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  幻想郷訪問録 作者:黒羽
今回は、シリアス成分は少なめです。
キャラ崩壊注意です
紅魔館での一夜
 紅魔館が潰れそうなほどの爆音がさっきから鳴り響いている
「ずいぶんと激しいケンカですね、咲夜さん」
「けしかけておいた本人がよくいいますね」
 実際その通りなんだけどね
「まぁ、これでお嬢様方も元気になるだろうさ。
 それに子供の喧嘩だ。すぐに疲れてやめると思いますよ」
「お嬢様は確かに子供っぽいところはありますが、
 この幻想郷の中でも上位に入る実力をお持ちです。そう簡単に疲れて辞めるはずがありません」
...

それは確かに盲点だったな
「屋敷が壊れても能力で何とかするさ」
「そうですね。では、パチュリー様に現状の説明をしておきましょう」
 確かにこの爆音じゃあ集中して読書なんかできやしないよな
「実験動物にされそうだから寝てていいかな?初の能力の使用で疲れてるんだ」
 説明はしないといけないけど、実験動物にされるのはいやだ
「お断りします」
 なーーーぜーーー
 へこんでいると咲夜さんが
「騒動の原因である刀弥様が謝罪しないと意味がありません」
「説明じゃなかったんですか?」
「それもありますが、パチュリー様は読書の邪魔をされることを何よりも嫌います」
 ようするに本の虫か
「悪かったわね」
 背後からものすごく怒気をはらんだ声が聞こえてきた。噂をすればなんとやらだな
実験動物モルモットがいないからちょうどよかったわ。咲夜、捕まえて」
「かしこまりました」
 予感的中 
さて、どうしようか...A.逃走 B.おとなしく実験動物になる C.戦う

A.採用 
B.却下(当然だ。俺はあくまで人間だ。投薬に耐えれるような頑丈さは持ち合わせていない) 
C.却下(疲れてるのにやってられるか!それに二人を相手にして勝てる自信もない)

思案すること0.1秒
「そういえば咲夜さんここは音があまり聞こえませんね」
 なんとかして気をそらそうとする
「図書館は完全とまではいかなくとも防音ですので。では御覚悟を」
 失敗。あっさりと答えられた
 こうなったら実力行使だ

 護身『スタングレネード!』
 これは御符を投げつけ符を『魔法の発動媒体である』と結果をいじって使用することで消費する力を抑えることができることを発見したので、うまく活用しているだけである
 Blitz!  ≪閃光!≫続いて Roaring! ≪爆音!≫」
 太陽が爆発したかのような光があたりを埋めつくし、至近距離で高性能爆薬が爆発したかのような爆音が耳を貫く
「ムキュ~・・・」「・・・・・・」
フランとの交戦時に逃げるために作っておいたスペルカードだったんだがこんなことに使うはな

(しかし...閃光と音で相手の視界と聴覚を一時的に麻痺させる効果のある魔法だったが、気絶するなんて威力でかすぎだろ。でも妖怪相手ならなかなか使えるな...)
 

青年逃走中・・・

全力であの場を離れてから5分程度がたった。追いかけてくるような気配はない
「おおっと、ん?これは」
 走っていると赤い何かにつまずいた
「・・・小悪魔さんだ」
とりあえず起こしてみることにした
「だいじょうぶですか?」
「・・・・ッハ?!私は何を!」
 とりあえず無事なようだ
「ヒ!ゆ、幽霊!?」
 どうやら俺が死んでいると思われているようだ
「ちゃんと生きてますよ。ほら足もちゃんとあるし」
「よく妹様相手にして生き残れましたね(例外が一人増えました)・・・」
 少しいたずらしてみようかな?
「ところで小悪魔さん、約束は覚えてますね?」
「え?約束?う~ん・・・」
 必死に思い出しているようだ
しばらくすると、一気に顔を真っ赤にして
「あ・・あんなのは約束のうちにはいりません!あんな一方的なのは約束なんかじゃありません!!」
・・・冗談だったのに
「まぁまぁ、落ち着いて。あれは冗談だから「たちの悪い冗談言わないでください!!」嘘。
 半分本気だった「ッッッ!!」」
 さらに顔を真っ赤にして無言になってしまった。こんないじりがいのあるキャラだったのか
「まあそれは置いといて、なんであんなところで倒れてたの?」
「・・・・・・・・・・」
 あれ?
「おーい」
「・・・・・・・・・・」
「だめだな。フリーズしちゃってる」
「えーっと、それはですね」
 あ、再起動した
「メチャクチャな爆音と閃光が見えたところから記憶がないんですよ。なにか御存じありませんか?」
 なるほど・・・さっきのか
「ごめん。それ俺のせい」
「そうだったんですか!?
 でもあんな威力の魔法なんて初めて見ましたよ?パチュリー様以上です」
 そうだったのか
「適当に組み合わせて使ってみたんだが、手加減の仕方がわからなくてな」
「適当であれですか。なんていうか、本当に人間なんですか?」
 自分でもよくわからなくなってきたな・・・・・・



