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最終更新:2010年9月27日(月) 19時57分

首相突然の美術館訪問、永田町で憶測呼ぶ

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 26日、突如、東京・八王子市内のある美術館を訪れた菅総理。来月1日に臨時国会が召集されるこの時期を選んで訪問したことが、永田町で憶測を呼んでいます。

 26日午前、東京・青梅市にある高齢者専門の医療施設を視察した菅総理が、昼食後に突如出かけたのは八王子市内の美術館でした。菅総理は、かねてから関心があったというレンブラントの絵画などを熱心に鑑賞しました。一見、優雅な休日に見える美術館訪問。だが、この美術館の設立者が、公明党の支持母体「創価学会」の池田名誉会長であることから、総理の真意をめぐって波紋が広がりました。

 「誰かと会っているのは間違いないと誰もが思うのは当然じゃない」(自民党幹部)

 菅総理が創価学会幹部らと絵画鑑賞を隠れ蓑に会っていたのではないかという憶測を呼んだのです。

 「創価学会幹部の同席はなかった。公明党に対して、シグナルを送る意味合いはあった」(首相周辺)

 参議院で少数与党となった民主党。一方、公明党は参議院で19議席を有しています。総理周辺は、今回の訪問の背景に、ねじれ国会をふまえ、公明党との連携を進めたい意向があることを認めました。

 「人によっては(公明党は)創価学会の丸抱えだという見方もあります」(09年1月・予算委員会、菅首相)

 だが、菅総理は、野党時代、予算委員会などで「政治と宗教」の問題を執拗に取り上げては、創価学会と公明党の関係を追及してきました。その菅総理の突然の変心。政府関係者は、その陰に仙谷官房長官の存在があると指摘しています。

 「美術館訪問は総理自身ではなく、仙谷官房長官の発想がもとだ。仙谷長官は秋波をいろいろな場面で送るべきだと助言し続けている」(政府関係者)

 しかし、当の公明党からは困惑と批判の声があがっています。

 「こんなことをやられると逆効果だ。賛成できるものにも賛成できなくなる。裏で支持母体と官邸が取引しているような印象を与えてしまう。稚拙だ」(公明党幹部)

 野党との協議を推進するきっかけとなるのかどうか、来月1日召集の臨時国会で問われることになります。(27日16:00)

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