寺子屋での授業。どのような物かはわかりませんが、生活の上で役に立つものを教えてみました
中国と休暇 中編
寺子屋に行き、慧音さんに挨拶をする
「どうしたんだ?妖怪なんか連れて……見ない顔だな」
「美鈴です!紅魔館の門番です!」
「すまないな。わからなかった」
そうか、いつも中国な雰囲気だから、美鈴ってわからないのか
「それで、今日は何の用だ?」
「臨時で教師でもしようかと思いまして」
「そうか、丁度いい所に来てくれた。今日は少し忙しくてな」
机の上には紙が山積みになっている。あれを全て確認するのは少し骨が折れそうだ
「いよいよ刀弥さんの授業が見れるんですね?」
「授業とは言っても、一般常識や礼儀作法、怪我の応急処置の方法くらいだ」
教室に入る
「先生!その人は誰ですか?!」
「ああ、こいつは『中国』って言えばわかるな?」
「え〜っと、吸血鬼の館のサボリの門番!!」
「正解。今日は和服で来てもらった」
「なんで〜?」
「大人の事情ってやつだ。所で、なんでチルノがいるんだ?聞いてないぞ?」
確かに夏場だから嬉しいが、騒がしいのはいただけない
「あたいってば天才ね!!」
「静かに。出席確認するぞー」
しかし、大ちゃんまでいるのは何でだ?
「全員いるな。今日は毒蛇や毒虫毒草などの種類と、噛まれた、刺された際の処置法を教える。
草は山菜と間違えて食べると大変なことになるから要注意だ。
森に入った時によくいるやつだから覚えとけ」
『ハーイ!!』
「いい返事だ」
カバンから写真のカラーコピーを渡す。
黒板に大きなコピーを貼る
「これの名前や処置法がわかるやつはいるか?」
まずは日本の毒蛇の代表であるマムシ
「マムシです。噛まれたときには焦らずにキレイな水で噛まれた所から毒を絞り出すように洗います」
「正解。ヤマカガシも同じ処置法でいい。あと血清を注射してもらえ」
次は蜂、
「蜂にはいろいろと種類があるが、基本的に刺激しなければ何もしてこない。手を振り回して追い払うのは逆効果だ。襲ってくる。
あと、山に登る時には白い服を着ろ。濃い色だと巣を荒らす熊と間違えられて襲われるからな。
刺されたらすぐに針を抜き急いでその場を離れろ。二匹以上に刺されると死ぬ可能性が高くなるから注意しろ。すぐに医者にかかることだ。
んで、話聞いたか⑨」
机に突っ伏して寝ているチルノに視線を向ける
「ん?聞いてない」
「よし、歯を食いしばれ」
「え?」
「セイ!!」
チョークを指に挟んで全力投球。衝撃が増すように投げたから、かなり痛いはず
「フギャ!!!」
見事に全部おデコにストライク。宙に浮かびあがり後ろへた落ちる。
ちなみにチョークは粉になった
「大丈夫チルノちゃん?
でも、今のはチルノちゃんが悪いんだよ?」
頭にでかいたんこぶを作って気絶しているチルノを心配する大ちゃん。チルノも見習えっての
「それじゃあ授業を再開する。
毒を持った毛虫に蛾だ。こいつは毒を持った小さな針を身体中に毛と一緒に纏っているから、触るなよ。
卵と抜け殻にもついているから、発見しても素手で触らないように。
大ちゃん、こいつの被害にあった際の処置の仕方を言えるか?」
「えっと、掻かずに糊を塗った紙で毒針を抜いて、お薬を塗る、でしたっけ?」
「パーフェクトだ大ちゃん」
拍手を送ろう。次、
「ムカデだ。基本どこにでもいるから注意しろ。被害にあったからといって死ぬことはないが、かなり痛い」
「せんせーしつもーん!」
「なんだ?」
「授業には関係無いんですけど、紅魔館のメイド長はPA「ストップ。それは禁句だ。ナイフに刺されて針ネズミになっても生還できる奴だけ言え」はーい」
ちなみにあれはそれではなく、本物だ。
直接確認したからな。
誰だそんなデマを流したのは、俺が処分してやる
「次は草だ。主に警戒すべきなのはやはりウルシだが、食中毒だとその限りではない。
誰か、食べたら危険な草を一つ答えてみろ」
「え〜っと、マムシグサ?」
「いい回答だ。山菜と間違えるなよ。ひどい目に合うから。実際に先生の友人が食って酷い事になっていた」
隆二の奴、俺の真似でサバイバル生活をしてあれを食って医者行ったからな。
「これはトリカブトだ。こいつは減毒加工をして漢方薬にも使用される。だけどくれぐれも口に含まないように。
ちなみに食べるとどうなるかわかるか?」
「どうなるの?」
