今回は藤原メインです。主人公出ません。
なんでだろう...主人公よりも準主人公の方が人気があるような...
焼き鳥屋と門番
side Hujiwara
時刻は正午。そろそろ、あっちからのお客さんが来る時間だ。俺は嫌だったんだけど...昨日ゆかりんにフルボッコにされたからなぁ...ババアなんて言うんじゃなかったなぁ...
「欝だ...」
とっても欝だ。今までにこれほど欝になったことがあるだろうか。いや、ない...こともないか。人間卒業したとき以来だな。
「誰が来るか...いや、それ以前に親にどう説明すれば...」
今この瞬間の不幸度は、間違いなく人生においてのワースト3に入るだろう。
「......っ不幸だーーー!!!」
なんで俺ばっかりがこんな目に遭わなきゃいけないんだ! 刀弥はあんなにリア充生活を満喫しているのに! なんでその親友の俺はこんなにも報われない! 世界のルールなのか!? 主人公補正なのか!? 格差社会反対!! ついでに消費税増税反対!! 金持ちや大企業から搾り取れやボケ!!
「畜生...虚しいぜ...」
いくら叫ぼうとも愚痴をこぼそうとも、ただ虚しさだけが残る。床に拳を打ち付けると、拳の形に床が陥没した。人外ここに極まれりだな。怪しい組織に拉致されないように気をつけよう。
「イタッ!?」
目の前にスキマが開き、それなりの重量のあるものが落ちてきた。仕方ないか...これもおぜうさまの言うところの運命。所詮は避け様のない現実だ。おとなしく受け入れるとしよう。
「いらっしゃい」
ああ、クソッタレ...親への説明はどうしようか...ロリじゃないから、まあ弁解程度はさせてくれるだろ。ウチの両親もそんなに心は狭くはない。親父に軽くオラオラからアリアリのラッシュを受けるだろうけど...
「あ、あなたは...確か刀弥さんの友人の...」
「そーだよ。あのリア充の友人の焼き鳥屋。とりあえず茶でもどうぞ」
あらかじめ用意しておいた湯のみにお茶を注いで、目の前で状況がいまいち分からないといった様子の中華小娘こと紅美鈴に渡す。
「あ、これはどうも」
いきなり連れてこられたんだ。状況がわからないのも無理はない。俺も初めて幻想郷へ連れて行かれたときには同じような状況だったしな。
「いきなり連れてこられて何がなんだかわからないだろうから、軽く状況を説明させてもらうぞ」
「え? ああ、はい」
お茶を飲んで一息ついたところを見計らって話題を切り出す。
「まずは、ここがどこか。わかるか?」
「いえ、全然」
だろうなあ...
「ここがどこかというと、二つの答え方がある。まずは、この家のことだが、俺の家だ」
「へ? わ、私紅魔館で門番をしてたはずなんでが!?」
ゆかりんのせいだよ。というか門番として機能してないだろう。居ても大した障害にならずに簡単に突破されるし。
「んで、二つ目だ。コホン...」
一度咳払いをして、ゆかりんに言えと言われたセリフを言う。
「ようこそ。外の世界へ」
「え? す、すみません...もう一度」
混乱して自分の耳を疑ってるんだろうな。仕方ない仕方ない。
「ようこそ。外の世界へ。つまり、ここは幻想郷じゃなくて外の世界」
「嘘!? 私門番の仕事があるんですけど!」
そっちかい! と内心で突っ込んでみる。けど、居ても居なくても一緒ならべつにいいんじゃないかな。
「ひどいです...気にしてたのに...」
「あらら、声に出てたか」
これはうっかりしてた。
「どうせ私は居ても居なくても同じ役に立たない門番ですよ...咲夜さんにも毎日ナイフを投げられてましたし...」
「ネガティブなのは結構だが、自覚があるなら直したらどうだ? ナイフを投げられるのはほとんどが自業自得だろ?」
刀弥の話によれば魔理沙が侵入してくるのは週に一度有るか無いからしいし、毎日ということはそれだけ居眠りしているということだ。これを自業自得と呼ばずになんと呼ぶ。
「幻想郷にも外の世界にも味方なしですか...」
そうそう。世の中はそんなに甘くはない。いや、解雇されないだけ甘いのか?
「まあ、それは置いといてだ。ここに連れてこられた理由がわかるか?」
「それがわかったら混乱しませんよ」
ゆかりん...せめて事情の説明程度はしてやれよ...
青年事情説明中...
「...カクカクシカジカ四角いマ○チということなんだけど、わかったか?」
これでわかる人はおそらく居ないだろう。わかったら拍手を送って差し上げよう。
「マルマルウマウマってことですね?」
「そうそう、そういうこと」
よかった、人じゃないからわかったのか。
「ってことは私はそんなわけの分からない実験のためだけに連れてこられたってことですか!?」
「む~ん...まあ、居なくなってもさして影響のない人物ってことで選ばれたんだろ」
魔法使いは魔法の研究に精を出してるし、妖精は自然から力を貰って存在できてるわけだからこんな自然の少ないところでは消滅するだろうし、神様は論外。幽霊は間違いなくネタにされるだろうから却下。死神は三途の川で一応仕事してるし。閻魔も論外だ。慧音さんは人里で教鞭を取ってる。天狗は一目で異常だとわかるから却下。で、残った妖怪の中でも大人しくて能力も目立たなくて人と接することに慣れているのが選ばれたってことだろう。
「現代から幻想郷へ行くのが幻想入り。逆だから現代入りか? まあどうでもいいか」
「どうにかして帰れませんか?」
「返してやりたいのはやまやまだが、俺じゃ無理だ。まあ、実験って話だからある程度データが取れれば向こうから迎えに来てくれるだろ」
それ以前にどうやって親に説明するか...最大の難関が待ち受けている...収納もそんなにないから隠し通せるわけが無いし、かといって普通に説明するのは大きな、かなり大きな誤解を招く。絶対に勘違いされる。
「.......男は度胸つってもなぁ...俺ヘタレだしなぁ...」
頭を抱えながら床をゴロゴロと転がりまくる。うちの親は良くも悪くも普通の親だ。能力を持ってるわけでもないし、達観した精神を持っているわけでもない。クラスの女子ならまだ言い訳が効く。だが、こんな『美人』を親の前に連れて出たらどんな反応をされるか...弄られるか、驚かれるか、怒られるか、警察に通報されるか、喜ばれるか...全然予測がつかねえ...
