40万PV突破記念
目が覚めると、どこか見覚えのある場所に立っていた
「東風谷、今の状況をよくわかるように説明してくれ。
俺は家で寝ていたはずだ。なのになんでこんな所にいる?」
見たところ、ここは守矢の神社の中。時刻は夜深く。おまけに手足は縛られているので解かなければ身動きが取れない
それで、俺の前には巫女服の東風谷がいる
「さらっちゃいました。拉致です。誘拐です。最近某国との間で問題になっているアレです」
「要するに、東風谷は某国の工作員?」
「違います。今の状況をわかりやすい例えで説明しただけです」
なんともわかりやすい例えで結構だ。
「で、帰してくれる?俺は眠いの」
「ダメです(はぁと)」
「なんでだ?」
「帰したら戻ってこないじゃないですか」
「ここの神様はどこだ?少し話をさせてくれ」
詳しいことを聞かないとな。主にさらった理由とか帰せない理由とか
「や!久しぶりだね」
「ほんの数時間ぶりだ。俺をさらった訳を聞かせてもらおうか?」
「つれないね~...夜遅く、一つの部屋で男女がすることといえば?」
「うん。よ~くわかった」
能力で縄を『解けている』結果を出す。縄を払って立ち上がる
「あれ、意外と器用だね」
「手品の師匠曰く『一瞬の余所見は奇術の基本』らしい。
それじゃ、俺は帰る」
「「ダメだよ(です)」」
「だから、前にも言ったけど、これ以上増えて全員を相手できるほどの甲斐性は俺にはない」
「それを天に相談したら『奪ったらどうじゃ?』だって」
「勘弁してくれ......」
天よ、一度じっくり話し合う必要がありそうだな......
「いいじゃないですか!もう四人もいるんだから、五人になったって!」
「それが問題なの!人の気持ちも察してくれ。
東風谷、俺にお前はふさわしくない。分不相応だ。
俺よりももっと良い男は他にいるはずだぞ?」
「私は、黒羽さん、あなたがいいんです!あなた以外は嫌です!」
「私は愛人でいいからさ、」
わー、大暴走
みんな俺のどこが良いんだろう...
「第一、女の子がそんな体を安売りするようなことするな」
「あなた以外にこんなことはしません」
「早苗はそれだけあんたにお熱ってことだよ。受け入れたらどうだい?」
「無理。正直、俺のどこがいいんだ?」
すると、東風谷と諏訪子様は顔を見合って、
「「全部だね(です)」」
戦闘なら負けないかもしれないが、仮にも女性を傷つけるようなことはあまりしたくない
「神奈子様!後ろで笑ってないでヘルプ!!この二人止めてください!!!」
「私も面白そうだからのんびり見させてもらおうかと思ってね」
「止めてくれないと神社潰れますよ!!」
必死のお願い、もとい脅迫
「やれるのかい?」
「俺じゃなくてレミリアたちが!!」
流石の彼女たちでもこれ以上増えたら許してくれないだろう
「それは困るしね~...黙ってりゃわかんないか」
「いい加減あきらめよ?」
「倒れていてくれるだけで良いですから」
押し倒されるが、力ならこっちのほうが上だ。押しのける
「む~...責めのほうが好きなんですか?」
巫女服をはだけて誘ってくる。......理性が飛びかけた。これ以上誘惑がひどくなる前に沈黙させるか
ここは誘いに乗ったふりをして無力化しよう
「東風谷...ゴメンな」
「んな!!」
首に手を回すふりをして、そのまま首筋を打つ。
後ろのほうで神奈子様が驚いている。なんで?
「2人とも!!そこに正座!!!」
「「ハイ!!!」」
もう怒った。東風谷を礼として出す蛙帽子といい、人をからかってばかりいる注連縄をした神様といい...
「諏訪子!お前はもう少しまともなお礼を考えろ!!」
「ひぃ!!」
自分をお礼に出すな。東風谷もお礼に出すな。人の迷惑考えろ
「神奈子!仮にも神様だろうが!もう少し神様らしいことをしろ!主に人助け!!」
「わ、わかったから、落ち着いて...」
後ろで傍観者気取りの迷惑な神様、あんたは率先して人助けをしろ。そんなだから信仰が薄いんだ
「人の話をもう少し聞け!それと俺はいつも冷静だ!夜中に大声を出させるな!近所迷惑だろうが!」
「「だったら声抑えようよ...」」
「何か言ったか?」
言われた通り声を抑えて話しかける
「「NO,sir!!」」
「大体、2人とも神様なら人助けの一つ位したらどうだ。ご近所様のゴミだしの手伝いとか、今までしたことあるのか?」
「「い、いや~...」」
「あるのかないのかハッキリしろ」
「ありません...」「ないです...」
「信仰が薄いなら集まるように努力してからものを言え。いいな?」
「「はい...」」
「よろしい。説教は本来閻魔の仕事だが、こっちには閻魔がいないから代わりに俺が説教をした。
閻魔様の受け売りだが、『日々の善行の積み重ねが大事』だ。
神様妖怪人間関係無しに言えることだ。いいな?」
「「はい...」」
「よろしい。で、質問等があれば受け付ける。あるか?」
「はい」
「なんだ諏訪子」
「さっき閻魔がどうとか言ってたよね?」
「そうだ」
「会ったことあるのかい?」
「あるぞ。直々に説教されてありがたすぎて泣いたな」
「どこで?」
「幻想郷。閻魔様以外にも、秋の神様姉妹に厄神様をはじめとする神様、天狗に鬼に吸血鬼に妖精妖怪。宇宙人に人間。
いろいろなものがいる所だ」
こちらよりもずいぶんと過ごしやすいのは、あそこ独特の雰囲気だからだろう。
外とは隔絶された一つの世界。いろいろなもののいる世界だし、いろいろなものにとって過ごしやすいようにしてあるのかな?