「心臓が停止して死ぬ」
正確にはちょっと違うのだが、簡単に言った方がインパクトが強い
『怖!!』
「そうならない為にもキチンと話を聞いておくように。
この時間はこれでおしまい。休み時間を挟んで次の授業を行うから、それまでには準備を済ませておけよ」
『は〜い』
さてと、美鈴に感想を聞いて見るか
教室の後ろで立っている美鈴(和服ver)に話しかける
「どうだった?」
「どう、と言われましても、とても役に立つ授業でした」
「ありがとう。それで、何か良くない所とか、こうすればいい。って所はないか?」
「いえ、全く」
そうか、第三者からの評価は上々らしい。
「質問とかは有るかな?」
「えっと、蜂に二回以上刺されるとどうして死ぬ可能性が高くなるのか、ですね」
説明するのを忘れてたな。ま、子供に専門的な用語を教えても意味を覚えきれないだろう
「少し専門分野だから説明が難しいが、いいか?」
「はい、大体ならわかります」
「ならいい。長くなるから注意してくれ」
パラパラ……本のページをめくる。あった
「アナフィラキシー(薬物過敏症等)
I型アレルギー反応の一つだ。
外来抗原に対する過剰な免疫応答が原因で、好塩基球表面のIgEがアレルゲンと結合して血小板凝固因子が全身に放出され、毛細血管拡張を引き起こす為にショックに陥る。
大体はハチ毒・食物・薬物等が原因となることが多い。アナフィラキシーの症状としては全身性の蕁麻疹と以下の症状、喉頭浮腫、喘鳴、ショック、下痢、腹痛のうちどれかがある。
アナフィラキシーショックは二峰性の経過をとるものがしばしばみられるので、院内で経過観察(約8時間、重症例では24時間)をしなければならないんだが、ここには設備が永遠亭以外に無いからな。
アナフィラキシーはIgEを介して肥満細胞が脱顆粒しておこるが、IgEを介さず肥満細胞が脱顆粒を起こすアナフィラキトイド(類アナフィラキシー反応)と呼ばれる反応もある。類アナフィラキシー反応として造影剤アレルギーなどが有名だ。
その他、ラテックスアレルギー・口腔アレルギー症候群・食物依存性運動誘発性アナフィラキシーなど、特異的なアレルギーがあり、アナフィラキシーショックを起こす場合がある。
わかった?」
「……無理です」
「だろうな。実を言うと俺もよくわからん。詳しくは永琳さんに聞いてくれ」
本を読んでるだけだし、少ししかわからなかった。
「でも、本当に物知りですね〜」
「そうでもないさ。外では結構一般的な知識ばかりだよ」
「それでも私なんかよりはずっと物知りです」
「それを言ったらパチュリーや永琳さんはどうなんだ?パチェは本の虫だし、永琳さんは月の頭脳だし」
「教え方がいいです」
「そうか?」
「私には出来ませんよ」
「偉い人は言いました、『他人にできる事は自分にも出来る』と、言うわけで次の授業は拳法でも教えてやれ」
「え?いきなりですか!?そんな無茶な〜」
「よし、慧音さんに許可を貰おう」
「話を聞いてくださいよ〜」
「I can't speak Japanese」
「さっきまで思いっきり日本語で話してたじゃないですか!!」
「気にしなーい。
慧音さん、美鈴に子供達に拳法の指導をさせたいんですけど、いいですか?」
教室の扉を開けて入ってきた慧音さんに聞く
「今日の授業は済んだのか?」
「いえ、ですが外で普段の授業の息抜きみたいな事をさせてみようと思っただけです。それに、残っているのはあとプリント数枚だけですし」
「そうか、怪我をしない程度ならいいだろう。私も見学させてもらうがいいな?」
「いいです。さ、美鈴外へ出て子供達に教えてやれ」
「この服は動くのに適していません」
「それについては心配いらない。『美鈴の服に使用した能力を解除』それと帽子」
美鈴を中国verに戻して、カバンにたたんでしまっておいた帽子を渡す
「ハァ……どうしても私にやらせたいみたいですね……」
「俺が教えれるのは学問だけだ。体育は専門外。
ま、可愛い弟子が出来たと思ってやってくれ」
「弟子をとる気は無かったんですが……」
歩きながら話を進める。数分歩くと外に出た
「おーい、全員集合!!」
『はーい!』
大きな声で呼ぶと、あちこちから子供達が集まってきた
「何かするの?先生」
「次の授業は急きょ変更、美鈴に拳法を教えてもらう事になった。
