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韓国哨戒艦沈没:北は融和姿勢 政府、大義名分探しに苦慮

 【ソウル西脇真一】韓国海軍哨戒艦天安(チョンアン)沈没事件の発生から26日で半年になった。韓国政府は「北朝鮮による魚雷攻撃」として5月から交易、交流の原則中断など対北強硬政策を貫いている。ところがここにきて北朝鮮が融和姿勢を見せ、韓国内には対話再開を求める声も出てきた。北朝鮮は事件への関与は否定しており、韓国政府は対話再開の「大義名分」をつかめず苦慮している。

 北朝鮮は8月の中朝首脳会談で核問題をめぐる6カ国協議の早期再開で合意した。今月になると、韓国に対し水害支援としてコメを要請したほか、拿捕(だほ)船員の送還や南北離散家族再会協議などを提案した。

 キャンベル米国務次官補は16日、上院軍事委員会で「まずは南北の対話が必要だ」と答弁。日米は6カ国協議などの再開は「韓国の気持ちが第一」(外務省関係者)とする。

 20日付の韓国紙、中央日報の世論調査によると、コメ支援には約66%、南北首脳会談開催には約84%が賛成した。11月には主要20カ国・地域(G20)首脳会議のソウル開催を控えていることもあり、与党内にもコメ支援や対話再開を求める声もある。

 ただ、実際に動き出すと保守派の猛反発が予想され、韓国政府は水害被害のためにコメ5000トンを含む100億ウォン(約8億円)相当の人道支援を決めただけだ。北朝鮮は、韓国が求める沈没事件への謝罪や関係者の処分を無視し、原因の調査結果も「捏造(ねつぞう)」と非難している。

 また、北朝鮮は以前からの懸案事項である朝鮮戦争(1950~53年)での捕虜送還や核問題でも具体的に動く気配はなく、韓国政府は「次の一手」を出せない状況だ。

毎日新聞 2010年9月26日 19時59分

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