記事入力 : 2010/09/27 16:05:19
【コラム】哨戒艦「天安」沈没陰謀論の逆説(上)
「天安」沈没事件に対する制裁という非常事態から脱するためか、あるいは人道支援を受けるためか、北朝鮮は現在、さまざまな方法で韓国政府にラブコールを送っている。人道支援を求めるだけでなく、南北離散家族の再会まで提案してきた。韓国政府もコメ5000トンをはじめ、100億ウォン(約7億3500万円)相当の人道支援を約束し、南北離散家族再会行事の定例化にまで論議の範囲を広げている。しかし、韓国政府は「北朝鮮に対し大規模な人道支援を行うには、『天安』事件に対する北朝鮮の謝罪が前提となる」と、一定のラインを引いている。これは当然のことだ。
韓国政府の当局者は「人道支援問題が進展すれば、南北当局者の接触があるだろう。その際に、『天安』問題についても北朝鮮と話し合う可能性がある」と語った。北朝鮮が「天安」事件について、進展と受け取れるような見解を表明すれば、その時点で韓国政府の北朝鮮向け支援や6カ国協議の再開問題は質的に変化する。しかし、これらすべての足を引っ張っているのが、まさに「天安」事件に対する北朝鮮の沈黙だ。
もちろん、北朝鮮が自ら犯行を認めるのは容易ではない。北朝鮮は犯人が捕まっているにもかかわらず、いまだにラングーン事件(1983年)や大韓航空機爆破事件(87年)を認めていない。韓国政府は公の場で明言こそしていないが、「北朝鮮から『天安はわれわれが沈没させた。これに対し謝罪する』というレベルの謝罪を求めているわけではない。北朝鮮が遠回しな表現でも、『天安』事件に対し責任ある行動を示せば、これを謝罪と受け止めることもできる」という見解だ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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