ちなみに、こいつは妖怪だが、いい奴だから襲われる心配は無い」
「妖怪!?」
ひどく怯えてるのが数人
「だから断ったんですけどね……」
「だから心配いらないって。こいつは人は襲わない。慧音さんも半獣だが人に近い性格だろう?それと似たようなものだ。
ルーミアみたいなのは話が通じそうにないけど、こいつは話ができる。
話ができれば友人にもなれる」
「でも、妖怪って力があって人を襲うものでしょ?」
「うーん、確かにその通りだ。
だがな、俺や慧音さん、野良妖怪。どっちが怖いかな?」
「妖怪です」
「だけど、そこらの妖怪なんかよりは俺や慧音さんの方がずっと強い」
右手の平に火の玉を発生させ、すぐに握り潰す
「けど、皆は俺や慧音さんが怖いかな?」
「いや、怖くないです」
「そう。それに、力のある妖怪は例外はあるが、基本的には紳士的だ。それと、人里では妖怪は人を襲ってはいけないというルールがある。
だから襲わない。わかったな?」
「九割は」
「それに、くどいようだがこいつは絶対に人を襲わない。絶対にだ。俺が保障する」
「……そこまで言うなら」
「よろしい。物分りのいい子は先生嫌いじゃないよ」
頭を撫でてやろう
「それじゃ、美鈴、頑張れ」
「やるからには、スパルタで行きますからね?」
「怪我しない程度。ほどほどにな」
木陰に座り込むと慧音さんがこちらに寄ってきた
「どうかしました?」
「さっきの君の話に感動してな……あの子たちは妖怪に対して必要以上の敵意や恐怖心を抱いていてな、私の事も怖がっていたんだ」
「そうだったんですか?」
「はじめの頃は顔を見られるだけで騒がれたものだ……」
「人間は、自分たちと違うものを排除したがる性質を持ちますからね〜」
「そう言う君も人間だろう」
「俺は例外です。全であり一でもある。何でも受け入れてみせますよ」
全は『世界』一は『自分」。
その気になれば世界と同化もできる。能力を使って、そうである結果を出せば良いのだから
「そうか……。浅いようでかなり深い言葉だな」
「浅いですよ。俺は……」
「いや、君の本質はもっと深いと見る。決して浅くはないさ」
「そうですかね……」
「まあ、浅い深いは教師には関係がないがな。
あの子たちも妖怪を必要以上に恐れないようになったようだし」
「そうですね。
それにしても、いい天気だ……少し昼寝をします。美鈴の授業が終わったら起こしてくださいね……」
「よく寝るな君は」
「…………」
……夢の中
「久しぶりだな紫」
よくわからない空間に漂っている。夢の中でこうハッキリとした意識があるのは、紫がきたときだけだ
「しばらく来ないから会いに来たわ」
「会いたくてもお前がどこに住んでいるのかがわからないのにどうやって会いに行けと」
「探せば出て行くわ」
「それは置いといて、その格好は目の毒だ」
水着姿とは、かなり新鮮だが、スタイルのいい紫が着ると、凶器になる
「襲ってもいいのよ?」
「今は遠慮しとくよ。教師としての仕事の最中だしな」
そんな事は俺の鋼の理性が止める
「あら残念。でも、その教師が居眠りはダメなんじゃない?」
「おっしゃる通りで。だがそれを言えばお前も結界の管理はどうしたんだ?」
「式に任せてあるわ」
「それと同じで美鈴に任せてある」
専門家に教えてもらう方がわかりやすくていいだろう
「それで、幻想郷での生活は楽しい?」
「楽しいね、いろいろな事があって飽きる事がない」
「そう。それはよかったわ」
「将来は、外とこっちを行き来する事になるな」
「いっその事完全に「前にも言ったが、外は外で良い所がある。そっちの生活を捨てるわけにはいかないよ」……そう。やっぱりあなたは変わらないわね」
「そうか?お前たちに出会ってからは結構変わったぞ?」
「そうじゃなくて、根底の部分。人の本質は変わっていないってこと」
「命短い人間がそうコロコロ変わってたら大変だろ?表面上はそうでもないが」
「あなたはその表面すら変わらない……完全にではないけど、心を開いていないと言い換えてもいいわね」
やっぱりこいつには敵わない……
「……ばれてたか、いつからだ?」
「一緒に住んでいるんだからわかるに決まってるでしょう?」
「それもそうだな。まあ、そのうち開くから気長に待ってくれ」
「一日千秋の思いでお待ちしておりますわ」
「近い内に、な」
夢が薄れていく……そろそろ目覚めか……