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  幻想郷訪問録 作者:黒羽
作「もう60万PV突破か……」
黒「絶対に続かない思っていたが、意外と続くものだな」
作「そういえば刀弥、最近暴れすぎ」
黒「お前が暴れさせているだけだ」
作「すんません」
60万PV突破記念
 実験

「水32L 炭素20㎏ アンモニア4L 石灰1.5㎏ リン800g 塩分250g 
硝石100g イオウ80g フッ素7.5g 鉄5g ケイ素3g  その他少量の15の元素。
 構成はこれでよしっと」

 材料をみればピンと来る人もいると思うが、俺は別に人体錬成をおしようという訳ではない。
 俺が作るのは、『人そのもの』ではなく、『入れ物』である。
 某漫画では『人』の『魂』や『霊体』が観点から外れていた。
 しかし、俺が影響を受けたのはとある映画。それに出て来た魔術師とほぼ同じ事をする。

「きちんと人の形をしているわね。内蔵や血管も異常はなし。全部揃っているわ 」

 永遠亭から永琳さんを借りている。俺がチェックすると穴があるかもしれないからな。やっぱり専門家に見てもらった方がいい

「失敗したら材料が無駄になりますから」
「それにしても、私でも思いつかなかったわよ?身体を単なる入れ物として捉えて、身体を作ってそれに魂を入れるなんて」
「発想の転換ってやつです。
 一つの視点だけではなく、他の視点から見るとことが大切です」

 材料を全て揃えて、本を片手に形と中身を整える。
 ちなみに、俺の理論を簡潔に説明すると、

『人体と全く違わない成分と形、中身の容器を作り、そこへ霊体を放り込む。形は最初こそ違えど、肉体は魂に引っ張られるので、時間をかけて慣らせば魂の元の入れ物と同じになる。そうすることで擬似的な死者の蘇生も可能になる(する気はないが)』

「と、言うわけで今の理論が間違っていないかを専門家に判断して欲しいんだが?」
「少しだけ穴があるような気がするけど、まあいいんじゃない?」

 似たような物の専門の意見も聞いたし、理論は間違ってないようだ

「残すは被験体だけなんだが、困ったな……」

 人の形は既に作ってある。永琳さんにも見てもらい、完全な『人』の身体に仕上げた。
 一応、被験体の候補としては、白玉楼の庭師がいる。
 彼女の霊の部分をこれに入れれば彼女と全く同じになるはずだ。

「問題は妖夢が納得してくれるかなんだよな〜……」
「絶対にしないでしょうね」
「ま、やるだけやるさ。行ってくるパチュリー」
「頑張りなさい。成功したら拍手してあげる」
「気持ちだけ受け取っとく」

 仕事も済ましているので何も問題はない。
 白玉楼へと飛ぶ


……………………

 ようやく冥界の結界に到着した。

「しかし、いつ見てもでかい結界だよな……」

 飛んで入るのも面倒なので、博麗大結界を越えるようにして結果を上書きする

「誰ですか!
 なんだ黒羽さんですか……侵入者かと思いました」
「丁度いい。お前と幽々子にちょっと用事があってな、案内してくれ」
「用事……ですか?」
「そう。と言ってもちょっとで済むけどな」
「ついて来てください」

