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  幻想郷訪問録 作者:黒羽
 え~っと、某動画サイトでニコニコしてたら更新が遅くなりました。
 大変もうしわけございませんorz
宴会 前編
 子の刻を知らせるブザーが鳴り響く。客は招待した人全員。顔を合わせるなり殺し合いをしようとしている焼き鳥屋とニートを慧音さんと鈴仙が必死で止めているが、そんな事は気にも留めずに咲夜が壇上に上がる。

「本日は我が主、レミリア・スカーレット主催の宴会にお越しいただき誠にありがとうございます。それではお嬢様からのあいさつがありますので、私はこれで」

 …少し短くないか?挨拶というともっと長ったらしいのだと思っていたが…

「いいのよ、これで。あまり長引かせてお客様の機嫌が悪くなったら困るでしょう?」
「それもそうだな…レミリア、少し下がってくれ」

 大きな紙を広げているレミリアをとりあえず下げて、代わりに俺が挨拶をする。


「あ~、レミリアに変わって俺が挨拶をする。皆、今日はレミリア主催の宴会によく来てくれた。遠慮せずに、存分に楽しんでくれ」
「ちょっと!」
「お嬢様、それを読み終える頃には日が昇っています」

 すこしご機嫌斜めになっているレミリアを咲夜が抑える。こんなところで暴れたら宴会の空気が台無しだ。

「罰として、飲みなさい」

 おもむろに取り出した酒を勧めてくるレミリア…ウォッカか…

「だが断る。俺が酒飲めないのは知ってるだろう。そんなにきついの飲まされたら二日酔いで死ねる」

一応断っておく。俺は酒は体質的にあまり飲めないし、飲まない。法律的にアウトだ。

「問答無用よ。飲みなさい」
「だが断る」
「飲め」
「だが断る」
「口移しでも?」
「…だが、断る」
「ちょっと躊躇ったわね?」

流石はレミリア、鋭いな…

「わかm「断固拒否する」言う前に断らなくてもいいじゃない」
「お嬢様、放送禁止用語です」
「お姉さま…お下品ね」
「うぐ…」

 咲夜といつの間にか現れたフランに鋭い指摘をされ、たじろぐレミリア。まあ、流石に今の言葉はかなりまずいな…口移しは百歩譲ってOKだとしても、今のは………削除対象になりかねん…

「それじゃあ刀弥はお酒が飲めないから私が貰っていくわ。お姉さまは霊夢と一緒に楽しんでくれば?」
「うぐぐ…いいわ。連れて行きなさい。その代わり、今夜は私が相手してもらうから」
「お嬢様?今夜は私が相手するはずでしたが」

 咲夜、顔は笑顔だが、目が笑ってない。ちょっと怖いぞ。

「ね~、おかわりないの~?」

 間延びした声が聞こえるのでそちらを向くと…

「…レミリア、フラン、悪いが想定外のことが起きた」

 山のように積み上げてあった料理がもう半分以下になっている…なんとも恐ろしい…さすが幽々子…他人にはできないことを平然とやってのける。だがそこに痺れもしないし憧れもしない。

「ね~え~?」
「幽々子様、食べすぎです…」

 このまま放っておけば確実に暴れだすだろう。一人暴れだしたら他のまで連鎖で暴れだすに決まってる。そうなる前に追加の料理を作らなければ…

「そういうわけで少しだけ席を外させてもらう」
「仕方ないわね…」

 文句があるならあそこの亡霊に言ってくれ。

「あとで戻ってきてね?絶対だよ?」
「わかってる」
「一人じゃ大変でしょう?手伝うわ」
「助かる」

 駆け足で台所に向かうと、そこには…

「ルーミア、料理できたのか?」

 すでに大量の料理が鎮座していた。なんとも意外だ。

「ええ、一応はね。そのまま食べるよりもいろいろと工夫を凝らしたほうが美味しいじゃない」
「お嬢様に掛け合って本格的に雇おうかしら…門番もできるし料理もできる…」
「掃除もできるわよ」
「万能だな。一家に一台欲しいくらいだ」

