三日に一度と言っておきながら何日も間が開いてしまいました。読者の皆様、すいませんでした。
宴会 中編
「フラン」
周りは宴会でにぎやかにしている中、一人だけさびしげに佇むフランに声をかける。
「刀弥~!」
「とりあえず落ち着け。ほら、ジュースとクッキー」
いきなり抱きついてきたフランをなだめ、頭をなでる。
「う~!!」
「一体どうした…」
埒が明かない…今は好きにさせておくか…
しばらくして、ようやく剥がれたフランに目線を合わせる。
「落ち着いたか?」
「…うん」
「どうしたんだ?急に抱きついてきたりして」
抱きつくのはいつものことだが、今日のは少し様子が違った。なんというか、寂しいという感じがした。
「あのね…お姉さまは霊夢のところへ行っちゃったし、咲夜もどっか行っちゃったし…」
「なるほど…」
一人でいるのが寂しかったということだろう。しかし…
「俺じゃなくても他の奴のところへ行けばいいんじゃないのか?」
「……だめだよ…どうせ怖がられちゃうし…」
考え方は一昔前に戻ったか…まあ確かに昔のイメージだと怖がられるよな。
「あのな、今は数年前と違って力も完璧に操作できるようになっただろう。間違えて壊したりすることもなくなったし、学校でも何の問題もなく過ごせてる」
「学校では紫さんに抑えてもらってるし…でも…自分の近くに簡単に自分を壊せる人がいて…」
「ふむ…フラン、お前は俺が怖いか?」
少し意地の悪い質問だが、この考え方はダメだ。今のうちに直しておかなければ友達もできないだろう。フランには、もっと笑っていてもらいたい。
「そ、そんな事ない!」
「だったら大丈夫だ。俺もその気になればお前を簡単に壊せる。もちろんそんな気には絶対にならないがな」
銃を片手に持ち、フランに向ける。もちろん安全装置は掛けているし、トリガーに指をかけてもいない。
「で、フランもその気になれば俺を簡単に壊せる」
銃を懐にしまってフランの手を握る。
「そんな事しない!刀弥は壊さないよ!!」
「まあ、あくまで例え話だから気にする必要は無い。相手を壊すつもりがなければ壊すことはまず無いし、その気持ちが相手に伝われば怖がられることもない。
そうだ、ちょっとこれ持っててくれ」
クッキーとジュースを持たせて、一度その場を離れる
「アタイってばサイキョーね!」
「チルノちゃん…あんまり周りに迷惑かけちゃだめだよ?」
「大ちゃん、ちょっといいかな?」
みんなで楽しんでいるところ、少し悪いが話を聞いてもらおう。
「いいですよ。どうしたんですか?」
「ちょっとな。フランを仲間に入れてやってくれ」
「いいですよ。日頃よくお世話になってますし、フランちゃんは昔と違っていい子だと聞いてます。何も問題ありません」
笑顔で言い切る大ちゃん。やっぱり大ちゃんはいい子だと思う。
「ありがとう。それじゃ連れてくるからちょっとそこで待っててくれ」
そう言ってその場を離れる。チルノとその他が騒いでいるが、果たしてこの中にフランが入ってなじめるかどうか...正直少し心配だ。
「嫌だ~!」
「とは言ってもお前のためなんだが?」
連れて行こうとすると早速嫌がられた。他人と接して壊すのが怖いのはわかるが、少しは他人に慣れてもらわないとダメだ。
「どうしても嫌か?」
「…うん」
「なら仕方ない」
近くにあったウォッカを口の中に流し込む。口の中が酒で満たされるが、飲み込まずにそのまま口に溜め、フランを抱き寄せる。そして顎に手を添えて顔を上に向かせる。
「え?」
すこし戸惑っているようだが、そんな事は気にしない。
「ん…」
唇を合わせ、舌をねじ込んで強引に口を開かせる。そのままフランの口の中に酒を流し込み、無理やり飲ませる。
「ッんむ~!!」
口からいくらか酒がこぼれる。
「暴れるな。飲め」
何も知らない人が見たら確実に犯罪者扱いされるだろうが、幸い誰も見ていない。まあ、婚約者だから問題ないといえばそうなるか。
「あう~…」
口に含んだ分を全て飲ませて数分後、アルコール濃度が高いのと、あまり酒に慣れていないこともあってか、すっかり出来上がったフラン。
羞恥からか酔いからかは知らないが、少し顔が赤い。
「とーや~…なにするろよ~」
「酒を口移しで飲ませた」
呂律が回ってない。計画通りだな。
「さて、大ちゃんのところへ行こうか」
「あ~う~~」
…少し飲ませすぎたな。まあいい。そのほうが都合がいいし、抵抗されないから連れて行くのも楽だ。
…ここだけ見ると本当に変質者だな。
「大ちゃん、あとは頼む。何かあったら呼んでくれ」
「気にしなくてもいいですよ。ところで、フランちゃんはお酒は飲めないと以前聞いたような気がするんですが…どうして酔ってるんですか?」
「つれてこようとしたら拒否された。だから酒を飲ませて酔わせてみたらこの通り」
「…どうやって飲ませたんですか?」
…ずいぶんと答えにくいことを…
「聞いて後悔しないなら…」
「そのくらいで後悔なんてしませんよ。子供じゃないんですから」
いや、十分子供だと思うぞ?外見だけだと子供だと思うぞ?
