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  幻想郷訪問録 作者:黒羽
三名様スキマツアーへご案内 後編
 人里に着いてから、隆二が既にいるであろう慧音さんが手配してくれた宿へ向かう。

「いやはや、結構活気があるな~」
「そうだね。外の街よりずっと活気があるような気がする」

 涼子の言うとおり、こちらは人数こそ少ないがその分人と人との繋がりがある。そう見えるのもまあ仕方のないことだ。

「ほら、そろそろ宿に着くぞ」

 確かここを右に曲がれば...

「このッ変態!放せ変態!!」
「頼む!もっと、もっと強く!!」

 まさか昼よりもひどい状態だったとは...見なかったことにしよう。

「藤原、涼子、どうやら道を間違えたようだ。すまんな方向音痴で」
「なあ、俺の見間違いでなければ隆二が蹴られてヘヴン状態「忘れろ。それが一番だ」...そうだな」
「なになに?」

 話を聞かせろと言わんばかりに首を突っ込んでくる涼子。慌ててそこへ結界を張り、光と音を遮断する。

「あのな、世の中の情報には二種類ある。知るべき情報と、そうではない情報だ」
「ああ。これはどちらかといえば二つ目。ここから先は、知ったら戻れない」

 その通りだ藤原。

「ともかく、知らないほうがいいということだけは確かだ。友人を見限りたくはないだろう」
「あっはっは!そんな心配はご無用だよ。私は絶対に友人は見限らない」

 ...ずいぶんと立派な宣言だが、それはダウトだ。これを見て軽蔑しない奴はいない。まずいない。絶対にいない。大事なことだから三回言った。

「やめとけ。絶対に軽蔑するから」
「そんな事ないって。私は友人をそんな汚い目で見たりしないから」

 ...ああ、こいつはいい奴だ。実にいい奴だ。だけど、だからこそ見せたくない。

「黒羽...いいだろう」

 藤原が肩を叩く。

「駄目だ。コイツにあんな光景を見せるわけにはいかない」 
「いいから見せて」

 なおも食い下がる涼子...しかし、ここまで頼まれれば仕方がない。

「見て後悔しないな?」
「反省はしても後悔はしない。それが私だよ」
「...いいだろう」

 結界を破棄。中の光景が夕日に晒される。

「この!いい加減に放せ変態がぁ!!」
「もっと!もっと強くだ!!頼むからもっと踏んでk」

 今度は自分が見たくなくなったので再び結界を張る。

「前言撤回。すごく反省してるし後悔もしてる。そして軽蔑する」

 かなりへこんでいるようだ。まあ、無理もない。あんなのを直視したんだからイメージが崩れたんだろうな。

「だから言っただろう。少し遠回りになるが次の角を曲がっても宿にはつける。俺は馬鹿を連れて行くから先に行っててくれ」
「「イエッサー」」

 二人が去ったことを確認し、結界を解く。

「妹紅、そこの馬鹿を引き取りに来たからちょっと退いてくれ」
「ハァ...ハァ...助かったよ。早く何とかしてくれないか」

 ずいぶんとお疲れな様で。なぜ慧音さんが来なかったのかは謎だが、今は地面にひれ伏すこの馬鹿を連れて行くことにしよう。

「なぜやめる!もっとふn「白符『全否定の結界-Easy-』」」

 空間を遮断する結界を張り、能力を使ってその内部の結果を全て否定する。そうすれば全ての行動が意味を無くす。ちなみにハードになると過程も消し去るので内部は完全に無になる。
 しっかし我ながら性質の悪いスペルを作ったものだ。

「はッ!?俺は一体何を?」

 縄で縛って引きずり出す。落ち着いたようだし、ひとまず安心だ。

「連れが迷惑をかけた。すまん」

 頭を下げる。

「次からは無いようにしてくれる?」
「了解。さっさと行くぞ変態真性マゾヒスト」

そのまま臨戦体制の隆二に当て身をくらわせて宿へと向かう。

青年移動中………

「さて、明日からの予定についてだが、どこへ行きたいとかの希望はあるか?」

宿の部屋に三人を集めて話をする。一応藤原のことは話したが、これといって問題は無かった。

「俺としては太陽の畑がいい」
「却下だ。次、涼子」

隆二の提案を即刻却下して、他の二人の顔を見る。藤原は幽香の事を思い出したのか、顔を真っ青にしてガクガクと震えている。
涼子は苦笑いで返す。

「三途の川」
「却下」

当たり前だ。誰が好き好んで閻魔に会いに行くものか。

「なんで〜?」
「当たり前だろうが。あと、閻魔様に長ったらしくありがたいお説教をされたいのか?」
「うげ…確かにそれはちょっと……」
「藤原」

今度こそまともな意見が出ればいいんだが…

「紅魔館」
「そこならいいぞ。他に案が無ければ俺が決めたルートを行くが、それでいいか?」
「俺は別にいいぞ」
「同じく」
「私も〜。ところで決めたルートって?」

涼子が首を傾げる。まあ、それは明日の楽しみにさせておこう。

「行ってからのお楽しみだ。明日は早いから今日はもう寝ろ」
「何を仰る!」

隆二が勢いよく立ち上がる。

「旅行の楽しみと言えば!!」

藤原も立ち上がり拳を突き上げて言う。なるほど、次に言う事はわかった。

「枕投げにk「暴れたら迷惑料として一人一万払ってもらう」スンマセン!」

当然連帯責任だ。取った金は半分博麗神社と守屋神社へ寄付する。もう半分は旅館の女将さんに渡して維持費として使ってもらう。

「さて、涼子、お前の事だから無いとは思うが…連帯責任で一人暴れたらお前も含めた全員に払ってもらうからそのつもりで」
「い、イエッサー…」

よし、これで一安心だ。今日は紅魔館へ戻ってレミリアに明日の事を伝えておくかな。
え〜、新しいのを一つ書き始めたため、今後の更新速度が若干遅くなるかもしれませんが、勘弁してください。
あと次回からは幻想郷ツアーとなります。