<司法修習生>最高裁と日弁連が応酬 給費制維持巡り
毎日新聞 9月27日(月)11時40分配信
「金持ちしか法律家になれなくなる」として、日本弁護士連合会が司法修習生に給与を支給する制度(給費制)の維持を求めていることに対し、貸与制導入に向けて準備を進める最高裁が「国民の理解は得られているのか」と異例の物言いをつけている。制度維持の根拠を質問された日弁連は、逆に「最高裁が調査すべきだ」と反発、議員立法による制度維持を目指して各政党への働きかけを続ける方針だ。【伊藤一郎】
司法修習生は現在、国費から月約20万円を支給されているが、11月からは月18万〜28万円の貸し付けを受けられる貸与制に移行することが決まっている。司法制度改革で司法試験合格者の増加が打ち出されたことに伴い、04年に裁判所法が改正されたためだ。
最高裁は既に、11月から修習を受ける司法試験合格者に対し、貸与を受ける意思を尋ねる通知を出した。修習終了後、5年間の返済猶予があり、6年目から10年間かけて返済することになる。1カ月当たりの返済額は2万5000円程度の計算だという。
09年の弁護士白書によると、5年目以降の弁護士のうち64%は所得が1000万円以上で、最高裁事務総局の幹部は「月2万〜3万円の返済が過酷と言えるのか」と指摘。今月10日と15日の2回にわたり、日弁連に質問書を送付し「給費制廃止で修習生に過酷な経済的負担が生じる」との主張の具体的な根拠を尋ねた。
これに対し、日弁連は「司法試験合格前に借りた大学や法科大学院の奨学金を返済する人の場合、毎月の返済額が6万円以上になるケースもある」などとするデータを示し、「本来は最高裁が自ら調査、分析すべきだ」と主張。「合格者増による就職難もあり、弁護士の経済状況は法改正時に想定できなかったほど極めて厳しくなっている」と反論する。
応酬が続く中、民主党は日弁連の主張を支持して13日の法務部門会議で給費制を維持する方針を確認。11月の制度移行目前になって議員立法化に向けた動きが進み始めた。
最高裁側には「司法は立法と距離を保つべきだ」との声もあるが、日弁連側は「法改正を求めているのに政府が動いてくれる気配がないのだから、議員に陳情するしかない」と譲らず、今後も各政党に理解を求めていくという。
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最高裁は既に、11月から修習を受ける司法試験合格者に対し、貸与を受ける意思を尋ねる通知を出した。修習終了後、5年間の返済猶予があり、6年目から10年間かけて返済することになる。1カ月当たりの返済額は2万5000円程度の計算だという。
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これに対し、日弁連は「司法試験合格前に借りた大学や法科大学院の奨学金を返済する人の場合、毎月の返済額が6万円以上になるケースもある」などとするデータを示し、「本来は最高裁が自ら調査、分析すべきだ」と主張。「合格者増による就職難もあり、弁護士の経済状況は法改正時に想定できなかったほど極めて厳しくなっている」と反論する。
応酬が続く中、民主党は日弁連の主張を支持して13日の法務部門会議で給費制を維持する方針を確認。11月の制度移行目前になって議員立法化に向けた動きが進み始めた。
最高裁側には「司法は立法と距離を保つべきだ」との声もあるが、日弁連側は「法改正を求めているのに政府が動いてくれる気配がないのだから、議員に陳情するしかない」と譲らず、今後も各政党に理解を求めていくという。
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最終更新:9月27日(月)13時23分
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