「私らも行ってみたいね」
「そうだね。そこなら信仰も集まるかもしれないし、いいんじゃないかな?
ところで、あんたのところの神様、あれはどこで知り合ったんだい?」
「幻想郷から帰ったら家にいた。俺の幻想郷の匂いというか、気配というか、なんだかよくわからんがそれで目が覚めて御神木から抜け出してそのまま消えかけていたところを保護した」
「今はずいぶんと力があるようだけど?」
「あいつの能力で『人の悩みを理解する程度の能力』で人里をはじめ、いろいろな妖怪たちの悩みを軽くしてやることで信仰を得ているらしい。
詳しくはわからんが、人に近いからだと思うぞ?元は人間の巫女だったそうだし」
あくまで俺の勝手な解釈だが、神様というのは身近なものの方が信仰が集まりやすいのだと思う
「へ~...」
「お前たちとは違って、きちんと人助けをしているから信仰も集まるんだと思うぞ?」
「ま、確かにその通りだ。私らは実質何もしてないし?」
「少しくらいは働いたほうがいいと思います。東風谷にも見放されたら信仰がゼロになりますよ?」
「あはは...それは困る」
「ところであんたは?」
「俺はその気になれば妖怪にもなれるし鬼にもなれるし神様にもなれるから、そういうわけには行かないでしょう」
「あんたも現人神なのかい?」
「なんですかその現人神ってのは。たぶん違いますよ?」
「ふーん...現人神って言うのは人でありながら信仰を得て神格化できるものだよ」
信仰を得る...信仰=カリスマ性で考えると...
戦時中にほぼ全国民から支持されていた天皇か?
「天皇みたいなものか?」
「そうだね。早苗はその弱体化したバージョンだね」
「意外とすごいな。見直したかも」
「ケロケロ、早苗が起きたよ」
「黒羽さん?あれ、私、なんでこんな所に?」
どうやら東風谷が起きたようだ。だが、巫女服は乱れたままなので...目の毒だ
「......」
「ええ?何ですか?」
言葉で言うのは少し悪いので、片手で目をふさぎながら身振りで表す
「前を見ろ?さっきから正面しか、え?『下』?...//////!!!」
顔を茹蛸のように真っ赤にして前を隠す東風谷はなかなか扇情的だったと言っておこう。
しかし、手を出せば確実に嫁(予定)に抹殺されることはわかりきったことなので、何もしない。うっかり理性が一瞬飛びかけたのは、悪いことじゃないよな?
「諏訪子?神奈子?東風谷の様子がおかしかったのは...」
「すこーし自分に素直になってもらう薬を夕食に混ぜておいたのさ」
「おかげで本音も聞けたしね~」
「何を入れた?正直に答えろ」
「「理性を緩める薬」」
「いいだろう。歯を食いしばれ。顎が吹っ飛んでも文句は言うな」
「ちょ、ストップ!落ち着いて!!」
「そうだよ!わるかった!ゴメン!!」
「Die」
「「ギャーーー!!」」
頭に拳骨を100発ずつ落としておいたので、お二方の頭はすごいことになっている...
「東風谷?その...」
「もしかして、見ました?」
「......」
黙って首を縦に振る
「......///」
「その、なんだ?綺麗だったぞ?」
思いっきりくさいセリフを吐いてしまった...だれか、殺すなら殺してくれ...
「......」
「......」
「......」
「......」
気まずい。沈黙がものすごく気まずい。そして空気が重い
「あの...今日のは、事故ってことでいいですから、忘れません?
こっちにも責任はありますし」
「そ、そうだな...だが、怒るなら怒ってくれてもかまわないぞ?」
「こっちに責任があるのに怒るなんてことは出来ません」
「そうか...」
「...また、明日学校で会いましょう」
「懐中時計を見るに、登校まであと7時間。明日じゃなくて今日だな」
「そうですね」
「それじゃ、学校で」
「はい、その前に「ストップ。不意打ちにはもう慣れてるから振り向きざまにキスなんてのはやめてくれ。理性が保てる自信がない」...いっそのこと襲ってくれたら私も仲間入りできるのに...」
「頼むから、そんな恐ろしいことを言わずに俺以外を探してくれ。俺にそんな価値はない」
「自分のことを過小評価しすぎです」
「紫にも言われたよ」
「!そうです!私の裸を見た責任をとってもらってください。
親以外で肌を見せたのは黒羽さん以外にいませんから」
「...あきれた根性だな...3年待とう。
それまでに俺意外に良い奴がみつからなければ考えてやる」
我ながらくさいセリフだ......三年もすれば思いも薄れるだろうし、お互いに忘れている...ことを祈ろう
「大丈夫です。黒羽さん、いえ、刀弥さん以外の男性には興味がありませんから」
「学校では苗字で呼んでくれよ?」
...ワイン見たく思いが熟成しなきゃ良いんだが...
そうつぶやいて家に帰る
ここで貰うではなく、考えるですから、貰わないこともありうるのです。そこのところ注意してください。
たぶん貰うとは思います。これ以上増えることは...無いと思います