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  幻想郷訪問録 作者:黒羽
放課後、悪魔と同級生
 今日も学校。今は一日の授業も終わり放課後。
 いつも放課後はのんびりと昼寝するか、家に帰るか、バイトをするかだ。
 ちなみに今日は寝ている

「ねぇ、黒羽君、悪魔っていると思う?」

 のんびりと惰眠を貪っていると、クラスの中でもかなり変わり者と言われる女子に話しかけられた。
 名前は涼宮 ハルカ。どっかの神様モドキの女子高生に非常によく似た名前だが、名前が似ているだけあって性格も似ている。興味のベクトルが少し違うだけであり、スポーツ万能成績優秀スタイル良し顔良しと、そこらの男子なら飛びつきたくなるような奴だが、性格破綻者なので誰も見向きもしない。
 特に能力などは無いようなので、興味のカケラも無い。俺には婚約者も居るしな

「いるかどうかはさて置き、いてもいいんじゃないか?実際『悪魔』という言葉があるんだし、いなければどこからこの言葉が生まれたのかが問題になる」

 実際はいるんだがな。レミリアもフランも悪魔の一種だし、小悪魔さんも悪魔だし。

「だったら少し手伝いなさい」
「ん〜?断わる。俺には惰眠を貪っている方がお前なんかよりも数十段優先度が高い。そういう訳で他を当たれ」
「あんたの意見は聞いてないわ」
「!!」

 襟首を捕まれ、そのままズルズルと引き摺られて行く。

「苦しい、放せ性格破綻者」
「大事な悪魔の信仰者を逃がすわけないじゃない。大人し召喚の手伝いをしなさい」
「俺は別に悪魔を信仰しているわけではない。家は無宗教だ。隆二〜ヘルプ〜」

 廊下ですれ違った悪友に声をかける

「すまん、無理だ。そいつと関わるとろくな事がない」
「…ッチ使えないな……」
「今度おごってやるから、許せ」
「薄情者〜」
「グダグダ言わない!」

 気分はドナドナ……
 そうして連れていかれた先は、

「……廃工場?」

 学校のすぐ隣にある廃工場だった。以前俺が潰した族の元溜まり場だ。
 
「さあ皆!悪魔の信仰者を連れて来たわよ!」
「その人が、ですか?」
「そうは見えないわね……」

 なぜか同じクラスの羽葉 陽子と、一学年上の藤野 彩が居た

「だから違うって言ってるだろう」
「ゴチャゴチャウルサイ!儀式の邪魔よ!!」

 さっきからブツブツ言ってたのは儀式だったか……
 待てよ?この陣は、本物だ……まあいいか。見たところ霊力とかは一般人レベルだし、召喚なんてできるわけがない

「眩しい!」
「やった〜!」
「今まで何度も失敗したけど……」
「今日は成功しそうですね」

 陣が光っただと!?

「おい!陣は何で書いた!!」
「え?血液だけど、リストカットとかはしてないわよ?」

 マズイ、血には霊力が一番よく溶けている。それで陣を描けば成功の確率はドのつく素人でもかなり高い。
 このままだと、召還した悪魔に喰われる……

「……私を召喚したのは貴様か?人間」

 光が収まって、出て来たのは、いかにもといった外見の悪魔だった

「ええ、そうよ!さっさと名前を教えて下僕になりなさい!」
「す、涼宮さん?」
「貴様、人の分際で何を言うか。まあいい、腹も減っている所だ。まずは貴様から喰ってやろう!」
「え?!キャー!!」

 飛びかかろうとする所を狙ってスペカ宣言

「超電磁砲『レールガン』」
 
 結果を出して、 撃つ

「グア!」

 やれやれ、予想通りの展開だ……泣けるぜ2

「お前こそ下級悪魔の分際で調子に乗るな。
 トランプ・マジック『風神乱舞』」

 スペードの10と5と3、大規模なカマイタチを竜巻の中で発生させて切り刻む 

「なんだと!?私が、この私が人ごときに!」

 そこで悲鳴をあげないのは人とは違うからだろうな。と言っても、身体の四分の三は消し飛んで、消えかかってるけどな

「往生際が悪い。さっさと消えろ」
「ガアァ……」
 
 止めに頭にトランプを一枚投げる。全力で投げたので頭を消し飛ばし、さらに向こうの壁もぶち抜く。
 悪魔だったら小悪魔さんの方が力があるように見えた。ようするに、かなり下級の悪魔だったのだろう

