拘置期限まで5日間も残る中、供述拒否に転じた被疑者を釈放するという異例の措置を取った那覇地検。鈴木亨次席検事は会見で「福岡高検および最高検と協議の上で決定した」としたが、日中関係への影響に言及するなど、検察当局を超えた政治判断が色濃くにじむ。
会見では「今後の日中関係を考慮」との釈放理由について、記者から「政治的判断もあるように読める」「日中関係とはどういうことを想定しているのか」などと質問が相次いだ。
鈴木次席検事は資料をめくりながら言葉を選ぶように説明。「今回の決定は日中両国の外交その他の関係に与える影響について、あくまで本件に関する諸事情の一つとして考慮した」などと終始政治判断を否定。検察独自の判断であることを強調した。
拘置満期前の釈放も「必要な捜査がほぼ終結する見込みとなった」と捜査上の判断とした。
(琉球新報)
2010年9月25日