2010.09.27

【翻訳】中国の日本との揉め事---動きはあったが、終わってはいない。(The Economist)

◆日本が世界の笑いものになっているわけではありません。The Economistはかなり中国に対しても辛辣です。

アメリカの新聞は、元々あまり公平ではなく(特にニューヨーク・タイムズ東京特派員は、日系人の癖に

日本や日本人の事をボロクソに書くので有名です)、昨年来鳩山宇宙人が、普天間で、あーでもない、こーでもない、

とやってしまったので、冷たいのです。

英国のメディアが全て公平とは言えませんが、フィナンシャル・タイムズの社説や、経済雑誌のThe Economistは、

かなり客観的であると思います。

その「エコノミスト」誌の記事を翻訳しました。

かなり久しぶりに翻訳したので、分かりづらい日本語になってしまいましたが、

ご容赦のほど。


◆The Economist:Out but not over(Sep 24th 2010)

遂に、日本と中国の揉め事は、経済からナショナリズムへと発展してしまった。

両国の経済的関係の悪化が懸念されるが、それは両国にとって同じ様な損失である。


事の発端は、9月7日、中国漁船が日本の海上保安庁の巡視船に体当たりを食らわせたことだが、

これは両国ともに、自国の領海であると主張する海域で起きた事故である。


日本は24日(金)、日本の巡視船に故意に接触した公務執行妨害容疑で取調中だった中国人船長の

釈放を決定した。世界の外交関係者は、一応この措置にホッとしたけれども、この争いを

どのように見るべきであろうか?


一見、日本は中国の恫喝に屈したように見える。しかし、この事件に関する中国の反応の

すさまじい獰猛(どうもう)さは、究極的には中国にとってマイナス要因である。

このような国がアジアの「責任あるステークホールダー(利害関係者)」として

信頼出来ない、という印象を他国に与えたことは否めない。


日本の通信社、共同通信によると、那覇地検は、

「船長の行動に計画性が認められない」

ことを、不起訴処分の理由としているというが、本当のところは、

中国漁船の乗組員と船長が逮捕された後の中国のすさまじい反応によるものと思われる。

中国人が逮捕されてから、中国政府は日本に、「船長と乗組員を早く帰せ」と何度も

繰り返し圧力をかけ、しかもそれはどんどんエスカレートしていった。


中国は、日中間の閣僚級以上の交流を中止し、更に、4名の日本人を軍事地区での違法な

映像撮影を行った、という理由で拘束した。

また、中国は日本に対して、ノート・パソコンから自動車まで、製造に必要な、

レア・アースの輸出を禁止すると通告しが、これはとりわけ不法な行為に思われる。

23日(木)、中国政府は(レア・アースの)輸出を禁止した事実はない、と、しきりに強調したが、

それは本当かも知れない。つまり「公式の」輸出禁止令は発しなかったのかも知れない。

だが、中国のように非公式のルールが沢山存在する国では、輸出業者は、とりわけ政府が日本と

揉めているときに、逆らわない方が無難だ、と感じたであろう。



本質的には、尖閣諸島をめぐる争いだけが問題なのではなく、中国は日本以外の

中国と領土問題を抱えている国々(特に南シナ海で)に対して、恫喝的メッセージを発したのだろう。

南シナ海の領有権に関して中国は、台湾、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム

と争っているのだ。

そして、中国は日本の菅直人政権に、人も住んでいない小さな尖閣諸島の領有権をあくまで主張するのか

長期的視点から中国との経済関係をとるのか、難しい決断を迫ったつもりなのだろう。日本は

中国との間で、領土問題に関して屈したわけではない、といいたいようだが、

今回のご都合主義の決定は、かなり長く尾を引くであろう。



中国にとっても今回の行動は、本人達は分かっていないようだが、一つの試金石であった。

中国の態度は、国際社会における責任ある国家としての未成熟度を露呈してしまったし、

国是としている「平和的発展」が口先だけのものであることが明らかとなった。


領土問題を解決するときには国際社会のしきたりをキチンと守る、他の諸国は皆、中国の態度を

不快に感じている。

中国の日本に対する通俗劇のような反応は、尖閣諸島問題は彼等にはまだ処理しきれない不釣り合いな

難題であることを示すと共に、両国がお互いに納得の行く結論に到達することを不可能にしてしまった。

とりあえずに危機は去ったが、この解決法は日中両国に暫く冷え切った関係をもたらすであろう。



最近まで、日中両国は互いに貿易関係を促進し、両国共に景気が良かった。2009年から中国は日本にとって

最大の輸出国であった。そして政権交替が実現し、民主党は最も親中国的な政党だった。

これら全ての友好的関係は、失われた。

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2010.09.26

【音楽】Fly Me To The Moon--フランク・シナトラから加護亜依まで。

◆中国の話はちょっと待って下さい。

昨日書いた後、事態は御存知の通りで、ますます中国が図に乗ってきているのですが、

昨夜、腹が立ちすぎて、気分が悪くなりました。血圧が急に上がってしまったのです。


それに加えて、今朝(25日朝)中国が謝罪と賠償を要求していることを知って、今現在、冷静な文章を書けません。

フィナンシャルタイムズが、こういうとき、客観的な社説を載せるのです。

China’s tactics risk backfiring (中国の目論見は裏目に出る危険がある)

