中国人船長の釈放決定について東京都の石原慎太郎知事は24日、定例会見で「政府は非常に間違った判断をした。(釈放の)論拠はわが国の利益だろうが、利益とは金目の問題。それ以上に国家として、民族にとって大事なものがある」と述べ、「日本はこのまま沈む」と嘆いてみせた。
一方、都は中国野生動物保護協会からパンダのつがいを借り受け、来春に上野動物園(台東区)で公開する準備を進めている。影響を問われた知事は「パンダもらって尖閣を渡すのか。そんなもの考えたら分かることだろう」とだけ述べた。計画を白紙に戻すともとれるこの発言について都幹部は「パンダと今回の問題を一緒にするなという意味だと思う。都としては計画をこれまで通り進めていきたい」と語った。【石川隆宣】
毎日新聞 2010年9月25日 東京朝刊