・・・・・・青年またもや移動中・・・・・・


「さてと、そろそろかな?」
 鳴り響いていた爆音も消えたし、もう終わったようだ。
 レミリアの部屋のドアが跡形もなく吹っ飛んでいるところから判断すると相当暴れたようだ。
 中もひどい事になっているだろうな・・・
「レミリア。入るぞー」
 ドアもないので入ってみる・・・、するとそこには・・・
 予測した状態と全く同じ状態の部屋と、煤まみれの吸血鬼姉妹があった
 互いにすっきりとした表情で眠っているところをみると、仲直りはできたようだ
 それでこそあの威圧感に耐えた甲斐があるというものだ。

「で、そこにいるのはだれしょうか?」
 大穴のあいた天井を見上げ、そう言い放つ
「あややや、ばれちゃいましたか。スクープの気配がしたのでやってきたんですが、
 凄かったですよ!ホント!
『紅魔館の吸血鬼姉妹、初の大ゲンカ!!その理由は一人の外来人の奪い合い!!そして外来人の選択は!?』という題名に決定です!」
 (何なんだこのハイテンション娘、それに奪い合い?なんのこっちゃ。それに俺がロリコンみたいな誤解を受けそうだな・・・。潰すか・・・)
「それはどうでもいいから。俺が聞いたのはお前が誰かなんだが」
「ああ、申し遅れました。私は『清く正しい鴉天狗の新聞記者』射名丸しゃめいまる あやと申します。以後文々。新聞をよろしくお願いします」
(天狗か・・・イメージと大分違うな・・・)
「そうか。俺は黒羽 刀弥あいにくただの人間ですよ(人外認定はされたがな)」
「では、刀弥さん。レミリアさんとフランさんのことはどう思いますか!?」
 なんだこいつは・・・
「今日会ったばかりの奴に特別な感情は持ち合わせていませんよ」
(相手は新聞記者=パパラッチだ下手な回答はできない。潰しておくから関係ないが)
「ほほう・・・。ですがお二人はあなたにかなりの好意を抱いてらっしゃるようですが?」
(それはないだろう・・・)
「まぁそれはあとでゆっくりと聞かせてもらいましょう。
 部屋と天井の修復をするので、とりあえずそこから降りてもらえませんかね?」
「わかりました」

 能力を使用し、部屋を『二人は暴れたが部屋と天井は一切壊れたり傷ついたりしていない』という結果で上書きする。
 するとあら不思議、一瞬で部屋が元に戻っちゃいました
「はー・・・。つかれたー」
 ほんとに疲れた
「便利な能力ですねー」
「んじゃ、OHANASHIさせてもらいましょうか。ゆっくりとね・・・」
「あのー、なんか違うような気がするんですけど」
「安心してください。ある条件をのんでいただければ、手は出しません」
「な、何でしょう?(こ、この人ほんとに人間ですか!?ものすごく怖いんですけど!!)」
 話が通じる相手のようだな
「その新聞の題名がちょーっと不愉快な誤解を受けそうなんで変えてもらいたいだけです」
「そ、それだけでいいんですか?」
「はい。それさえ守っていただければ」
(守らなきゃどうなるかはわかってるよな?)
(あややや、甘いですね。逃げればこっちのもんです)
「では、後日改めてお会いしましょう。さようなら射名丸さん」
「文と呼んでくれても結構ですよ?ではさようなら」

それから咲夜さんにベッドまで連れて行ってもらった
「夕食はいかがしましょう」
 と聞かれたが
「眠たいんで今日はいいです」
 そう答えておいた。咲夜さんがいなくなり、ベッドへ横になると、すぐにこらえていた眠気が能力使用の疲労と共に襲いかかり、
「・・・ああ・・・・・・長い・・・夜だった・・・な」
 そう呟いて完全に意識を落とした







