「大阪2011年問題」大規模増床で火花散らす百貨店 (1/2ページ)

2010.9.19 07:00

改修工事が進むJR大阪駅と、JR大阪三越伊勢丹が出店するノースゲートビルディング(写真奧)=大阪市北区

改修工事が進むJR大阪駅と、JR大阪三越伊勢丹が出店するノースゲートビルディング(写真奧)=大阪市北区【拡大】

  • 増床工事が進む大丸梅田店が入居するサウスゲートビルディング(アクティ大阪)(写真右)=大阪市北区

 「大阪2011年問題」と評される、大阪の百貨店の大規模増床を来春に控え、開業日スケジュールが徐々に具体性を増してきた。大阪初進出となるJR大阪三越伊勢丹は、5月の大型連休にかかる期間で最終調整を進める一方、大阪駅南側の大丸梅田店は、大型連休が集客の大きなポイントになるとみて、早期の増床開業に乗り出す構え。一方、大阪・ミナミで来春、増床工事を終える高島屋大阪店は、梅田の両店に先駆けて消費の先取りを図るべく、3月のグランドオープンを打ち出しており、来春に向けた戦略が早くも火花を散らしつつある。

 JR西日本の佐々木隆之社長は15日の定例会見で、大阪駅北側に建設中のノースゲートビルディング(大阪駅新北ビル)に出店するJR大阪三越伊勢丹の開業時期について「来年5月に開業するよう、進めている」と、開業へのタイムテーブルを説明した。これまで、「平成23年春」としてきた開業時期から一歩踏み込んだ格好だ。

 JR西は、季節の境目となる3、4月はセールなどの関係もあり、百貨店としての商品展開が難しいことから、夏物商戦がスタートする5月を選んだと説明。ただ、三越伊勢丹サイドは、人の動きが活発で集客が見込める大型連休前の開業を希望しており、実際は「JR福知山線の脱線事故(4月25日)に近い日程は避けるべき」という声がJR西社内から多く、月をまたいだ5月にすることで遺族に配慮したとみられる。

 一方、大阪駅南側のサウスゲートビルディング(アクティ大阪)で増床工事を進める大丸梅田店は、連休中の集客を視野に極力早期の増床開業を要請。ただ改修工事中の大阪駅のエントランスとしての機能もあり、JR西側はまだ開業時期を23年春としたままで明確にしていない。大丸梅田店では「現在、改装でフロアを閉鎖している地下1~2階と4、6、8、9階も年内には営業再開するスケジュールは固まった。ただ、3月以降については、まだ調整中のためグランドオープンの時期は明確に言えない」としている。

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