地名に残る災害の痕跡 「先人の知恵」東北の38例を分析
河北新報 9月27日(月)11時27分配信
宮城を中心に東北の地名の由来と災害との関係を調べた本「災害・崩壊地名―地名にこめた祖からの伝言」が、防災関係者の間で話題になっている。水害やがけ崩れの被災地域は、受難の歴史を地名に刻んでいる所が少なくない。そんな災害地名はいわば、先人が残したハザードマップ。自費出版した宮城県地名研究会の太宰幸子会長(66)は「市町村合併や宅地開発で古い地名が消えていく時代。地名に込められた先祖の知恵を知ってほしい」と訴えている。
太宰さんは大崎市鹿島台の自宅で学習塾を営む傍ら、ライフワークとして地名研究に打ち込んできた。本は20年来の活動の集大成で、38の地名について、起源や所在市町村を紹介している。
災害地名に使われている主な文字は表の通り。本では地名の碇(いかり)、猪狩について「自然が怒るという意味で、洪水などの被害をたびたび受けた地域」と指摘。梅田や梅木は「『埋まった』という土地の異変を伝えている。印象が悪いので、梅の文字が当てられている」というケースが目立つという。
災害地名の具体例として登場する60カ所余りの住所はいずれも、自らの足で歩き、地元の人から話を聞いたり、地形を確かめたりして、地名と史実との関係を検証した。河川やがけとの位置関係がイメージしやすいように地図や写真も添えた。
今年5月に出版したところ、地名研究の仲間以外に、防災に取り組む市民グループや、大学の研究者からも問い合わせが相次ぎ、初版300冊は完売。7月末に100冊を増刷した。
災害の歴史に詳しい平川新東北大東北アジア研究センター教授は「災害という視点で地名を調査した興味深い取り組みだ。地名の由来を知っておくと、防災の心構えの一助になる」と話す。
太宰さんは「地名は災害の悲惨さも伝えてきた。わたしたちは先人が知らせてくれる事実に耳を傾けるべきだろう」と話している。
A5判、51ページで、1冊600円。連絡先は太宰さん0229(56)9459。
太宰さんは大崎市鹿島台の自宅で学習塾を営む傍ら、ライフワークとして地名研究に打ち込んできた。本は20年来の活動の集大成で、38の地名について、起源や所在市町村を紹介している。
災害地名に使われている主な文字は表の通り。本では地名の碇(いかり)、猪狩について「自然が怒るという意味で、洪水などの被害をたびたび受けた地域」と指摘。梅田や梅木は「『埋まった』という土地の異変を伝えている。印象が悪いので、梅の文字が当てられている」というケースが目立つという。
災害地名の具体例として登場する60カ所余りの住所はいずれも、自らの足で歩き、地元の人から話を聞いたり、地形を確かめたりして、地名と史実との関係を検証した。河川やがけとの位置関係がイメージしやすいように地図や写真も添えた。
今年5月に出版したところ、地名研究の仲間以外に、防災に取り組む市民グループや、大学の研究者からも問い合わせが相次ぎ、初版300冊は完売。7月末に100冊を増刷した。
災害の歴史に詳しい平川新東北大東北アジア研究センター教授は「災害という視点で地名を調査した興味深い取り組みだ。地名の由来を知っておくと、防災の心構えの一助になる」と話す。
太宰さんは「地名は災害の悲惨さも伝えてきた。わたしたちは先人が知らせてくれる事実に耳を傾けるべきだろう」と話している。
A5判、51ページで、1冊600円。連絡先は太宰さん0229(56)9459。
最終更新:9月27日(月)11時27分
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