・・・・・後日・・・



「・・・ん~・・知らない天井・・・ではないか・・・」
 昨日はいろいろあったな全く知らないところに来て、初めて魔法を使って、実験動物にされて、初の命のかかった遊びをして、フランとレミリアを仲直りさせて、(自称)新聞記者の相手をして・・・ろくなことがねぇな・・・

「ん?」
(何か隣にいるな・・・なんだ?)
そう思い布団をめくると、
「・・・悪い夢か?これは」
 フランとレミリアが俺の両隣で寝ていた。頬をつねってみる。痛い。夢じゃない
「誰かに見られたら最悪だな・・・見つかる前に・・・」
コンコン・・・
「刀弥様。着替えをお持ちしました」
(マズイ・・・咲夜さんだ・・・この状況を見られたら・・・)
誤解されるのも嫌なので能力を使い『レミリアとフランはそれぞれ自分の部屋で寝た』という結果を上書きする・・・できない・・・。
(そういえば昨日パチュリーが「その能力は生物には使えないわよ」とかいってたな)
「失礼します。・・・昨日はお楽しみでしたね・・・( クスッ)」
 マズイ、ヒジョーにマズイ
「咲夜さん?なんか誤解してません?」
「冗談ですよ、刀弥様がそんな事をする人じゃないのは知っていますから」
(たちの悪い冗談だ)
「それよりも、朝食ができましたので着替えて食堂に来てください。今日は記念すべき日なので腕によりをかけて作りました」
(記念日?)
「ありがとうございます。ところで記念日というのは?」
「お嬢様方の仲直り(と、婚約者決定)の記念です」
(そうか。そうだったな。495年目でようやく仲直りだもんな)
「わかりました。でも、この二人はどうにかしていってください」
「お嬢様方は刀弥様が着換えさせても何の問題もないと思いますが?」
「問題大有りですよ。論理的にも描写的にも」
「そうですか。では・・・失礼します」
 咲夜さんはフランとレミリアを抱え一瞬で消えていった
(あれが咲夜さんの能力『時を操る程度の能力』か・・・うらやましい)