 案内された所には……

「…いつもの事だが、大丈夫なのか?」

 喉に餅を詰まらせて口から何かを出している幽々子。毎回毎回、いい加減に学習しろ

「ゆ、幽々子さま〜?!」
「ム〜!ムグ〜!!」

 口から何かを出したまま暴れ出した。急がないと危険だな……

「揺するな。喉に詰まった餅をとるから肩を抑えておいてくれ」
「あ、ハイ!」

 口を開かせ、喉を覗くと、白い物体が詰まっていた。

「手で取れるな。妖夢、頭を固定しろ」
「はい、大丈夫なんですか?」
「手を食いちぎられない限りは大丈夫だ。
 こいつならやりそうだけど」

 手を口に突っ込み餅を掴む。そのまま引きずり出す

「取れた。だが……」
「まだ苦しんでますね」
「仕方ない、少し手荒になるが許せよ。合図したら背中を思い切り叩け。いいな」

 幽々子を挟む形で二人立ち、

「3、2、1今!」
「セイ!!」「ハッ!!」

  鳩尾の少し上をに手を当てて、全力で押す。妖夢には反対を叩かせた

「ゲホォ!!」

 餅が口から飛び出た。これで安心だ

「成功だ。しかし、これで何度目だ?餅で昇天しかけたのは」

 ここに来る度に救助しているような気がする

「ごめんなさいね〜、迷惑かけちゃって〜」
「食うのはいいが、喉に詰まらないように気をつけろ」
「そうそう、今日は何の用なの?」
「妖夢を少し借りたい」
「わ、私ですか?」
「どうしたのかしら?」
「とある実験の準備でな、あとは被験体だけなんだが、いい被験体がこいつ以外に思い当たらなくて……」
「お餅のお礼よ、いいわ。妖夢〜?」

 勢いよく逃げ出した。しかし、貴重な被験体(モルモット)に逃げられる訳にはいかない

「だけど、逃げれると思ってたのか?」

 過程を短縮して先回りする

「……マジですか?」
「大丈夫だ。危険は無い……(はず)」
「最後の微妙な間とボソッと呟いたのは何ですか〜!!」
「ゴチャゴチャうるさい。危険は無いと言っただろうが」
「……実験の内容を聞いても?」
「いいだろう。お前にはその権利がある。簡単に言えば……そうだな、『霊体を他の容器に移す実験』だ。安心しろ、理論は完璧だ」
「それ絶対に危険でしょー!!」
「気にしない。学問や医学の進歩に貢献できるんだ、もう少し喜べ」
「喜べません!!」
「よろしい。なら少し手荒になるが許せ」
「グ!!!」

 首筋に一撃。まだまだ修行が足りんな

「よーし、学問の進歩に犠牲は付き物だ。失敗しても能力で何とかするから許せよ」
「……」

 さて、紅魔館の図書室にある工房まで急ごう。起きる前に実験を済ませないと、少しややこしい事になる。

「パチュリー、被験体を連れて来た。
 手伝ってくれ」
「コホッコホ……わかったから騒がないで頂戴。埃が…」
「ああ、すまない。それじゃ、やるぞ」

 妖夢の半霊の部分を『入れ物』に入れ、身体の方はスキャナーに通してデータを取る

「よし、第一段階は問題無いな」

 拒絶反応を心配したが、そういうのは無さそうだ。
 無事に定着してくれたな

「次は、身体の変化だな。他にすることがあるから、変化を記しておいてくれ」
「意外と面白いわねこの実験」

 パネルに向かって頬杖をつくパチュリー。目は珍しく活き活きとしている。いつもは死んだ魚のような目なのに……
 工房内部は、河童特製のノートPCを一台置いてあり、大きな立体スクリーンが一つと、パネル、キーボード、コンソール、立体スキャナなど、様々な機器が置いてある。
 魔法使いの工房とはかけ離れたイメージだが、これでも立派な工房であり、科学とファンタジーの融合した物である。
 お陰で性能はピカイチであり、ノートPCはスパコンクラスの演算能力を誇るし、パチュリーも実験の際にはよく使用する。
 他の魔法使いを工房に入れていいか?それについては、10ケタのパスワードを入力する必要があるので、絶対に覗けないし、別に覗かれて困るような物ではないので、パチュリーには教えてある。ついでに言えば、先生みたいなものだしな

