異常高温の夏、今後増加? エルニーニョや偏西風蛇行で1898年の統計開始後最高だった今夏の高温の原因について、気象庁の「異常気象分析検討会」(会長、木本昌秀東大大気海洋研究所教授)が3日、見解をまとめた。春まで継続したエルニーニョと、夏に発生したラニーニャ両現象の相乗効果や、日本上空付近を吹く偏西風の蛇行などの複合要因を指摘した。 木本会長は記者会見で「今後1週間は厳しい残暑が続く」とした上で、「今年のような猛暑が頻繁に起こる可能性は低いと思うが、地球温暖化の長期的な気温上昇傾向は続いており、(今夏に)似たケースは増えると予想される」と述べた。 検討会は、今回の高温を30年に1度程度しか発生しないと定義される「異常気象」と位置付け。南米ペルー沖の海面水温が上がるエルニーニョ現象で熱帯域の気温が上昇。暖められた大気は、日本を含む北半球の中緯度帯に押し上げられた。そこに日本列島などに高温をもたらすとされるラニーニャ現象の効果が加わった、と分析した。 【共同通信】
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