「あ~…その、口移し?」
「ッ~~!!///」
顔を真っ赤にしてあたふたしている。だから警告したのに…
「仲良くしてやってくれよ。俺は仕事があるから、これで」
「はい。任せてくださ「ズズ…ン」!!何ですか今の!!」
突然地響きのような重く、低い音が館に響いた。
方向からして…ニートと焼き鳥屋だな。
「気にするな。あいつらにとっては日常茶飯事だ」
「そう…なんですか?」
困惑する大ちゃんをよそに、さっきから轟音が鳴り響いている。修理するの面倒だな…
そんなことを頭の隅で考えながら宴会場を特に目的もなく歩き回る。
「黒羽さん」
呼び止められたので少し足を止めて振り返る。
「阿求ちゃん?」
そこにはスパゲッティを乗せた皿を持ついつぞやの少女がいた。
「ちゃん付けはやめてください」
「ああ、悪かった。年下は呼び捨てかチャン付けで呼ぶ癖が付いててな。
それで、何か用か?」
「いえ、ルーミアさんのことなんですが、ここに寄ったついでに情報を貰おうと思いまして」
ああ、あいつのことか…
「まあ、よくわからないんだが闇を物質化した攻撃が主だな。あとは元のルーミアよりも確実に強く、理性があって話が通る。容姿については…まあ見ればわかる。そこらをウロウロしてるから、見つけて話を聞いてもらえ」
「あと、八雲紫、レミリア・スカーレット、フランドール・スカーレット、十六夜咲夜さんと結婚なさるそうですが、それについての話も少しお願いできますか?幻想郷始まって以来の大事件なんです。ちなみにあなたに拒否権はありません。全部きっちり答えてくれるまで放しませんから」
「そうか。何から話せばいい?」
「そうですね…まずはどうやって彼女たちを虜にしたのか。それから話してもらいましょう」
どうやってと言われても…全くわからんな。
「さあ?俺にはさっぱりだ」
「そうですか。では次の質問に移りますね。夜はどのくらいの頻度で相手をしてますか?」
「その相手というのは、どういう意味での相手だ?」
「それはもちろん、夜伽に決まってるじゃないですか」
「拒否「拒否権はないと最初に言いましたよ?」…拒否「ダメです」断r「だからダメですってば」嫌d「しつこいです」だからイヤだって言ってるだろう。
お前にも聞かれたくない事くらいあるんじゃないのか?」
「他人ですから全く問題ありませんよ」
「いや問題あるだろう」
「問題ないって言ってるんだから問題ないんですよ!わかりませんか?この…ド低脳がぁーッ!!」
急に皿に乗っていたフォークを突き出してくるが、顔を逸らして避ける。この程度の不意打ちなら隆二で慣れている。
「コラコラ、女の子がそんな下品な言葉を使うもんじゃないわよ」
暴れる阿求ちゃんを抑えていると、ルーミアが出てきて抑えてくれた。
「ちょうどよかった。ちょっとこの子の相手をしてやってくれ。プライベートまで根掘り葉掘り聞いてくるんだ。どこぞの文屋のように」
「…『根掘り葉掘り』…ってねぇ~『根を掘る』ってのはわかります…スゴクよくわかります。根っこは土の中に埋まってますからね…ですが『葉掘り』って部分はどういうことですか~っ!?葉っぱが掘れるんですかぁ!?ナメてますね。この言葉、ものすごくイラつきますよ~ッ!!
