09/27 12:00
編集会議で飛び交う強烈な単語......BLマンガ最前線の実態とは?
[『BL社長』刊行記念インタビュー(後編)]
――コミックの中でも編集会議などで刺激的な言葉が飛び交うことに驚いている姿が描かれていますが、実際にカルチャーショックを受けられたことはありますか?
岩越 マンガの中で会議のエピソードがありますが、ほぼ実話です。初めて参加した会議でのことは、人生で最も強烈な思い出です。妙齢の女子が10人くらい集まって、「デカ●ラ」だの、「尿●責め」だの、「挿入」だの、「乳首」だのと活発な議論を交わしているのです。おおよそ人生では聞いたことのない言葉を、女子社員たちがポンポン発言するのには、正直驚きました。私はそういう単語を自分からは口にできないと思います。あ、今回のインタビューはウェブ掲載ですよね? 「デカ●ラ」とか「尿●」って普通に載せられるのですか?
――ギリギリアウトかと......(笑)。
岩越 先ほどのトイレの写真にも非常に驚きました。後から聞いたら、歓迎の意味で置いてある、ということらしいのですが......。なぜにゲイの全裸男性の写真で歓迎なのか、甚だ疑問が残り、理解のできない点です。
あとは腐女子の思考ですね。男が2人いたら、必ずカップリングをするのが腐女子だそうです。私が赴任した当初も、会長と私を前にした社員は「どっちが攻か?」ばかりを考えていたそうです。さらに驚いたことに、カップリング対象は人間だけでなく、無機物にまで及ぶのだそうです。そのもの自体への萌えもあるそうですが、多くはカップリングとして対象物に萌える――頭では理解できても、その真の意味はまだ理解できません......。
――それはちょっと難しいですよね(笑)。では、BLの奥深さを感じたのは?
岩越 編集部長の「BLは少女マンガの発展形態であり、最終形態」という言葉に感銘を受けました。日本のマンガの歴史は60〜70年といったところですが、その期間内にも時代に合わせた劇的な変化を遂げています。その中の一つである少女マンガも長い歴史を持ちますが、読者の求めに応じて刺激を強くしていけばいくほど、ジャンルや作品は行き詰っていくという面もあります。編集部は、少女マンガを読んで育った女性の行きつく先がBLと信じているようなのです。そこには純粋な恋愛(過激なものもありますが)や、仕事にうちこむ姿、ファンタジー世界の面白さ、すべてが含まれています。少女マンガの一ジャンルから生まれ、今の人間関係が希薄な時代にとって必要な恋愛の表現方法を持つもの、それがBLなんだそうです。
――実際に、岩越さんがBLカルチャーを知って、なにか変化はありましたか?
岩越 時折外部の方に、「岩越さんは女子社員から、受攻どちらと言われているんですか?」と聞かれることがあるんです。男としては、もちろん攻でありたい。なので、自分なりに皆に攻と思って(判定)してもらえるような行動を心がけています(笑)。
――どんな行動をされているんですか?
岩越 BL界の攻には「マメな男」が多いそうなので、マメな行動をとるよう気を配っています。たとえばどこかに出かけたときは必ず編集部に御土産を買ってきます。
――コミックの中では仕事の部分でも編集部員と同じ目線に立とうとBLを勉強し、その知識を披露したところで玉砕されるという場面があり、読み手として母性本能がくすぐられました。
岩越 編集部員たちとBL論を交わしたくて、様々な「BL論」を読みました。難しかったのですが、「なるほど!」と思って編集部員の前で仕入れたばかりの知識を(ほぼ受け売りで)披露しましたら、総スカンをくらってしまいました......。編集部員たちには「もっと奥にある真髄を読み取ってくれ」「目の前に、世界のBLの最前線があるのだから見て学べ」と言われてしまいました。いつかBLについて完璧に理解できたら、僕が本を書こうかな(笑)。
――御社はいわばBL出版社のリーディングカンパニーですが、BLを盛り上げるための目標は?
岩越 リーディングカンパニー! うれしい言葉ですね(照)。本音を語りますと、リブレの最終目標、それは"全世界ターゲット"です。 もちろんBLによる"という枕詞がつきますが(笑)。現在リブレは日本国内のBL市場を直走っています。世界でも10種類以上の言語に訳され、どんどん広まっている最中です。日本、ひいては全世界をターゲット――この目標は揺るぎません(笑)。
――最後に、モデルである岩越さんからみた「BL社長」の見所を教えてください。
岩越 まず私のことが大変かわいらしく描かれている点です――というのは冗談ですが、本心ではもっと嗜虐的に描いてもらった方がマンガの読み物として、読者の方には面白いかと思っています。この本を読んだ読者さんからのツッコミのレターがいつ来るかと楽しみにしています。見所としては、バックボーンや考え方・育ち方が違う人(あえて)が出会ったけれども、"BL(人間同士の絆)を世界に広げる"という同じ志を持って一緒に進んでいけば仲間を手にすることができる、という大きなテーマが含まれている点です。一旦仲間になってしまえば、世代や考え方の違いなんて大したことではありません。それを伝えたいですね。
(文・構成=小島かほり)
※画像は『BL社長』(リブレ出版)
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