スペシャル

「百花繚乱 サムライガールズ」スタッフがラジオのコーナーをもとにして 気の向くままに綴るスペシャルコラムです。

コラム【壱】 「武應学園塾 歴史館」編

「心の理を分け、その理を知る事兵法の根本なり。」(柳生十兵衛)

悠木 碧さん演じる本作の主人公、柳生十兵衛。

何となく名前は聞いたことあるし強そうな感じだけど、特に 教科書にも出てこなかったし、ぶっちゃけ一体誰なの?
という素朴な疑問に答えるべく、百花繚乱スタッフが立ち上がりました!

■どこに住んでたの?

★印の場所です(右の地図参照)。

江戸時代には柳生藩といわれ、現在の奈良県奈良市柳生町にあたる場所に柳生家のお屋敷がありました。伊賀(三重県)と甲賀(滋賀県)という忍者の里と隣接した地域です。

■強かったの?

強かったです。

徳川家光の剣術指南役として仕え、後に13,600人の弟子に技を伝授したといいます。祖父に剣術の柳生新陰流を創始した柳生宗厳(むねよし)、父に関ヶ原の戦いで功を立てた柳生藩初代藩主・柳生宗矩(むねのり)をもち、三池典太(みいけてんた)と呼ばれる愛刀を携えていました。

■偉かったの?

けっこう偉かったです。

父の宗矩は1万2500石の大名でしたが、宗矩の死後、長男・十兵衛と三男・宗冬、六男・六丸(列堂義仙)とで残された領地を分け、それぞれの取り分が1万石を下回ったため、十兵衛は旗本となりました。それでも庶民からは「殿様」と言われる身分で、旗本の中ではトップクラス。けっこう偉かったんです。

遠山景元・晩年の肖像画

■てか旗本って何?

遠山の金さんくらいな感じです。

石高が1万石未満で、将軍が出席する儀式に参列できる者を旗本といいます。ちなみに石高が1万石以上の領地を持つ者を大名といいます。旗本にはいろいろな人がいましたが、15歳のときに漁に出て嵐に遭ったことから渡米することになったジョン万次郎も帰国後、特例で旗本になったそうです。人生何があるかわかりませんね!

旧柳生藩家老屋敷

■どんな人生を送った人なの?

謎が多い人生です。

早くから剣術に秀で、徳川家光に仕えていましたが、20歳のときから12年間日本全国を放浪。その後旗本となり、1650年に44歳で亡くなっています。放浪していた理由や死因は、はっきりしたことがわかっていません。また、十兵衛は片目を失明した姿で語られることが多いですが、実際そうであったかは不明なようです。ちなみに十兵衛という名は通称で、本名は柳生三厳(みつよし)といいます。

■冒頭の言葉は何?

技も大事ですが、心も大事とのことです。

冒頭の言葉は柳生十兵衛の書いた本「月之抄」からの引用です。 十兵衛は単なる斬り合いの技ではなく、世を治めるための術の習得を理想とする「柳生新陰流」を受け継ぎ、自分と相手の心を読み解いていくことを説きました。「心の理を分け、その理を知る事」の意味たるや、深いですね~!

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
次回のスペシャルコラムは不定期更新ですが、お楽しみに…!

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