という見出しがあるので、記事本文を読んで翻訳したいのですが、どうやら中国からアクセスが殺到しているらしく、

ずっと、サーバーのキャパシティを超えている、とエラー表示が出るので、読めないのです。

少し、待って下さい。


◆Fly Me To The Moonの続き。

少し気分を落ち着けるために、敢えて音楽にします。

"Fly Me To The Moon"(私を月へ連れて行って)は良い歌です。

何度も書いていますが、ものすごい数に歌手がカバーしているので、選択に迷います。


しかし、まず、定番からもう一度参ります。フランクシナトラから。

この歌がヒットしたのは彼の功績が大きいですからね。

なお、英語の歌詞と日本語訳を、このページの下に載せてあります。ご参考まで。


Frank Sinatra - Fly Me To The Moon







ノリの良さと、バンドの上手さが引き立ってます。

次は、ボサノヴァで、アストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)です。「イパネマの娘」で有名な、ブラジル生まれのアメリカ人。


アストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)Fly Me To The Moon







お聴きのとおり、シナトラとぜーんぜん、違います。ボサノヴァだから、けだるそうなのですね。

次は、宇多田ヒカルさん、です。前奏から歌ってます。


宇多田ヒカル "Fly Me To The Moon"







丁寧な歌い方ですが、今の子らしい独自の世界ですね。


時代が前後しますが、昨年、弊ブログを御愛読下さっている、てんけいさんからお薦め頂いたものです。

てんけいさんは、惜しくも夭逝した本田美奈子さんの熱烈なファンでいらっしゃいまして、以前、私が本田美奈子さんが歌った

ヘンデルのオペラ「リナルド」から「私を泣かせて下さい」を絶賛したことがあり、そのころからお付き合いさせて頂いております。

大変多趣味で、思考が柔軟な方でして、本田美奈子さんもお好きですし、私がご紹介するクラシックも聴いて下さいます。


そのてんけいさんから1年前教えて頂いたのが、ブレンダ・リー(Brenda Lee)です。

日本語のウィキペディアの説明はこの程度ですが、英語版は詳細を極めております。



Brenda Lee "Fly Me To The Moon"







勿論、好みはあっていいのですが、独特ですね。Brenda Leeさん、他の歌も聴きましたが、

どれも、「Brenda Leeだ。」と一瞬で分かるのです。ジャンルを問わず、演奏上の個性は極めて大切です。


さて。

次は驚かれるかも知れません。椅子から転がり落ちないようにお気を付け下さい。

なんて書いては悪いですね。元「モーニング娘。」の加護亜依さんが、復帰して初めてジャズ・アルバムを出したのですね。

AI KAGO meets JAZZ



あの、モーニング娘。ってのは、プロデュースのつんく氏がこれだけは譲れない、という基準があったのでしょうか、

一人ずつ聴くと、歌は上手いのです。少なくとも音程がいいのです(勿論、それなりに、です)。

加護亜依さんも、センス良いです。ジャズは雰囲気が大事ですけど、それを感じるセンス。



加護亜依 Fly Me to the Moon







良いとおもうのですよ。iTunes StoreのURLは、

http://itunes.apple.com/jp/album/ai-kago-meets-jazz-the-first/id362478620

です。


さて、最後はインストゥルメンタル(器楽)ですね。前田憲男さん。

この方はすごいですね。ピアノも編曲・作曲(理論ですね。)も独学だというのですから。

センスは、抜群ですね。天才だと思います。

ピアノ・トリオ(ピアノ、ベース、ドラムス)です。大人の世界です。


前田憲男 Fly Me To The Moon







良いですね-。iTunes StoreのURLは、

http://itunes.apple.com/jp/album/piano-plus-one/id288230354

ですが、Moraとか音楽配信サービスの至る所でダウンロード購入できます。

如何ですか?それぞれ、いいですよね。まあ、ひとまず、落ちつきましょう。


◆原曲の歌詞と訳詞(Verseを含む)。

この唄の英語の歌詞と日本語訳を添えます。

Fly me to the moon 作詞:Bart Howard 訳詞:橘 結希

Poets often use many words to say a simple thing.

簡単なことを伝えるために、詩人はいろいろな言葉を使う



It takes thought and time and rhyme to make a poem sing.

その詩を囁くために、思案して、時間をかけて、音を乗せる



With music and words I've been playing.

音楽と言葉を添えて、私はそうしよう



For you I have written a song

あなたのために私は歌を書いた



To be sure that you'll know what I'm saying,

私が何を言いたいのか、わかってくれると信じてる



I'll translate as I go along.

進むにつれて、解き明かしていくでしょう



(注:普通はこの後から歌い始めます)


Fly me to the moon

私を月へ連れてって



Let me sing among those stars

星々の間で歌わせて



Let me see what spring is like

On Jupiter and Mars

木星や火星の春がどんな様子か私に見せて



In other words, hold my hand

つまりね・・・手をつないで



In other words, darling(baby) kiss me

つまりね・・・ねぇキスして



Fill my heart with song

歌が私の心を満たす



Let me sing for ever more

ずっと、もっと歌わせて



You are all I long for

あなただけが私にとって何ものにも代えられない、



All I worship and adore

あなただけが大切で尊いもの



In other words, please be true

つまり、「真実(ほんとう)にしてほしい」ってこと



In other words, I love you

言い換えると・・・「愛しています」


ロマンティックですね。いいですね。

それでは皆様、どうぞ良い日曜日をお過ごし下さい。

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