「あ、あの~、何をそんなに悩んでるんですか?」
転がり回って壁に頭を強かに打ち付けた直後、そんなことを聞いてきた。
「あんたのことをどうやって家主に説明するかで悩んでる」
「普通に話せばいいんじゃないでしょうか」
「ひどい誤解を受けそうだから嫌だ」
でも説明しないわけにもいかないし...
「うるさいぞ流...斗?」
最悪のタイミングで親父が入ってきた。
「......」(俺)
「......」(親父)
「......」(美鈴)
痛すぎる沈黙が部屋を満たす。頼む...なんとか言ってくれよ...
「流斗...」
涙を流しながら俺の肩へ手を置く親父。自分の息子がそんなに信用できないか。そうかよ。ぐれるぞ。
「待て、誤解だ親父」
「悪いことは言わん。自首しろ」
「誤解だっつってんだろ!!」
「まあ、大人しく吐けや。どこから攫ってきた」
「だから違ーーーう!!」
「嘘だ! お前がこんな美人さんを連れてこれるわけないだろ! 大人しく吐け!!」
「自分の息子がそんなに信用できんのか!?」
「信用できん!」
「自信を持って言い切るな!」
「愛ゆえにだ!」
「愛を持ってるなら信用しろ!」
「飴と鞭という言葉を知らんのか!」
「知っとるわボケ!」
口論がヒートアップしてきたところで下の階から足音が聞こえてきた。ま、まさか...お袋か!?
「騒がしいわね...あら、りゅうちゃん。ずいぶんな美人を連れこんでるわね」
俺オワタ...なんてこったい。後門の親父。前門のお袋。逃げ場無しのサンドイッチ状態。
「それと、あなた?」
瞬間、空間が凍ったような気がした。
「...ハイ、ナンデショウ」
震え上がる親父。どうやらお袋は怒っているらしい。背後にゴゴゴ...という擬音が見て取れるほどのオーラを纏っている。
「私以外に美人なんて言葉を使うだなんて...許されると思ってる?」
「モウシワケゴザイマセン」
「OSHIOKIを受ける覚悟はあるかしら?」
「...も、もしかして右ですか?」
「NO」
「左?」
「NO」
「も、もしかして...オラオラですかぁ!?」
「YES.オラオラから無駄無駄、アリアリもボラボラもあるわよ? そこのお嬢さん、ちょっと待っててくださいね」
「NOOOOOoooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!!!」
般若のような表情をしたお袋に連れられて親父は部屋の外へ連れて行かれた。ご冥福をお祈りします。
「そして誰も居なくなるか?」
『このド低能がーっ!』
「居なくなりましたね」
『ドッギャース!!』
...とりあえず、色々ともう遅い。ありのままを説明すべきか、それとも要点をぼかして説明すべきか。
「ところで、オラオラとか無駄無駄とかアリアリとかボラボラってなんですか?」
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ! スタープラチナ・ザ・ワールド。時よ止まれ』
説明に困るな...アレをどう説明すべきか...いや、説明事態は結構簡単か。
『そして時は動き出す』
『あ?』
俺は...俺は我が家は常識的な家族だと信じている! だから下で起きている惨劇なんて知らないんだ!
『ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラーレ・ヴィーア(飛んでいきな)』
下の階で鳴っている銃撃音なんて知らない! 俺の家族はまともなんだ! 一般常識を持ったどこにでもいる極普通の核家族だ!!
「ラッシュ、いや乱打だな。殴って相手を浮かせて拳の乱打による弾幕を全身に、高速で叩き込む、恐ろしい技だ。初撃を食らえばあとはひたすら蹂躙されるだけ」
『アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリーヴェデルチ(さよならだ)』
「うわ...ひどい技ですね」
下の階から恐ろしい音が聞こえてくるが、無視する。問題は美鈴のことをどう説明するか。それが今最優先で考えるべきことだ。
「ああ...畜生。腹括るか。あんたが妖怪だってことばらすぞ。いいな」
「...まあ、別にかまいませんが...」
正直に説明しないと埒が明かない。男は度胸! 俺はヘタレだけどな!
side out
side mother
「あ~、すっきりした。こんなにいい汗をかいたのは何年か前イタリアでマフィアを一つ潰したとき以来かしら?」
side out
なんとなく最初のほうを自分で読み返してみたのですが、かなりひどかった...自分で書いといてあれなんですが、よくあんな駄文を人様の目に曝せたなと後悔しております。しかし修正を入れる気力もないという...