立場からすると齟齬(そご)がある気がする」と疑問を投げ掛けた。

  一方、自民党の谷垣禎一総裁は24日、記者団に対し、「腰砕けとの反応が出てくるのではないか」と批判した。谷垣氏の発言は同党が公式ウェブサイトに掲載した。

原状回復

  仙谷氏は27日午前の会見で、現在の二国間関係について「中国との戦略的互恵関係を改めて充実あるいは豊富化させる作業に入っていく段階だ」と指摘。「身柄釈放という決着が着いた段階で考えてもらうべきことが多々あるのではないか」と中国側に関係改善に前向きな対応を促した。

  損傷した巡視船の修理代については「当然のことながら原状回復を請求することになる」と強調。「外交ルートで現時点で行うのか、クールダウンしてから行うのかは別だが、そういうことは当然わが政府の課題になるべきだ」と指摘した。

  こうした中、首相は27日夕、官邸で記者団に対し、来週ベルギーのブリュッセルで開催されるアジア欧州会議(ASEM)への対応について「私自身の出席も含めて今検討中だ」と語った。中国の温家宝首相と会談する可能性については「まだだれが行くか決まる前に、その先のことまで申し上げるのはまだ早いかと思っている」と述べるにとどめた。

 共同通信は先に、同会議には中国の温首相も出席する予定で、日本政府は尖閣諸島周辺で発生した中国漁船衝突事件の収拾に向け、現地での日中首脳会談開催を模索する、と報道している。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 広川高史 Takashi Hirokawa thirokawa@bloomberg.net

更新日時: 2010/09/27 19:25 JST
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