三部構成に挑戦したのはいいんですが、一話一話の繋がりがあんまり無いです……
中国と休暇 後編
夢から覚めて、重い体を起こす
「んん〜ッん!」
手を組んで体を伸ばすと、パキパキと音がなった。どうやら結構な時間寝ていたようだ。
「ふ〜、もう夕方か……ん?
俺は慧音さんに起こしてと言ったはずだが……」
美鈴の授業が始まったのは昼過ぎだった。時計を確認すると、もう夕方6時。どう考えても寝過ぎだ
「ようやく起きたか……」
「慧音さん?起こしてくださいと言いましたよね?」
若干の怒りを込めて睨む
「いやいや、すまないな。あんまりにも気持ち良さそうに眠っていたものだから、つい起こすのが億劫になってしまった」
苦笑いしながら答える慧音さんを見たら怒る気も失せた
「はぁ……それで、今日の授業は済みましたか?」
「お陰さまで早く済んだよ。ありがとう」
「どういたしまして。それじゃ、そろそろ帰ります」
「ああ、またきてくれ。いつでも歓迎する」
「気が向いたら来ますよ」
そう言って飛びた…とうとするが、大事なことに気がついた。
「美鈴は?」
「先に帰ったよ。
君がいくら呼んでも起きなかったからね」
「そうですか。ではまた」
空を飛び、紅魔館へ飛ぶ
「……どうしたんだ一体……」
ボロボロになった美鈴が門に倒れかかっていた
「どうもこうもないですよ。
私が戻ると同時に魔理沙さんが突入してきたんです」
「そうか。まだ中にいるのか?」
「まだいますよ〜。早く行ってください。折角の休暇だったのに……」
「気にするな。休暇くらい申請すればいつでももらえるだろう」
小町とこいつを入れ替えてもなにも違和感が無さそうな気がする……
「さて、罠を少し仕掛けておこうか」
「早く行ったらどうですか?」
「いや、本が傷むとパチュリーが怒るからな」
結界発動用の陣を敷く。捕獲用なのだが、これはかなり柔らかく、包み込んで動きを止めるものだ
「完成。あとは獲物が出てくるのを待つだけだ」
「最近思うんですけど、とことん性格悪いですね」
「よく言われる」
そろそろだな。
「ヒャッホー!ムギュ!!」
勢いよく飛び出してきた魔理沙が、見事に結界に突入した
「な、なんだこりゃ〜!」
もがいているが、もがけばもがくほど深みにはまっていく。名付けてトリモチ結界だ
「ひさしぶりだな。白黒」
大暴れしている魔理沙に片手を挙げて挨拶
「あ!お前は!」
「いい加減普通に入って来い、頼むから。
客としてなら歓迎するから一々門を破壊して入ってくるのをやめろ」
門を修理するのは俺なんだぞ?霊力あるけど疲れるんだぞ?
「それは無理なんだぜ!」
「何でだ……」
ハァ……ため息何度目だ?
「なんとなくだぜ!」
「反省だけなら猿でもできる。お前は猿以下か」
「魔法使いなんだぜ!」
「絶対お前みたいなのは魔法使いとは言わない。
あえて言わせてもらうなら、『人間ロケットランチャー』だな」
いや、あれは魔法使いか……嫌な魔法使いもいたものだ
「それより!これなんとかしてほしいんだぜ!」
「まずはポーチに入れている魔導書を出せ。
ついでに今まで持って帰った本も返せ。
いい加減お前の家まで直々に回収しに行くぞ」
「う……それは嫌なんだぜ!」
「返すつもりは?」
「ないぜ!」
「変形、スライム、拘束」
「な、何をする気だ?!」
結界の一部がスライムになって魔理沙の手足を完全に拘束
「本の回収」
「拘束する必要性が感じられないんだぜ!」
「暴れられると困る。決してやらしいことをしようというわけではない」
箒で叩かれるのはチクチクして地味に痛い。イガグリ程ではないが、地味に痛い。
大事なことだから2回言った
「しかし、何度撃退されれば気が済むんだ?
