天狗の取材 弾幕ごっこ
太陽の畑、幻想郷で最大の花畑であり、夏になれば絶景が見られる。にも関わらず人はおろか妖精すらいないのは、最大の危険スポットでもあるからだ。 その原因は、全て花の妖怪、風見幽香の性格によるものである。
それで、今いる場所と言うと、その太陽の畑である。
なぜこんなに危険な場所に来ているのか。それは以前頼まれた花の種を持って来たからである
「幽香、以前頼まれた花の種だ」
「ありがとう。本当に持ってくるとは思わなかったわ」
「約束は守る。持ってこなければどうせ殴り込んでくるからな」
「よくわかってるわね」
「お前の性格から考えればすぐにわかる」
なにせ『弱いものイジメが趣味』と堂々と宣言するようなやつだ。これくらい当然だろう
「それじゃそろそろ帰る」
「待ちなさい」
「これ以上何か用があるのか?」
「特に無いわ」
ならなんで止めた
「!!!!」
急に頭に衝撃が走った。殴られたような感じではなく、何か高速で飛んで来た物にぶつかったような……
「グ……」
20m近く転がってようやく止まった。これで意識を失わないのは、それだけ人間離れしてきているという事だろう
「あやややや、すいませんね」
「だったら…もう少し、反省の態度を見せろ……」
痛む頭を抑えながら話しかける
「それよりも、何の用?」
「実はですね〜、文々。新聞で弾幕の写真を掲載する事になりまして、」
「それで取材しに来たってことね」
「その通りです」
「それじゃ早速……」
「ちょっと待ってください!幽香さんの相手は私じゃなくて「私なんだぜ!」魔理沙さんです」
「へぇ……」
怖いな〜。新旧マスパ対決か〜、いつかの花の異変の時からトラウマなんだよな〜
「逃げるか」
「そうは行きません!あなたも取材対象になっているんですから」
「巻き込まれる前に『『マスタースパーク』!』遅かったか……」
衝突の余波だけで空間が悲鳴をあげている。巻き込まれれば……最悪蒸発だな
「で?俺の相手は射命丸、お前でいいのか?」
「いえ、私はカメラマンですので」
「私が相手よ」
「楽園のすてきな紅白「巫女よ」まあいいだろう」
「何がよ」
「俺の弾幕は種類が多いし、対人には威力が大きいが、それでもいいな?」
「弾幕が怖かったら巫女なんてやってられないわ」
「なるほど、さすがは異変解決のエキスパート、言うことが違う」
「それじゃ、始めましょう」
俺の弾幕は追尾と火力重視だ。しつこい弾幕と大火力の弾幕は避けにくいだろう
「乱符『トランプマジック』」
先手必勝、背後に展開した魔法陣からトランプの弾幕が放出される。
当然威力は抑えてあるし、スピードもいつもよりも遅い。まだ避けれる範囲だろう
「甘いわね、この程度じゃ私は落とせないわ」
「連符『ドローカード』」
追加のスペル宣言、トランプの弾幕からカードを5枚掴む
「『雪降る夜の幻想曲』」
引いたカードはハートの3、4、7。
氷と雪の弾幕が上から降る。これなら威力が低いから何発か食らっても大丈夫だ
「危ないわね」
「まったく危なそうには見えないんだが?次、
『冬明けの雪崩』」
雪の弾幕が、雪崩になって押し寄せる。幕と言うより壁だな、これは
「これは、避けれないわね」
「その分密度は薄いし、実体もあるから穴を開ければ避けれる」
放っておけば確実に雪だるまになって地上へ真っ逆さまなので、脱出方向を教えておく
「そうさせてもらうわ」
札と霊弾の一点集中射撃で穴を開け、見事その穴から脱出した。
「流石。だけど、まだまだ終わりじゃない。冬に火事はつきものだ
『炎帝の息吹』」
さっきまでのスペルカードは空気中の水分を奪うため。さあ、迫り来る炎の檻と弾幕をどう避ける?
「思ったよりやるわね、霊符『夢想封印』!」
巨大な霊弾を炸裂させて炎を消し去った。なんという力技
「今のをかき消すか……」
「あの程度じゃ私は落とせないわ」
「だろうな、カードブレイクだ」
一枚目のスペルカードは終わり。次は、
「神剣『天叢雲剣』」
取って置きといえばそうなるな。
腰に差している刀を抜き、霊力を込めて一振り。さっきとは比べ物にならない程の白い弾幕が襲い掛かる
「流石に、これはキツイわ」
結構深刻な表情をしているが、こっちはもう浮いているのが限界
「……俺の負けだ」
「「は?!」」
「消耗が激しい。そろそろ降りないと落ちる」
燃費の悪いスペルカードの連発で霊力が切れた。これだから弾幕ごっこは嫌いだ
「それで、射命丸、いいのは撮れたか?」
「え?ええ、ばっちり」
「そうか、それじゃあとは頼むぞ」
毎度の事だが、霊力が切れて、スペルカード使用の反動で意識が消える。
「寝ないでください!」
「……無茶言うな」
倒れた直後、大きく体を揺すられた。
寝て霊力を回復させないと、どうも体がだるい
「ここで寝てたら幽香さんのいいオモチャですよ」
「命に別状がなければどうでもいい。
心配するなら紅魔館に運んでくれ」
外での昼寝もいいが、やっぱりベッドで寝るのが一番だ
「ならいいです。取材に協力してくださってありがとうございました」
「zzz……」
「寝るの早いですね、寝付きの良さでは幻想郷一位なんじゃないでしょうか」
...........................
「ム……」
目が覚めた。霊力も溜まったみたいだ
「ふぁぁぁ……。もう夜か……」
あくびをして、周りを見ると、もう真っ暗だ。腕時計で時間を確認すると、夜の8時
「みんな怒るかな?」
フランと遊ばずに来たから、怒るだろうな
「ご主人様、早く帰らないと、皆さん心配してると思いますよ?」
「そうだな、そうしよう。妖怪に襲われるだろうが、我慢しよう」
さすがに野宿は嫌だし、早く帰ろう。確実に怒られるな