日常と化した非日常
今日は学校。数日ぶりの日常。
「けど、なんで学校で厄介ごとになるのかが不思議で仕方がない」
文化祭の準備で大忙し。これは普通だとしても、
「相談に乗ってほしいんですけど、いいですか?」
「一向に構わんが、もしも『人間』関係だったら専門外だから他を当たってくれるか?」
クラスで人気の同級生が声をかけて来る。これは普通なのかもしれない。今まで死にかけた事もあるし、空を飛ぶ事も出来る俺にとっては立派に『普通』の範囲に入る...
しかし、嫌な予感がする。俺の脳内は10秒前からレッドアラートを警告してくる
「学校が終わったら、家の神社に来てほしいんですが・・・」
「どういった事情なのか、はっきりと言ってほしい」
家ではなく神社にと言うあたり、恋愛事でも人間関係でも無いようだ・・・
出来る事なら予感が的中しないでほしい・・・
「黒羽さんの家には、神様がいるんですよね?」
「...何の事だかさっぱり。あれはジョークだよ」
「そうとは思えませんね。神様がいるなんて事は『普通』なら言いません」
やれやれ・・・人気者は辛いねぇ・・・
「そういう東風谷も、『普通』の分類には入らないだろ?
異能は異能を引きつける。漫画でそんなのがあったが、正しいみたいだな」
「で、承諾してもらえますか?」
「わかった。学校が終わって・・・6時くらいでいいか?」
「神社の場所はわかりますね?」
「わかってる」
「それじゃこれで」
紫達にどう説明するか・・・
いっそ正直に言うか?
「〜と言うわけで遅くなるかもしれない」
「いいわ。行ってらっしゃい」
「レミリアもフランもいいか?」
「いいわよ。私たちから刀弥を奪い取るなら話は別だけど・・・」
「そうじゃないんでしょ?」
「そうだ。天は連れて行くが、いいな?」
「わらわ以外の神なのかも知れぬ。もしかすると上位の神の可能性もある。神剣も持って行く方がよかろう」
確かに・・・あの神社はさびれているとはいえ、珍しく力がある。確実に居るだろう。
「出番だぞ?」
「やっと私の本来使い方の出番が来ました〜!」
「戦闘になったら困るから儀式には使わんぞ?」
「そんな〜・・・」
抜き身の刀を鞘に納め、竹刀袋に突っ込み担ぐ。
「それじゃ、行ってくる」
「気をつけて」
「俺は神様だろうが妖怪だろうが負けないよ......たぶん」
「私がついて行ってもいいわよ?逃げる時には時間を止めれば安全だし」
「いいよ。未来の妻を危険な所へは連れて行けないよ」
「殊勝な心掛けね」
「当然だろ?」
約束の時間までは余裕がある。玄関を出て神社への道を進む・・・
道は知らないが、力を感じる方向へ足を向けると、
「到着」
「ついたのじゃな?」
「他の神が何の用だい?神剣なんか引っさげて」
「東風谷に相談に乗ってほしいと言われて来た。害意は無い」
「ならいいか。早苗ならこっちだよ」
着いていきなり神様がお出迎えか・・・力が落ちているとはいえ、まともにやり合って勝てる相手じゃ無いな
「私は八坂神奈子。この神社の神様さ。力が無いのは今は信仰が無くてね」
「そうですか?まだ現界できているのに力が無いというのはなぜでしょうか」
「わらわとは違い、地脈から力を得ておるようじゃの。現界できているのは地脈のおかげじゃ」
そういえばそうだな・・・
「来てくれたんですね、って何ですかその剣は〜!」
「ああ、こいつは神剣で自称・・・なんだっけ?とりあえず出ろ」
背中の剣を竹刀袋から出し、霊力を注ぐとひとりでに宙に浮き、剣の精(名前はまだ無い)が出てきた
「はじめまして。私は天叢雲剣の精です。名前はまだありません。早く付けてくださいよ御主人様」
「どっかで見た事があると思ったら、天叢雲剣だったのかい」
「...黒羽さんこれをどこで?」
「家の物置と言う名の魔窟。ティンダロスの猟犬の仮面やらネクロノミコンやら訳のわからん物が大量にあった内の一つだ」
年末大掃除のときに色々と出てきたしな・・・
「それで、相談事ってのは?」
「黒羽さんの周りには神気が漂ってます。それも複数の力のある神のものが...」
確かに、幻想郷の秋姉妹とか厄神様とか・・・小町は死神だから神に入るのか?結構会ってるしな・・・
「それで?」
「このままではここの神様ニ柱が消滅してしまいます」
「だから神様の所へ連れて行ってほしいと?」
「そうです」
「もう片方の神様は?」
「すでに現界するのも辛いようで、眠っています」
困った・・・
「神剣で回復させる事はできるか?」
「儀式に用いれば出来ます!やっと本来の使い方をしてくれるんですね!」
「との事だが、いいな?」
「はい!ありがとうございます!」
「儀式とかの知識は無いが、こっちでできる事はさせてもらう」
「材料とかが必要なんですが...」
「言ってくれれば出そう」
「一つだけ無い物があって、それが・・・その、」
「なんだ?」
「人には集められないと言うか、取りに行けなんです」
「言ってみろ」
「〜です」
結果を出してっと......