拘束、解除」
箒の柄にぶら下げてあるポーチを開き、中から魔導書を取り出す。
もう隠して居ないことを確認してから解放する
「うう〜……今日は居ないから大丈夫だと思ったのに」
「きちんと返却期限を決めて、手続きをしてから持ち出せばなにもしないのに、お前はどうしてそう猪なんだ?」
猪と言うのは、猪突猛進という言葉があり、こいつの性格はまさにそれであるからだ。
「はぁ……今日はもう帰るんだぜ……」
「そうしろ。次からはまともに来いよ」
向上を目指すのはいい。だが、人に迷惑をかけない事が第一条件だ。
「毎回怒られてますね」
「いい加減に懲りて態度を改めてくれればこっちとしてもありがたいんだが……」
「そううまく行けば苦労しませんよ……執事長」
「その通りだな。それと、役職で呼ぶな」
執事長と言っても俺一人しか居ないから、長もなにも無い
「ハ〜イ」
「そろそろ夕食の用意だな」
「美味しいご飯を期待してますよ〜」
「夜は寝て、朝昼夕は起きろ」
「きちんと寝てますよ?」
「だったら起きてろ」
「それを言ったらスキマ妖怪はどうなんですか?」
「紫は仕事を式に押し付けているから問題無い」
「まあいいです。頑張ってくださいね」
「美鈴も寝るなよ?」
門を抜け、紅魔館の厨房へ向かう
「お帰りなさい。少し遅かったじゃない」
咲夜が半分ほど用意を済ませていた。
ゴミ箱には魚の食えない所が捨ててあった
「少し昼寝をしててな、寝過ごしてしまった」
「あなたらしくないわね」
「すまない……」
口では謝りながらも手はきちんと動かす
自分で言うのも何だが、テキパキと魚を捌いていく様は職人も真っ青な早さだ
「相変わらず魚料理だけは私よりも上手ね」
「一時期魚ばかり食べてたからな。
ほら、できた」
刺身に煮付け、塩焼きなどの六品があっという間に完成した
「私は並べるから、お嬢様達を呼んできて頂戴」
「わかった」
厨房から出て、レミリアの部屋へと歩く
「しかし、相変わらず馬鹿みたいに広い屋敷だ」
妖精メイド以外誰もいない廊下を1人歩きながら呟く。
しばらく歩いていると、急に妖精メイドが居なくなった
「刀弥〜!」
真後ろからフランの声が聞こえてきたので慌ててしゃがむ
「っと!あぶない」
「キャ!!何で避けるの?」
頭の真上をフランが飛んで行った。
そのまま壁にめり込むが、すぐに出てきた
「フラン、愛する妻(予定)のタックルとはいえ、吸血鬼の身体能力での全力タックルなんか食らえば死ねる。何度も言わせないでくれ」
「最近遊んでくれないからつまんない」
「わかったわかった。仕事が終わったら部屋に来い。いくらでも遊んでやるから」
弾幕ごっこには慣れたが、怖くないわけではない。能力での絶対回避があるとはいえ、一発で軽く死ねるくらいの力のこもった弾丸が大量に飛んでくるのは当たらないとわかっていても非常に怖い。
なので、もっと安全な遊びを提供する。トランプやチェス、オセロなどの頭を使うものが良いな
「ああ、そうだ。これから夕食だから呼びに行こうと思ってたんだが、どうする?一緒に食べるか?」
「……う〜ん」
最近はレミリアとも仲が良いようだし、一緒に遊んでいる所もよく見かけるが、食事を一緒に食べているところはまだ見ない
「無理にとは言わないが、どうするんだ?」
「…一緒に食べる」
「そうか、それじゃ少し待っていてくれ。
レミリアも呼んでくる」
「はーい」
美鈴とパチュリー、小悪魔さんは妖精メイドに頼むか
「入るぞ」
「いいわ。入りなさい」
ノックをしてレミリアの部屋へ入る
「やれやれ、また不貞寝か……」
布団に顔を埋めている。さて、今日はどうしてやろう
「最近相手してくれないのが悪いのよ……」
「はぁ……レミリア、(愛してるよ)」
ベッドに座り、抱き寄せて耳元で囁く。
こういう時には耳元で赤面するようなセリフを囁くのが一番よく効く
「〜///!!」
レミリアは顔を真っ赤にしている。効果は抜群だ
「クックック…相変わらず可愛いな」
「……」
あ、失神した
「まあいいか。このまま連れて行けばいいわけだし」
「お姉様、お酒は大丈夫なのにこういうのは全くダメね」
「あ、居たのかフラン」
「最初からね。ところで、私には言ってくれないの?」
「そうだな。愛してるよフラン」
今度はからかい目的ではなく、純粋な好意で言う
「私も、愛してる刀弥」
「ありがとう。それじゃ行こうか」
気絶したレミリアを担ぎ食卓へ
「なんで美鈴がいないんだ?」
「妖精メイドには中国って言わなきゃ通じないのよ」
「なるほど、今度からはそうしよう」
「それと、いい加減レミィをからかうのやめなさい」
「失礼だなパチュリー。からかいではなく、本心を囁いているだけだ」
「あなたのは本心7割からかい3割だから余計にたちが悪いんです」
「さすがは小悪魔、悪魔の一種だから人の心を読めるのか?」
「被害者だからわかる事です」
「なるほど。だが、嫌では無いだろう?」
「確かにそうですが、いい加減に刺されますよ?」
「その時はその時で対処する。
だが今心配すべきなのは美鈴が拗ねていないかどうかだ」
「全く問題無いわ。早く食事を始めましょ」
「問題なくないです!!」
扉を乱暴に開け放って美鈴が入って来た
「食卓では静かにしろ」
ナイフを取り出し、『美鈴の額に突き刺さった』結果のみを出す
「キャ!!」
見事に突き刺さった。この能力にはこれ以外の使い道があんまりないのが問題だな
「屋敷の雰囲気には合わないけど、美味しそうです」
「まぁ、純和食だからな……」
そこのところはあまり気にしないで欲しい。
「まあ、気にするな。味と外見が良ければ周りの環境は関係ない……事もないか」
「いただきます」
ともかく味だ。最終的にはそれが一番大事だと思う。
あれ?今日はなにをしに出たんだっけ?
ああ、美鈴の休暇だったな
更新が遅れてすいませんでした。最近いろいろと忙しくて……