 さて着替えも終わったし食堂へ行こうか


青年移動中・・・・・

「遅いわよ、刀弥」
「すまんなレミリア。妖精メイドに案内頼んだんだがいたずらされてな・・・」
 どうやらご立腹のようだ
「まあいいわ咲夜、朝食を持ってきなさい」
「かしこまりました」
 とりあえず、喉をうるおすため、手元にある紅茶を飲んでいるとレミリアが
「刀弥、とても重要な話があるわ」
 と、えらく真剣な顔をして聞いてきた
「ねぇ、刀弥?私とお姉さまと、どっちが好き?」
 時間が止まった(かのような感じがする)
「ブフォ!ゲフ!ごほっごほ・・・・・・いきなり何をいいだすんだ?フラン?」
「「それで、どっちが好きなの?」」
 何を言い出すんだこの吸血鬼姉妹は・・・
「(ここは無難に)すまんな、質問の真意がわからん。それはどういった意味でだ?」
 一応聞いてみる
「あら、聞き方が悪かったかしら?『私とフラン結婚するならどっちがいいの?』」
 ・・・・・・・・開いた口がふさがらない
「もちろん私よね?」と、フランドール
「何言ってるの?刀弥はわたs「人の意見を聞くということを知れ、この馬鹿姉妹!」」
 思わず怒鳴ってしまった
「ふーん...吸血鬼の私を馬鹿扱いねぇ・・・」
 殺気を込めた視線を送ってくる。が、二回目なのでもう慣れた
「ちょっと黙れ」
 懐からボールペンをもう二本取り出して、片方は対化け物戦闘用13mm拳銃ジャッ○ル、もう片方を昨日使った454カスールオートマチックカスタムに過程をいじって変えて突き付ける
(しかし、16キロはやっぱり重いな。魔法で身体強化しなきゃ使えない)
「そんなオモチャで戦おうっていうの?おとなしく私のものになりなさい」
「オモチャかどうかはじぶんで喰らって確かめてみるか?」
「やめたほうがいいと思うな~」
「フランは止めてるが、どうする?それに俺は強制されるのが嫌いでね、自分のものにしたけりゃ惚れさせてみな」
「ふん、ほざいてなさい!」
   紅符『スカーレットデビル』
「短気なやつは好きじゃないぜ?」
 弾幕を放って来るが、昨日と同じ方法で回避
そして銃を構え『右手、右足を撃ち抜いた』結果を創って、引き金を引く
「ばーん」「当たるわけな!!!!!」レミリアの右手、右足に大きな穴が開き、千切れ飛ぶ
「当たるわけ・・・なんだって?」
避けたはずのレミリアの右手、右足が吹っ飛んで、血だまりを作っている
「『当たった』という結果がすでに出てるんだ。避けても当たる」
昨日のフランのようにもがいている。
違うのは千切れかけだったか千切れているかの違いと、右手が吹っ飛んでいることだけだ
・・・しかし、よく叫ばないな
「何・・で?・・避けた・・はず・・・なのに。それ・・に傷が・・・治らない?」
その状態で喋れるか?普通
「ネタばらしをしよう。当たったのはさっき言った通り。傷が治らないのはその銃弾が特別製だから。
 弾丸は、純銀製マケドニウム加工弾殻に法儀式済み水銀弾頭装薬にマーベルス化学薬NNA9を用いた専用の13mm炸裂撤鋼弾を使用してあるからな。分かりやすく言えば・・・そうだな急所に当たれば一発で死ぬ程度の威力だ。ちなみに咲夜さんが来ないのはちょいと寝てもらってるからだ。
 それで、反省したか?」
 もう痛覚はマヒしているようだ(しかし、二回目とはいっても罪悪感は薄れないな)
「ふふ、自分のみじめさを噛みしめているところよ・・・」
「うん。ならよし。治すぞ」
「こんな傷・・・もう手遅れよ・・・」
 うっさいしゃべるな
『傷は最初から無かった』と結果を上書きする
「うそ!?もう治ったの?」
 この馬鹿はほっといて、と
「で、フランはどうなんだ?こいつと同じことするか?」
「私は好きになってくれるまで待つわ。お姉さまほど馬鹿じゃないし」
 うん、性格は改善されたみたいだな
「じゃあ、飯も頂いたし、そろそろさよならだ。またなフラン、レミリア」
「ねー刀弥?」
「なんだフラん...む(な!!)」
い、いきなりキ、キスして来やがった!
「えへへー、初めてあげちゃった...。責任取ってね?」「フラン!?何してるの!?」
(何つーことしやがるんだこいつは...それにしても柔らかかっ...ハ!俺はロリコンじゃないんだ!でも年齢はこいつは俺よりも年上だからセーフか?)
「あのな、俺だって初めてだったんだぞ?それに責任って誰に教わった?」
「ん〜?パチェが教えてくれたの」
(あいつか...今度会ったらしっかりとOHANASIする必要がありそうだ)
「刀弥は私の物よ!!」
完全に復活したレミリアが近寄って叫ぶ
「レミリア...何時から俺はお前の物になっんだ?」
レミリアがゆっくりと顔を近付けてくる...
(まさか...)
そう思ったがもう遅い。
「二番煎じで悪いけど」
(やっぱりか)
「ん...ふ..む」
「ム〜、ンム〜〜!!」(こいつ舌入れてきやがった!!)
逃げようとするが吸血鬼の身体能力でガッチリホールドされていて逃げれない
「ん...ハー...どうだったかしら?初めてじゃないけど気持ちよかったでしょ?」
(...姉妹揃ってなんつー事を)
「あのな...俺が惚れるような女になってからそういう事をしろ」
あくまで平静を装う
が、内心はかなり焦っている
「じゃあ、またな。その内会いにくる」
(このままじゃ俺の理性が危ない)
「じゃあな」
一気に出口までの過程をほぼ0にして駆け抜ける

門前まで来ると中国さんに話しかけられた
「どこへ行くんですか?刀弥さん?」
「特に予定はありませんよ。中国さん」
「中国じゃありません!私には(ほん) 美鈴(めいりん)っていうちゃんとした名前があるんです!!」
「ははは、冗談ですよ」(本気で中国が名前だと思ってた)
「宛も無くウロウロするのは危険ですよ?」
確かにその通りだ
「人里にでも行ってみますよ。じゃあまた会いましょう」
そう言って歩き出すが...
「そっちは人里とは逆ですよ?」
先が不安だな


・・・・・・・・・・青年移動中


おかしいな...そろそろ人里に着いてもいい頃なのに、まさか
「迷ったか?」
 しかし・・・これからどうしよう





  
どこへ行こうか本気で迷ってる作者です
候補としては一応、人里、永遠亭、太陽の畑です