短編 名付け
名付け
今日は珍しく何も無く、平和な一日だった。そう思いながら家の中を歩いていると、剣の精が珍しく外に出ていた
「剣の精、「いい加減名前を付けてくださいご主人様」……そうは言ってもな、剣の精だし?」
名前を付けろと言われても……何故?
「何で剣の精じゃだめなんだ?お前は剣の精だろ?」
「確かにそうですが、それは仕事の名前みたいな物です。『名前』とは別です!」
「なるほど……」
こいつは、天叢雲剣に憑いてたんだよな。確か天叢雲は草薙剣と同じだったよな?
「その剣と草薙の剣って同じなのか?」
「?はい」
だったら、その草薙剣と天叢雲剣から字を取って……
「草薙アマノ。アマノでいいか?」
「ずいぶんと安直な名前を付けましたね……悪い名前ではありませんが」
「それじゃ、アマノ。これがお前の名前だ」
決定。これで解決
「何だ!?」
いきなり光が溢れ出て思わず目を瞑る
「我が新たな名は草薙アマノ。あなたを正式な主人と認めましょう」
「デカくなったな……」
光が収まると、前は妖精サイズだったのが、一気に成長して140cm位まで成長した。
ついでに物凄い脱力感に襲われた
「名前を貰ったので存在のレベルが上がったみたいですね」
「で?その存在の格上げに使った力はどこから?」
「それはもちろん、ご主人様からです」
なるほど……さっきの脱力感はそのせいだったのか……
「良いだろう。歯を食いしばれ。ちょうどどつきやすい大きさになったしな」
「な、何故でしょうか?」
何をとぼけたフリをしている
「さっき自分が言った事を思い出してみろ」
「ゲ……」
さっき自分で知識を暴露してたからな
「さて、お仕置き……」
「ヒイィ〜!!」
「と、言いたい所だが、今回は許してやろう。丁度良い倦怠感だし、今夜は良く眠れそうだ」
何よりも眠い。体が睡眠を求めている……
「ふぁあぁぁ〜......おやすみアマノ……」
「え?ちょっとご主人様?!」
そのまま畳の上に寝転び、まぶたを閉じる
「zzz……」
「寝ないでくださいよ〜」
「無理。zzz……」
揺すられたので、一旦起きて返事をしてまた眠る
「こんな所で寝ると風邪引きますよ」
「それじゃ起きよう」
フラフラしながら起き上がり、そのまま寝室へゆったりとした足取りで進む。
寝室の布団に入るとすぐに意識が切れた
少しダラダラとした主人公でした。
ちなみに、主人公が1番嫌いなのは睡眠を邪魔される事です