というわけで答えてくれないとフォークでめった刺しにします。ヒック…」
怖いな…阿求ちゃんってこんな子だったか?というかそこに転がってるウォッカの空のボトルは何。まさか一人で飲んだのか?
「はいはい、とりあえず落ち着いてね」
「私は十分落ち着いていますよー。ヒック」
「えっと、彼の夜伽の回数だったわよね?週に五回ほどよ」
「ちょっと待て。なんでお前がそれを知ってる」
「夜は私そのものだもの。知ってて当然よ」
…今度から結界でも張ろうか…
「貴重な情報をありがとうございます。では、あなたのことについて少しお話をお伺いしたいのですが」
「プライベートなことでなければどんなことでも聞いてくれてかまわないわ」
「ありがとうございます。ではまず……」
相手がルーミアに変わったな。今のうちに他のところへ入ってみるか。
そうだ、東風谷と神奈子、あと諏訪子はどうしてるだろう。うまくここの住人と仲良くしてくれてるといいが…
そういうわけで適当に探して回っていると…
「…あ、刀弥君、私のためにわざわざ来てくれたんですか?」
酒を飲んですっかり酔った東風谷がいた。神奈子と諏訪子はどこだ?
「寝言は棺桶に入ってから言え。なんでお前一人のためにわざわざ足を運ばないといけない」
「え~、だって私は刀弥君のお嫁さんですよ~?あはは~!」
なるほど、東風谷は酒乱だったのか。これは以外だな。
「早苗~、こっち来なよ~。楽しいよ~?」
「あ、神奈子様~」
「…心配は無用だったか?」
神奈子は静葉様と穣子様と一緒に一升瓶片手に飲んだくれている。仲は悪くないようだな。
「あれ?刀弥じゃないか。私に会いに来たのかい?それとも愛を伝えに?」
「東風谷にも言ったことだが、寝言は棺桶に入ってから言え」
「相変わらず冷たいね…いつになったら心を開いてくれるのかな~?」
「さあな。ほら、お子様はジュースでも飲んでろ。クッキーもあるぞ」
「私は子供じゃないよ」
腰に手を当てて背伸びしながらこちらを見上げる様は子供以外の何にも見えないな。ついでに言うと神としての威厳は微塵も感じられない。
「実年齢は一千オーバーだろ?ババアと子供、どっちがいい?」
「……お姉さんで」
「残念ながらその選択肢は無い。さあ、どっちだ?」
「う~ん…うら若き乙女でいいかな」
「クッキー以外にもいろいろとあるが、どうだ?」
「本当!?」
外見と反応だけ見ると、やっぱり子供だな。
「ただし、あんまり食ったり飲んだりばかりだと太るぞ?」
「…………」
「どうした、急に黙り込んで」
「いやね、ちょっと嫌なことを思い出して…」
目が泳いでいる。隠しているつもりだろうが、バレバレだ。
「さては…本当に太ったな?」
「うぐ…外にいるときは体重を気にする必要が無かったんだよ!神様の体重が増えるなんて非常識ありはしなかったんだからさ!!」
「外の非常識がこちらの常識になるんだ。外の尺度で物事を測ると痛い目にあうぞ」
俺も初対面でいきなり幽香に襲われるとは思わなかったからな。いきなり殴られたときには本当に驚いた。
「あら、呼んだ?」
「噂をすれば影、とは言うが、噂すらしていないのに本体が出るのはどうなんだ?幽香」
「細かいことは気にしない。今日は宴会でしょう?」
「まあな」
置いてある酒もフロアごとに違うし、花やつまみも同じく違う。ここにいてもなんら不思議じゃないが…あえて言おう。不幸だ。
「ほらほら、刀弥も飲みなよ。美味しいよ?」
「言っておくが俺は未成年だ。酒は飲めない」
「さっき外の非常識がこっちの常識とか言ってなかった?」
「こっちも人里では子供に酒は飲ませない」
「ここは人里じゃないわよ?」
「関係ない、とでも言うつもりか?」
「その通り。美女からのお誘いだもの。断ったりしないわよね?」
「断る。酒は飲めない体質でな」
どうせ断っても無理やり飲まされることはわかっているので、
護身『スタングレネード(閃光のみ)』
「なッ!」「キャッ!」
「悪いな。成人したらまた誘ってくれ」
目くらましをしてその場を離れる。
さあ、気になるところは一通り回ったし、今度はどうするか。