 美鈴の何倍役に立つのやら…

「さて、それじゃあ早く持っていくか。でないとあの亡霊の姫様が「呼んだかしら~?」…これから持っていくから今すぐもどれ」
「わかったわ~」

 そう言いながら戻る幽々子の手には、揚げたてのフライドチキンが三つほど握られていた…いつの間に…

「あ、在りのままに今起こったことを話すぜ…『幽々子が振り返ったと思ったら既にフライドチキンが咥えられていた』わ、私も何を言ってるのかはわからないが「しつこい。というかいつからいた魔理沙」最後まで言わせてくれてもいいんじゃないか?」
「あまりそのネタが多いとマンネリ化しそうでな。それよりも厨房に無断で入るな。せめて手を洗ってからにしろ」

 いつの間にか横に立っていた魔理沙を厨房からつまみ出す。

「ルーミア、宴会に参加したかったらしてもいいぞ」

 厨房から出る際に、詰まらなさそうな顔をしているルーミアを誘ってみる。まあ、一時的とはいえ紅魔館のメンバーだし、誘わないのも悪いだろう。

「そう?それじゃ遠慮なくそうさせてもらうわ」
「場所はホールだから」

 料理の載せられた皿を浮かせて、ホールまで歩く。

「やっと来たわね」
「幽々子、明らかに食いすぎだ。太るぞ」

 皿を置くと同時に、皿ごと平らげそうな勢いで料理を取っていく亡霊。女性ならもっと慎ましくしたほうがいいと思う。

「亡霊だから気にしなくてもいいのよ。さあ、早くそのお皿を起きなさい」
「はぁ…一度でいいからお前がダイエットしているところを見てみたいものだな…」

 想像できないが、興味はある。減食したらどうなるのか。亡霊はやせられるのか。
うん、なかなかいい研究のテーマになるな。

「幽々子様、刀弥さんの言うとおり少し食べすぎだと思います…他の人の分が…」
「知らないわ~。あら~、このから揚げ美味しいわね~。追加でお願い」
「ちょっとは遠慮してくれ。食糧にも一応限界があるんだ」

 山のように積み上げた料理の数々が、会話をしている間にどんどん減っていく。これ以上食われたら本当に食糧が底を付きそうだ。

「しょうがないわね~。妖夢~、お茶お願~い」
「…苦労してるな…」
「白玉楼では食費がすごいんですよ…月に軽く五十円は軽く越えます…」

 えっと、こちらの一円は向こうの約一万円と計算して…

「少ないが、足しにはなるだろう…」

 財布から樋口さんを一枚取り出して妖夢に渡す。

「ありがとうございます!」
「じゃあな」

 次は、どうするか…

「飲み比べで勝負よ!」
「望むところだよ!来な!!」
「飲みかい?あたしも混ぜてよ」

 ふと声のしたほうを向く。
鬼とニートと焼き鳥屋が大量の酒を積んで、もういくつも空の瓶を作っていた。

「……殺し合いよりマシだな」
「すまない、ちょっといいか?」

 スルーして他のグループのところへ行こうとすると、後ろから呼び止められた。

「ん?慧音さん、どうしたんですか?」
「今度人里に寄ったときでいいから、寺子屋に顔を出してもらえないだろうか。子供たちからの強い要望でな…」

 そういえば、ここ一ヶ月ほど寺子屋には寄ってないな。…今度買い物ついでに寄ってみるか。

「それじゃあ、今度買い物のついでに寄ります。子供たちには外の世界のお菓子をいくらか持って行くと伝えておいてください」
「そこまでしてくれるか…ありがとう。君にはいくら感謝しても足りないな」
「いえ、別に見返りを求めての行動ではないのでいいです。子供の相手は少し疲れますが、嫌いではありませんし」
「そうか。…話は変わるが、君は妖怪が怖くないのか?」
「怖かったらとっくの昔に逃げ出してますよ。一部例外を除いて」

 主に幽香。たまに幽香。そして幽香。というか全て幽香。

「顔を合わせた瞬間八割の可能性で襲い掛かってくるよくひまわり畑にいる誰かさん以外は基本的に怖くありません」
「ずいぶんと高確率で襲われるのだな」
「ええ、今まで二十四回顔を合わせてその内二十回襲われました。ほとんど相手せずに撒いてますけど」
「意外と君も苦労しているんだな…」
「まあ、人型で知っている中ではあれが一番妖怪らしい妖怪ですけど…」