「頼むから下手に弄らないでくれよ?俺がした事以外は能力でカバーできないからな」
「わかってるわよ。少し理論には穴があったけど、実験は問題無いわね」

 そうか、それは良かった。

「魔法も独自に研究して編み出した物だし、いっその事魔導書でも書いてみたら?」
「継ぐ奴がいないし、威力がバカみたいにでかいから使い道に困るだけだ」
 
  本をあちこちに運びながら答える。

「そこの妖精メイド、それはそこじゃなくてあっち」 
「はーい」

能力で図書館の埃やカビも掃除しているから、大分過ごしやすくなった。
 そにおかげか、妖精メイドもよく働くようになった。それでも以前の一割増しくらいだが……

「大きな変化はないけど、徐々に形が変わってきてるわね」
「反応の様子をメモ帳に書き込んでくれ。5分ごとで頼む。変化が止まったら教えてくれ」

 さっきの妖精メイドがうっかり侵入者用のトラップを作動させたようで、本が散らばっている。
 後始末が大変だ。

「小悪魔さん、この本はどこに」
「ああ、それはあそこの本棚の上から4番目です。
 所で何の実験ですか?」
「魂と肉体の関係についての理論が正しいかどうかの証明実験で、被験体は借りてきた」
「……刀弥さん、それは『借りる』ではなく、『拉致』が正しいと思います」
「拉致ではないさ。幽々子にも許可はもらった」
「微妙な所ですね」
「きちんと借りた物は返す。これは常識だ」

 普通の魔法使いはその常識に当てはまらないがな

「反応が終わったわ、実験は成功よ」

 パソコンとスクリーンを見ると、実験のデータがきめ細かに記されていた。
 一番重要な被験体と素体のデータも99.9987.…%一致と出ている。100%を目指していたのだが、残念ながらそうはいかなかったな。

「よし、問題無しだ。研究データを保存。これでよし」

 保存の所をクリック。

「さて、『素体のみ実験の結果を消去』お疲れさま、もう帰ってもいいぞ」
「あれ?なんで私こんな所に?」
「実験に協力してくれてありがとう。おかげでいいデータが取れた」
「同意していませんでしたよね?」
「気にするな。お礼に宝石を一つやろう」

 渡したのはラピスラズリ、何となく成分を調べて、そこらの石の成分を魔法で変化させて作った物だから、元手はタダである。
 ついでに言えば、作り方はネットで成分を調べて、それをノートPCに移して、魔法での反応も表示できるようにして慎重に変化させて行く事で、完成した科学と魔法の融合の産物である。
 
「……」
「それで不満なら今度料理を作りに行ってやるが?」
「……ハァ、帰りますよ…(私ってなんて不幸なんでしょう)」


 さて、妖夢も帰ったし、実験のレポートを纏めようか……
 
「でも、あの実験はどこで思いついたのかしら?」
「ん?これとこれ」

 取り出したのは、一時期テレビでも紹介された映画、t○pe-mo○nの『空◯境界』と、大人気連載中のマンガ『鋼◯錬金術師』

「こっちの錬金術はなかなか興味が湧いたし、こっちのは既に一つ実用段階まで至っているものがある。
 『凶れ』」

 視線の先にあった鉄パイプが一瞬でネジ切れる

「何をしたのかしら?」
「過程と結果を捻じ曲げた。なかなか便利だぞ?」

 視界に入っているものだけでなく、能力の効果範囲内全てこのようにできる。
 過程を捻じ曲げるのはスペルカード『大洋の津波』ですでに使用してあるので、それの延長線上、結果も捻じ曲げる事を足すだけだから簡単にできた。

「なるほど……」
「魔術も出てきているからなかなか参考になるものが多い。あくまで空想だが、空想のものが現実になる事もある」

 今日の実験はこれに出ている人形遣いを参考にした。
 幻想郷の人形師は戦闘に愛用するが、こっちは限りなく人に近い、いや、完全に同じものを作り、自分のスペアとして使用する。俺の今回の実験の最終目標はこれである

「面白そうね、借りるわ」
「どうぞ」

 あれを見て変な事を思いつかなければいいんだが……

「まず無理だな」
「どうしたの?」
「いや、ひとり言だ。気にしないでくれ」

 俺でも思いついたのに、パチュリーが思いつかない訳がない……
 せめて発想がまともである事を祈ろう……
ほんの好奇心で始めたのですが、想像以上に人気が出てしまいました。
始めた頃は「こんな駄文を読んでくれるひとなんていないだろう」と思っていたんですけど、意外です。
結局なにが言いたいのかといえば、「ありがとうございます」感謝の言葉です