「は、ははは……まさか、本当に居たなんて……」
「こちらとしては、まさか本当に呼び出すとは思わなかった」

 トランプをしまい、呆れた表情で話す。
 大体、契約ってのは双方の合意の上でするものだ。あんな高圧的な態度を取って契約してもらえる訳がない

「あ、あの、黒羽君?もしかしてエクソシストなの?」
「違う。ただの高校生だ」
「じゃあさっきの魔法は何よ……」
「魔法?ああ、訂正するよ。『普通』の高校生兼『普通』の魔法使いだから使うのは当然だろう」

「ふざけないで!あんたの事を教えなさい。さもないと……」
「ふざけるも何も、真実なんだが?」

 俺には詠唱必要ないし、威力もかなり高い。あれを人為的に起こすのは今の科学では不可能だ

「涼宮さん?私には嘘を言っているようには見えないんですが……」
「私もよ。悪魔がいたんだから魔法使いがいてもおかしくはないと思うわ」
「う……それを言われると……」
「しかし、どこでこの陣を知ったんだ?」

 場合によっては情報の出所を潰さなければならない

「この本に書いてあったわ」
「その本はどこで?」

 家の物置にあったやつじゃないか

「あなたの友人に借りたのよ」
「隆二か……そういえば、この前貸したな」

 面白そうだったから貸してくれと言われて確認もせずに渡したのはまずかったか……

「没収」
「あ!何するのよ!」
「これは家にあったものだ。回収して何が悪い」
「その証拠は」
「パンにはパンを血には血を。主、黒羽の名において命ずる。我が下へ来たれ」

 本が輝き、魔力が溢れる

「何ですか刀弥さん。まだ仕事の途中だったんですよ?」

 小悪魔さんを呼び出してみた。これがこの本の本来の使用法だ。陣を必要とせずに悪魔を呼び出すことができる。一度相手の同意を得ればいつでも呼び出すことができる

「いや、こいつらがこの本の持ち主が俺だってことをわかってくれなくてな」
「あ、悪魔……」
「ヒィ!」
「安心しろ。こいつはさっきとは違って人を襲うような奴じゃない」
「小悪魔と言います。一応よろしくお願いしますね」
「こちらこそ。でも、イメージとは大分かけ離れてますね」
「う〜ん……あなた方のイメージしているのは、アンチキリストタイプの悪魔ですね。
 そういうタイプのは、人の形をしている者は少ないですから。でも私たちみたいなのでも人を襲うのはいますから、もうしないでくださいね。
 それにしても、運が良いですね。刀弥さんがいなければ絶対に食べられてましたよ」
「なるほど……」
「随分と落ち着いてるな羽場」
「さっきの悪魔とは違って優しそうですし、黒羽君が言うのなら間違いは無いと思います」

 随分と信頼されてるな……

「ま、まあわかったわ。その本はあなたの物だったのね」
「そうだ。これに懲りたらもうするなよ。次からは助けないから」
「「「ハ〜イ」」」
「それじゃ、私は帰っていいですか?」
「いいですよ」

 小悪魔さんは本の中に消えて行った。しかし、こいつらをどうするか……

「魔法を教えなさい!」
「それ無理」
「何でよ!」
「俺の魔法は燃費がかなり悪くてな、お前らじゃ発動すら不可能だ。術式を組もうとしただけでガス欠になる。それに、仮に発動できたとしても威力がデカすぎてお前らじゃ制御できずに消し飛ぶのがオチだ。
 最後に、お前らに教えたら絶対に公表しようとするからダメ。神秘は秘匿すべき物だ」

 幻想郷につながる可能生もあるからな

「どうしても?」
「どうしてもだ」
「orz……」
「……まぁ、安全な超基礎に当たる魔導書くらいなら貸してやってもいいが?」
「「本当!?」」
「ただし!絶対に召喚系の魔法は使うな。人に教えるな。この二つを破った場合……」
「まさか……死ぬの?」 
「前者はその可能性が高い。後者については、魔法に関する全ての事柄を忘れてもらう。連帯責任だからな」
「わかったわ……」
「それと先輩、『恐怖で失禁するのは恥ずべき事ではありません』」
「////」

 地面が濡れている。それとこの独特の臭気……フォローしてやらなければかわいそうだろう。

「それじゃ、俺は帰る。魔導書がほしければいつでも言え」 

 早く教室に戻って惰眠を貪ろう
悪魔にタイプがあるというのはオリジナルの設定です