「これだな?」
「どうやって出しました?」
「一瞬の余所見は奇術の基本。俗に言う手品ってやつだ。使え」
「手品ですか?」
「手品だ。マジックとも言う」
本当は過程を飛ばしてそこにあるって結果を出しただけなんだが・・・
「では、しばらく待っていてくださいね」
「神剣だ。忘れるなよ?」
刀を投げて渡す。きちんと受け取って一礼をしてから奥に消えていった
しばらくすると、帽子を被った少女と東風谷が出てきた
「それじゃ、相談ってのがあるんだろ?言ってみてくれ」
「その前に礼を言わせてもらうよ。諏訪子を助けてくれてありがとう」
「神様がそんなに軽々しく頭を下げないでください」
「そうかい?私は別にいいと思うけど?」
「物は相談だけど、早苗をもらってくれないかな?」
「いきなり何を言い出すんですか。お断わりします」
いまさらどんなトンでも発言が出てきても驚かない自信がある。紫で慣れた
「そうです諏訪子様!いきなり何を言い出すんですか!!」
東風谷?顔を真っ赤にして、熱でも出たか?病院行ったらどうだ?
「いいじゃないか早苗。この前言ってた好きな男だろ?」
「俺にはすでに結婚を約束したやつが4人いる。二人は吸血鬼で1人は人間。もう1人は妖怪だ。俺にそこまでの甲斐性はないし、東風谷も俺なんかとは嫌だろう」
「・・・」
「残念だったね早苗?」
「あまりしつこいと怒りますよ?」
まったく...どうしてこうまともな神様はお雛様以外にいないのか...
「それで、相談というのはですね。信仰が集まらなくてこのままではお2人が消滅してしまうということです」
「その相談は信仰が集まるように努力すれば解決するかもしれませんよ?」
「刀弥の言う通りじゃ。わらわは悩みの解決の手助けをする神じゃが、努力をせん者には手助けはせぬ」
「やれやれ、自分より下の神に怒られるとはね......」
過程なくして結果は出ず。これは常識だ。ま、努力したからといって必ずしも報われるとは限らん。
俺は例外だがな!
「そういえば、お礼をしなくちゃね」
「東風谷をもらってくれとかだったらことわりますよ?」
「お守り」
「お守り?」
「私と神奈子で力を注いだお守りだから、効果はかなり高いと思うよ?」
「お礼とかはいいですから、早い所帰らせてくれませんか?眠くてしょうがないんです」
緊張すると眠くなる癖は抜けないっぽい
「なんなら家に泊まるかい?」
「それはだめでしょう...常識的に考えて」
「お礼として、ね?」
「それでもダメです。早く家に帰らないと心配されます」
「早苗の話しだと孤児だって聞いたけど?」
「東風谷......誰にも話すなと言ったよな」
一瞬でナイフを大量に配置。
「ごめんなさい!」
「まぁ、いいや。知られて困る訳でもないし、家に婚約者たちがいますので...天、帰るぞ」
「もう1人位なら空きがあるぞ?」
「余計なことを言うな」
頭に拳骨を落とす
「痛いのじゃ!」
「人にいじめられる神ってのはどうかと思うよ?」
「仕方ないと思うぞ?」
ナイフを回収してから帰路を急ぐ。
咲夜の料理が冷めちまう