 強さが桁違いだが…極太のマスタースパークを何発も連射してくるから避けるのに苦労する。まともに受ければ確実に蒸発するレベルの攻撃だ。それが一秒間に数発飛んでくるなんて…トラウマを通り越してPTSDになりそうだ。

「まあ、それじゃあゆっくり楽しんでいってください。お酒もたくさんありますから」
「まだ…まだよ!まだいけ…る!」
「いい加減に…あき、らめろ。くされ、にー、と…」
「二人とももう酔ったのかい?早いねー」

 ……萃香、樽を持ち上げて直接飲むって…

「訂正します。お酒が欲しいのなら早くに確保しておかないと確実になくなります」
「ハハハ…そうだな。そうさせてもらおう。それじゃあまた」
「ええ、また後で」

 それだけ言って、また次のところへ歩く。

「霊夢」
「あら、刀弥さん。どうしたの?」
「退屈そうにしてたから話かけた。それだけだ」
「そう。最近どうもお賽銭を入れてくれる人が少なくてね~」
「人里の人間の護衛でもしたらどうだ?」
「嫌よ。面倒くさい」

…言うと思った

「だがな、そこらの妖怪を暇つぶしで落として回るよりは有意義だと思うぞ?」
「しょうがないじゃない。暇なんだから」
「その暇つぶしを人助けに当てるべきだと思うのは、俺だけか?」

とりあえず招いた客なので、一応紅茶のお代わりをカップに注ぐ。

「霊夢―!」

 ドアを蹴り開けてずいぶんと切羽詰った表情の魔理沙が間に入ってきた。何がどうしたのやらさっぱりだ。

「魔理沙どうしたの?」
「ちょっと匿ってくれ!パチュリーとアリスが酔って追いかけてくるんだ!」
「なるほど…よくわかった」

まあ、あの二人のことだから酔った勢いでコイツを襲おうとでも考えてるんだろう。

「嫌よ。面倒くさい」
「ヒドイんだぜ!!」

 確かにヒドイな。友人に貞操の危機が迫ってるのにそれはないだろう。

「こうなったら…刀弥!頼むんだぜ!!」
「面倒くさい「ヒドッ!!!」冗談だ。これ、試作型光学迷彩。
バッテリの消費が激しいから数分しか持たないぞ。それでもいいか?」
「ああ!助かるんだぜ!...どうやって使うんだ?」

 ああ、某鋼鉄の歯車シリーズを参考に作ったから使い方はわからないか。

「そこにスイッチがあるからそれを押せば…ほら」
「おお!」

 起動するかどうか不安だったが、しっかりと起動したようだ。魔理沙の声は聞こえても姿は全く見えない。

「音は普通に認識されるから気をつけろよ」
「助かるんだぜ!ありがとな!!」
「礼には及ばない」

 上機嫌で出て行く魔理沙を見送った後霊夢にクッキーを差し出す。

「ずいぶんとお人よしになってきたわね」
「ん?そんなわけないだろう」
「…どういうこと?」
「実はあれの効果があるのは人間だけだ」

 つまり、種族が魔法使いであるパチュリーとアリスには効果がないということだ。

「なるほどね…あんたも意外といい性格してるじゃない」
「いつもいつも本を盗んでいくから少し反省してもらおうと思ってな」

 ちなみにこれは小悪魔さんからのお願いだ。後片付けが面倒なので少し懲らしめてくれ、そう言われたのでついでにやってみた。

「助けてえーりーーーん!!!!」

 魔理沙の悲鳴だ。とうとう捕まったか…まあ死にはしないからいいだろう。

「ところで、助けに行かないのか?」
「だから面倒くさいからいやよ」
「言うと思った。それじゃあ俺は別のところへ行くから、用があったら呼んでくれ」
「はいはい、行ってらっしゃい」
「じゃあな」
 
 
 霊夢の近くは少し騒がしくなってきたので少し移動することにする。そういえば、フランに呼ばれてたな。

「行くか」

 フランは酒は飲めないから、ジュースだな。フランが好きなのは…リンゴとオレンジだったか?ああ、クッキーもいるな。よし、準備は済んだし、行こう。


三日に一度程度のペースで更新して行こうと思いますので、これからもよろしくお願いします。